第27話3-4:緑ミイラ②
「生前から、気分屋というか、どっちつかずというか、熱しやすく冷めやすかったらしい。学校では流行前のゲームとかにはすぐ食いつくが、流行していてみんながし始めたらもう興味がない子だったらしい。授業も新しいことを学ぶことには興味を持つが、復讐は全くしなかったので、細かいところはよく間違えたらしい」
「そうなんだ」
「彼は途中から授業中は先生の話を聞かないで、自分で勝手に問題を解いたり本を読んだりしていたらしい。先生から見たら本当は良くないが、成績が良かったし周りの生徒の迷惑をかけたわけではなかったから見て見ぬふりをされていたらしい。まぁ、時計などの学校の備品を勝手に解剖して壊してしまったときはさすがに怒られたらしいが」
「それはダメでしょ」
「そして彼は学校の先生から、大学に行って好きなだけ実験や研究をするように言われた。高校までの機関や普通の学校では満足できないはずだと言われたらしい。実際に彼にとって学校は退屈なところだったらしい」
「私の普通な退屈とはレベルが違うわね」
「彼は大学の工学部に入って色々としていたらしい。すると、そこではゾンビを被検体として使って実験していたらしい。機械を使うときの危ないところをゾンビで補っていたということらしいが、人間世界の闇が見えたらしい」
「人とゾンビが?」
「そして、そこにはあたりめのように黒フードがいたらしい。そして、優秀な人材として勧誘を受けたらしい。あいつは最初はノリノリで勧誘を受けようとしたらしいが、途中で面倒くさくなって断ったらしい」
「そこでもその性格だったの?」
「そうしたら、秘密を洩らさない為と裏切りの粛清ということでゾンビ化の実験の被検体になったらしい。そして、その持ち前の面倒くささが一種の信念となり、黒フードに逆らうことになってミイラになった。そして、その場にいることに飽きたので脱走して、俺たちの仲間になったようだ」
「なんか、やっぱり変な性格が多いわね」
私はもうミイラたちの性格をきちんと理解することは諦めていた。そして、ミイラがゾンビと戦っているところに助けに行くことも諦めていた。緑ミイラとゾンビ猫との戦いは、私が入れるものではなかった。
ゾンビ猫はその強化された速い動きと鋭い爪で緑ミイラを襲ったが、緑ミイラは包帯を鉄のように硬くしてそれを弾いた。そのまま鉄のような包帯をゾンビ猫に向けて伸ばしたが、ゾンビ猫はぞれを爪で弾いたりかわしたりした。そのままゾンビ猫が反撃して、それから緑ミイラが反撃して、それの繰り返し。
「大変ね、戦いって」
「そりゃそうだ。今までもそうだっただろ」
「でも、今までのミイラと違って、苦戦していない?」
「まぁ、攻撃の仕方が地味というか、広範囲でないからな」
「それで時間がかかっているのね。かわされているのね」
「まぁ、爆発や風や雷に比べたら地味になるのは仕方ない。まぁ、気に比べたらどうなのかは人の感性によるけど」
今までのミイラたちは凄かったんだなぁーと改めて感心した。もちろん、緑ミイラがすごくないというわけだはないが、いろいろな能力を使える恐ろしいミイラたちだと考えると、額から汗が流れてきた。目の前では、ゾンビ猫の切られたところから黒い血が流れていおり、それが緑の包帯に付着していた。
すると、その血が付いたところから包帯がボロボロに崩れていった。それは少しずつ緑ミイラの体の方に染みていき、それを追って崩れていった。頑丈な包帯が見るも無残に布屑のようになっていた。
「どういうこと?」
「あれだ、サビだ」
「サビ?」
「そうだ。刃などの金属は特に起こりやすいが、錆び付いている」
「どうして?」
「刀が血を受けると錆びやすくなるんだ」
「それにしては早すぎるでしょ?」
「おそらく、ゾンビの血がそういうふうになっているのだろう。そうとしか思えない」
互いに若手いない様子。
「もしそうなら、どうするのよ?このままじゃあやばいじゃない」
「おーい、緑ミイラー!」
白ミイラは声を張った。
「なんだ?」
「手伝おうか?」
緑ミイラはイラっとした表情で口が笑っていて、こう言った。
「誰が手こずっているって?手こずっているけど。じゃあ、本気を出すよ。今までもては抜いていなかったけど!」
そう言うと、緑ミイラは包帯を天高く伸ばした。
すると、そこに吸いこまれるように黒い霧状の物体が集まった。
それは、暗黒の様子だった。
「何よあれ?」
「あれをするのか」
「知っているの?」
「あれは、磁力を集めているんだ」
「どういうこと?」
「磁力は鉄を引きつけるだろ。それは逆に言うと鉄も磁力を引きつけることになる。すると、その鉄の周りは強力な磁場が発生して、なんかよくわからないがすごいことになる」
「そのよくわからないけどすごいことっていうのが、あれ?」
そこは、暗黒が集まったり散らばったりしていた。宇宙空間における霧状のものが集まって星ができたり爆発したりするという話を思い出した。それは、自然の神秘なのか人口の悪魔なのか、詳しい人がいれば聞いてみたい。
そりあえずそれはやばそうだ。近くのものが引っ張られたり押されたりと揺れていた。世紀末って、こんな感じかしら?
「しゃがめ」
「ぎゃふん」
白ミイラに後頭部から押し付けられて私が顔面強打した見えないところで、形容しがたい鈍い音が聞こえてきた。私はそれが聞こえないふりをするのに必死だった
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