契約魔法少女〜更新期日が迫ってます〜

@nekochang22

第1話 これが派遣魔法少女の現実

「ゆ、諭吉がいない……!」

私は春山桜、23歳。ATMの前で絶望しています。

社会に出て2年目、ついに住民税の徴収が始まりなぜか昨年よりも手に残るお金が少なくなった。

そして何より……

「先月全然討伐の依頼来なかったもんなあ……派遣魔法少女が出る場面なんて、めっちゃダークストーンが強い時の補佐か、人の足りない危険な現場だけだし……」

桜は口座の残高が記された小さな紙を折りたたみ、ATM横のゴミ入れに入れた。


20××年、ある日海からダークストーンと呼ばれる魔獣がやってきた。

彼らはその名のごとく、見かけはただの石であるが欲望や憎悪、嫉妬などの醜い気持ちに満ちた人間がその石に触れると、たちまち姿を変える。

その姿は狼であったり、ゾンビであったり、または何者とも表現できない生物であったりとまちまちであるが、触れた人間はもちろん、多くの人間から命を奪った。

また、なんとか命は助かっても、ダークストーンと関わった人間はその後なぜか生きる希望を持てず、そのまま死んでしまうこともあった。

ダークストーンは地球を侵略し、己の住処とすることを企んでいるのではないか、と通説があるが、実際のところはなぜ地球にやってきたのかは不明だ。

世界は混乱に満ち、多くの人がダークストーンの犠牲となり命を落とした。


ダークストーンと戦うべく、国連は捕獲したダークストーンを調べ、ついにダークストーンが苦手とする物質を見つけ出した。

その物質をレーザーとして放出する道具がプリズムパワーであり、これはクリスタルのような形をしている。

このプリズムパワーを使ってダークストーンを倒すべく、部隊が立ち上がった。

特殊防護服を身につけプリズムパワーを特殊ステッキにつけ、振りかざす姿はさながら魔法使いのように見えたことから、その部隊の名として【Magical girl】と呼ばれるようになり、日本ではそのまま【魔法少女】が定着したのだった。

日本で1番最初に作られた魔法少女部隊は【ダイヤモンドエンブレム】という名だ。

ダイヤモンドエンブレムは日本に蔓延していたダークストーンを討伐しつつ、会社を設立。それがダイヤモンド社だ。

ダイヤモンド社は二期社員を募集し、さらに拡充を繰り返し、今では年商100億を超える大手企業である。

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