神崎ひかげVSポリスマン

あきかん

警察官の証言 その1

 今まで嗅いだことが無いほど酒臭かった。それが第一印象です。

 大通りで喧嘩が始まった、と通報を受けて駆けつけるとそこには1人のOLがいました。それがあの神崎ひかげでした。

 血溜まりで立っていた彼女は、我々に気がつくとこちらへ歩いてきました。近づいてくると、酒の臭いが酷く、昼間からどんだけ飲んでいたんだ、と思ったものです。

「突然襲われて仕方なく…」

 と、喋り出した彼女ですが、いやいや突然襲われてこんな凄惨な景色は作れんでしょ、と心のなかでツッコミました。それほど酷い現場でしたので。

 職業柄、色々な喧嘩の現場を見てきましたが、さすがにこれを喧嘩の一言ですまされるようなものではなかったです。それこそ殺人現場と言った方が納得できました。

 彼女を連行していた時、鳥肌が全身にできました。こんなことは初めての経験で、後で同僚に話を聞くと彼も同じように鳥肌がたったようです。

 今すぐ逃げ出したい、と本能は訴えて来たのですが、そこは警察官としてのプライドが勝り、何とか警察署へと彼女を送り届ける事ができました。あんな経験は2度としたくはありません。

 事情聴取は別の警察官に任せて、私は休憩していました。その時に、もしかして彼女はあの限界酒乱OLではないか、と話す同僚がいました。

 我々も、まあ言葉は悪いのですが、暴力の世界に身を置く人間です。ですので、一般人よりも暴力に対する感度が高いのです。

 作り物の動画だと思っていた、あの大蛇の死体に座って酒を煽るOLの映像は、本人と出会って本物だと確信しました。それほど、彼女が放つ気とでもいうのでしょうか、雰囲気は常軌を逸していました。

 もちろん、私も現場に到着した際に彼女とは対話をしました。普通のOLと言いますか、まあ無難な会話だったと思います。ただ、あの現場を作った張本人が普通の会話をする、ということ事態が異常だとも言えます。

 その後、神崎ひかげはどうなったのか、ですか。その日のうちに釈放しました。ご存知の通り、被害者の方が行方不明となりましたし、まあここだけの話、留置場へ入れておくにも問題があると判断したためです。勿論、彼女の素行の良さから逃げ出すことは無いだろう、という前提のもとでですが。

 警察署で神崎ひかげが何をしたか、ですか。それは、私の口からは言えません。まあ、そんな事を聞くのならば事の顛末はご存知なのでしょう。概ね合っている、と答えておきましょう。


 この程度で良いですか。私も具体的に知っている訳でもないので。お土産ありがとうございました。私も彼女には興味があるので、記事がでたら教えてください。それでは、お疲れ様でした。

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