ある日とつぜん自室に現れた少女の幽霊。
「貴方あてに届く荷物を開けないでくれ」意味深なお願いから主人公の周囲で次々と巻き起こるトラブルの数々。不思議な事件の裏には現在になお生き残る妖術師の逆恨みがあって――。
子どもの頃にやったスカートめくりの罪なんて知るわけないでしょ!
この作品はオカルト風コメディでありながら、その主題はとても真摯なものです。
自覚なき人間の悪意、親の愛情と束縛、子の反発、そしてどんなに愛らしく純真であろうとも幽霊と生きた人間は「お別れ」しなくてはならないという世の無常。
あの時、こうすればよかったのに…とか。どうして、ああしなかったのだろう…とか。そういう感傷は誰にでもあります。未練という奴です。
それをこまかく紐解いていくと、当時は気付けなかった家族の愛情と誤解、そして思ったより罪深かったスカートめくりの余罪などが明らかになっていくのです。
でも、それはやっぱり「未練」なのです。
人は前を向き、教訓を胸に生きていかなければなりません。
明るくポップな文章だけど語っているのはとても大切なこと。
前向きな気持ちになりたい貴方へ、おススメです!