第2話



視界が戻ると、なんともファンタジーな街に降り立っていた


「スゲーなこれ、」


周りを見ると初回生産に当たった4万人のプレイヤーが一同に、街の広場に集まっていた


そして俺はそんな人達よりも我が相棒となる従魔を確認するために、自分の周りを確認するが見当たらない、


「なんでだ?なぜに居ない?」


周りには、テイマーらしき人だちが、自分の従魔を嬉しげに抱き抱えていたり、挨拶をしているのだ


俺は焦りながらキョロキョロしていると、突然頭に何かが乗ってきて、その重みでバランスを崩し、コケた


「いってー、何が起きた?」


そう言いながら視線を前に戻すと、地面に鷲が立っていた


「お前が俺の従魔か?」


「グルルッ!!」


俺がそう尋ねると、片翼を大きく上げて答えてくれた


「まじか、可愛すぎだろ!」


その鷲は、体長が70センチくらいの大型の鷲だった!


猛禽類は、動物園にも居たけど、担当が違ったんだよな、可愛いのに、カッコイイ!!



すぐにステータスを見るとこんな感じだった



【名前】 フロール


【種族】 クローイーグル


【主人】 テムス


【HP】 29 【MP】 18


【スキル】『風魔術』Lv1 『ウィンドカッター』Lv1

『突貫』Lv1 『爪撃』Lv1 『高速飛行』Lv1

『採集』Lv1 『育樹』Lv1


【装備】

『風のネックレス』

風魔術の消費MPを少しだけ減らす



こんな感じで、HPもMPも高く、技スキルも、完全な前衛向き!


そして何より毛がふさふさで可愛い、最高だろ


フロールのように、最初から名前があるネームドモンスターの場合、ユニーク個体らしい!


通常個体とは、一線を画す強さや、スキルを持っているとの事


ちなみにこの情報は、βテスターのプリンクトンさんのゲーム専用掲示板


『プリンクトンのテイマー日和』


に乗っていた情報だ!



また、初期装備があるのは、キャラクリエイト時にポイントを振ったやつだな!風魔術の省エネとは嬉しい効果だ!


謎なのは『育樹』のスキルだ、クローイーグル、鷲が最初から持っているということはないだろう、謎だ!


「お前、ユニーク個体なのか?」


「グルッ!」


俺が尋ねると、フロールが片翼を上げて答えてくれる

こんなの完全にスクショ案件だろ!



そんなこんなで、フロールとの挨拶もそこそこに、早速街を歩いてみるのだが、さすが4万人がいる街だ!めちゃくちゃ広く、色んな出店や商店があり活気がすごい!

マップを見ると、その広大さがよく分かる。



そんな中、まずは『従魔ギルド』へと向かう!


『ギルド』とは、各職業の組合で、クエストの斡旋や、専用アイテムなどの売買が出来る場所であり、ギルドの貢献度が上がれば、色々な特典が貰える場所なので、まずは自分の職業のギルドで登録をするのが当たり前なのだ!


従魔ギルドで登録をしたあとは、冒険者ギルドへ登録をしに行く!


冒険者ギルドでは、魔物の討伐クエストから、街の雑用クエストまで色んなクエストがあり、集めた素材の買取などもやっているのでここもまず、登録するのが普通なのだ。



各ギルドの登録を終えると、フロールとスキンシップを取りたいので、2人で街を歩きながら、マップ埋めの作業をしている


ちなみに、所持金は10000Gだ、これは初ログインで配られるらしい



肉屋の前を通りかかると、フロールが翼で俺の頭を小突きながら訴えかけてきた


「クル!」

「ん?肉が欲しいのか?」

「クルルッ!」


フロールは、お腹がすいたらしく肉を買うことにした


「おう!いらっしゃい!」


「ここは初めてなんだけど、何があります?」


「おう、ここいらじゃう兎と狼がよく取れるんでな、それらの肉と、家畜やってる牧場の主人からは、牛と豚の肉を取り寄せてるぞ!ま、少し割高だけどな!」



『ウサギ肉』 200G

『狼肉』 300G

『豚肉』 600G

『牛肉』 700G


確かに少し割高だな



「フロールはどの肉がいいんだ?」


「クルっ!」


俺が聞くと、フロールが豚肉を選ぶ


「ほんじゃ豚肉をふたつ頼むよ!」


「おうよ!」


少し高いが、フロールのためと思えば気にはならん!


「それにしてもでっけえ鳥だな!兄ちゃんの従魔かい?」


「えぇ、まあ従魔になったばっかりですけどね!」


「ハッハッハ!でも、お前さんのことは気に入ってるみたいだな!」


「グルックク!」


店主の親父がそう言うと、フロールがお馴染みの片翼上げをする!


「こりゃ面白いもんをめせてもらったぜ!少しザービスしなきゃな!」


「そんな、いいんですか?」


「いいってこった!羽で返事する鳥なんていう珍しいもん見せてろらったしな!ここで渋ってたら肉屋のなおれだっ!」


そう言いながら代金を払うと、豚肉3個を渡してくれた


「俺はオドリックって言うんだ!その鳥の飯は今後もうちで買ってくれよ?」


「俺はテムスです、もちろん贔屓にさせてもらいますよ!」


「おう!ありがとな!」


そう言って肉屋を別れると、ちょっとした広場の噴水に腰掛け、フロールに豚肉を1つあげる。


嬉しそうにフロールが肉にかぶりついてるのを見て、めちゃめちゃ嬉しいのと共に、その作り込みの凄さに感心してしまった!


フロールは、クローイーグルという種族で、鋭く大きい爪を持ち、触ってみるが、まるで鉄のように硬かった、そして何より特徴的なのが、風切羽と呼ばれる、の1番外側の列の羽が、プラスチックのように硬く、そして鋭いのだ。


今のところ、この部分を使った攻撃のスキルとかは見当たらない


このゲームの従魔は、レベルが一定以上になると進化させることが出来るので、もしかしたらその時に、羽を使った攻撃なんかが出来るようになるのかもな



そんなこともありつつ、街を一通り歩いているうちに、辺りが暗くなりはじめた、


「夜は、フィールドモンスターが強くなるから、今日は戦闘は出来ないな!」


「クルっ!」


テイマーは、ステータスが低く、レベルによるステータスの強化も少しづつでかなり弱いため夜にフィールドに出るのはあまり得策ではないらしい


俺はこのゲームで戦闘もそれなりに楽しみではあるが、色んな動物を集めるのが1番の目標なので、あまり次のステージへ急ぐ必要も無い。



やることも無いので、街中でできる冒険者ギルドの雑用クエストを受けようと、冒険者ギルドへ向かっている途中に、フレンドコール(フレンド間での通話機能)がなったので出ると、相手は太一だった


「おう太一、どうした?」


「おいおい、ゲーム内ではクレインで通ってんだからそう呼んでくれよ!」


「わかった、俺はテムスだ!」


「おうテムス、今暇か?」


「まぁ、暇だな、雑用クエストを受けに行こうと思ってたところだ」


「おっ、ならちょうどいいな、俺もいま冒険者ギルドにいるから早く来いよ!お前の従魔が気になってんだ!」


「わかったよ!」



「はぁ、ほんと忙しないやつだな」


「クルゥー?」


「ああ、フロールの事じゃないよ!、俺の友達の話しさ! じゃ、冒険者ギルドへ行こうか!」


「クルック!」


可愛い鷲のフロールを肩に乗せ、俺たちは冒険者ギルドに向かう!

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