第5話 畑購入とフカヤッコ


人形を直した俺たちは、南区の墓地まで戻ってきていた


「君が言ってた人形は、これで合ってるかな?」

「あっ!マリンちゃん! あれ?いい匂いがする!なんで?それに腕が取れかけてたのに直ってる!」


「あぁ、それはハーブの匂いだよ!ハーブの袋に一緒にいれてたからね、それに人形は少し汚れちゃってたし、腕や首が取れそうだったから知り合いに頼んで直してもらったんだよ」


そう、ここに来る途中に昨日もよったカフェを通りかかったので、お茶をした後、店員さんにハーブを売ってくれないかと聞いたところ、数種類売ってくれたのだ!


『ミント』 品質★4

『ローズマリー』品質★4

『タイム』 品質★4



「そんなことまでしてくれたんだね?お兄ちゃん、本当にありがとう!」

「あぁ、約束だったしね! それにその人形を見つけたのは、こっちのフロールなんだ!」


「そーなの? 鳥さんありがとう!」


「グルッ!」


女の子もフロールも、嬉しそうで何よりだよ、


「本当は誰にも言っちゃダメなんだけど、お兄ちゃんは優しいからこれあげる!」


そう言って、女の子が鍵を渡してきた


「ん?これはどこの鍵かな?」


「これは、東区にある古い教会の裏に小さな祠がるんだけど、その祠の口のところかま鍵穴になってるの」


あぁ、多分これはシークレットイベントだな、


「そっか、ありがたくもらっておくね!」


「じゃあ、私は、明日の成仏まで眠るからもう消えるね? お兄ちゃんと鳥さん、本当にありがとう!」


女の子はそう言って消えていった


人形探しの報酬である1000Gはきっちり送られていた


「ならこの鍵は、報酬じゃなくてなにかの条件をクリアしたら貰えるものなのか?ま、考えたところで答えは出ないか、」


最後のあの満面の笑みだけで心が洗われた気分だった



「じゃあ行こうか!」

「グルッ!」



ーーーーーー



冒険者ギルドに行き、クエスト完了の報告をした後、俺たちは農業ギルドに来ていた


「すいませーん農業をしたいんですけど、どうすればいいんですか?」


「はい、まず最初に農業ギルドに登録して頂いたあと、畑を買う必要があります、畑を購入した後は、好きなように農業をお楽しみください! 」


農業ギルドのクエストを覗いてみたが、作物の納品が、クエストらいし。



すぐに登録して、農業のギルドショップで、色々と見ていた


「畑もグレードがあるのか、」


畑は、1面ごとの販売で、値段に比例して土の質が上がるらしい、そして結構高い


1番安いので5000G、高いのは12000Gもする、


今の手持ちは7500G程


「とりあえずは安いのでいいか、他には、色々あるな」


1番安い畑を買って、他の商品を見てみるがいろんなものが売っている


農耕道具、肥料、野菜の種、などなど、農業関連のものが売っていた


農業のギルドレベルが上がれば、買える商品が増えていくらしい



今は、ハーブを育てるだけのつもりなので、とりあえず、畑を耕すためのクワだけ買って、畑に向かった


「お金が結構きついな、どうやって稼ごうか」

「クルッ!」


「お?フロールもやる気みたいだな! そういえばお前も、『育樹』とかいうスキル持ってたよな、どう使うんだろうな」


「クルックルゥー!!」


フロールが俺の周りをグルグル旋回しながら、何か訴えるが、よく分からん、それにでかい!


フロールは、普段70cm程の大きさだが、翼を広げると180cmくらいの大型の鳥だ、こーゆー鳥は、普通はカッコイイのがお決まりなんだけど、こいつは大きい目や、その仕草も相まって無性にかわいいのだ!


ニマニマしながら、買った畑へ向かう



「おぉー!これが俺の畑、思ったよりでかい!」


15×15mくらいの何も無い土の土地だが、自分の土地と言うだけで、ちょっとテンションが上がってきた!


「まずは、お隣さんの挨拶だな、畑仕事のことも聞かないとダメだし、行くぞーフロール!」

「クルッ!」


フロールも、畑を気に入ったのか! フロールは着くなり敷地を歩きまわっわていたw あまりに嬉しそうにピョンピョン跳ねるので録画してしまった。


これは不可抗力だ!



ーーー



「どーも!お隣の畑を買ったものです!」


「お?テイマーさんが農業か?珍しいね!」


隣、と言っても畑何枚かまたいでだが、挨拶をすると、昔のアメリカの農夫のようなオーバーオールを着た女の人が歩いてくる


「私はファーマーのフカヤッコ!畑を買う人は少ないから、仲良くしてねー!」


「俺はテイマーのテムスです、こっちは相棒のフロール!」

「クルッ!」


「畑のことは何も知らないので、教えて貰えるとありがたいです!」


「テムスか、よろしく!いや〜噂の『鷲師』さんがお隣とは! 畑のことは遠慮なく聞いてくれて構わないよ!」


「『鷲師』、パーバルティアも言っていたな、聞き間違えじゃなかったのか、」


「なんだ?無自覚だったのか? てっきり自分から言いふらしてるのかと思ってたけど」


「なんでそんなことするんだよ!」


「これは、ゲームだからな、普段は出来ないようなことをやりたいし、ゲーム内で有名になりたい奴らだって大勢いるからな!」


「そんなもんなのか?」


「そんなもんさ!」


俺は動物と戯れたいだけだからなー、わからん


そんなこんなで、フカヤッコに農業の基本を教えてもらった!


1番大きな発見は、各種の種は、買う以外にも、出来上がった野菜などを『株分け』のスキルで、種にできると言うことだ! いいことを聞いた!


早速、畑に戻ってさっき取得した『株分け』スキルで、ハーブの種を生み出し、耕した畑に植える!


「これで後は、1日1回水をあげて待つだけだな!」

「クルック!」


「あぁフロール、多分『育樹』のスキルは、『農業』の作物じゃなくて、木や果樹を育てるスキルだな!」

「クルッ!!」


どうやら、そうらしい!もうおなじみになりつつある片翼上げで答えてくれた!


「なら、墓地の女の子から貰った鍵を試しに行く時に、果物屋に寄っていくか!」

「クルッ!」



ゲーム内時間でちょうどお昼頃だったので、畑でお昼を食べ、教会の裏へ向かう!


畑は東区にある、『始まりの街』は区画ごとに大まかな役割があるみたいだ、北区は各ギルドがあり、西区は魔法関係のお店が多く並んでた、南区は職人街なのだろう、煙突から煙が出ているところをよく見る、そして東区は、畑や家畜などの、食糧生産の区画っぽい、中央の区画は商店だな!



俺たちは、畑からそんなに遠く無い場所にある、古い教会へ向けて歩く!

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