ある日、休み時間にふとクラスメイト達の会話が耳に入った。珍しい事である。内容はこうであった。

「実は死ぬ瞬間は興奮していて全く痛くないらしい」

その瞬間、自分の中で何かが突き動かされた気がした。

そうか、死ぬのが怖かったのではなく、痛いのが嫌だったのだ。しかし、痛くないらしいと知ってしまった今、十六年間聳え立っていた死ぬことに対する恐怖は崩れ去った。


もう私が生きる理由なんてない。

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