第26話 酔っ払いリーオ
ジュードと別れ、引き続き町を歩く
「レイ、何か食べようぜ!腹減った!」
「いちいち俺に言わなくても、勝手に買えばいいじゃんか」
もうお昼をすぎた頃合、俺はあまりお腹は空いてないが、フレッドは空腹ゲージがゼロらしい
「そんな冷たいこと言うなよ! 」
「それで? 何が食べたいの?」
今やこの町は、食の探求に必死だからな、色んなものが売られてる
「そうだなー、 お? あれはなんだ?」
フレッドが気になった出店に小走りで行く
「お!これは!」
「ん?なんだよなレイ」
「いや別に大したことじゃないよ」
その店が出したのは、トマトソースベースのパスタなのだが、ピーマンとベーコン、タマネギを一緒に炒めたソースがパスタ麺を真っ赤に染め上げられている
そう、ナポリタンだったのだ!
まさかここで住人が開発しているとは思いもしなかったが、広めたかいがあったと言うものだ
俺もフレッドと一緒にトマトパスタを買って、ちょっとした空き地に土魔法でベンチを作り、座って食べる
「これも美味いなおい! 俺はピーマン嫌いだけど、これなら全然いけるぞ!」
「確かに美味いな!」
フレッシュなトマトを使ってるからか、酸味と甘みのバランスが丁度いい
また、ピーマンの苦味を和らげつつ、アクセントとして鼻に抜ける程度に感じる
厚切りのベーコンの香りとマッチしていて、滅茶苦茶美味しい!
「なぁレイ、パスタとかピザのレシピって結局売ってくれたのか?」
「あんなの売るまでのものじゃないから普通に渡したよ」
ピザもパスタも簡単だからな!
発祥の地として根付いていればそれでいいだろう
「まじかよ!なら家に帰っても美味いもの食えるな!」
「まぁ、食べ過ぎは良くないかね 野菜も肉もパンもしっかり食べないと太るよ!」
「ほぉ〜、そうなのか」
せいぜい取り返しがつかなくならんようにしろよ!
ーー
「おい、お前がレイモンド・メルヴィスか?」
俺たちが話をしながら食べていると、突如後ろから呼びかけられた!
「いえ、私はオルレイン家次男、フレッド・オルレインです、レイモンドはこっち」
面倒くさそうなやつに絡まれたので、フレッドに擦り付けてみる
「おい!何嘘ついてやがるんだレイ! おいそこの奴!俺がフレッド・オルレインだ!」
ちっ、やっぱりダメだったか
「お前、嘘ついたのか!」
お前みたいな面倒くさそうなやつに絡まれたら、誰だって嘘ついて煙に巻くに決まってるだろ!
「まぁね、面倒くさそうだったし」
俺たちの前に仁王立ちで立つにそいつは、歳は俺たちとそんなに変わりはなく、つり目とその口調も相まって、悪ガキっぽいかった
「俺と勝負しろ!」
「いいよ、先に座った方が勝ちね」
俺は、ゆっくりと立ち上がりながらそう宣言し、言い終わった瞬間に座った
ふふ、これぞまさにあげ足取り!
「はい俺の勝ち〜!!」
「おいレイ、それはあまりにもだろ、貴族の欠片もねぇ行動だな、」
勝ち誇った顔で少年に言うと、フレッドが小言を言ってくる。
何を言ってるんだフレッドは、相手が申し込んできたのだから、勝負内容はこちらで決める
これって当たり前だよね?
「おい!そんな勝負があるかっ! 無効に決まってるだろ! 剣の勝負だよ剣の!そんな事もわからんのか!」
めっちゃめんどいぞこいつ、なぜに俺がそんなめんどくさいことをしなきゃならんのだ
「嫌だね、なんで俺がそんなことをしなくちゃいけないんだ?」
「それは、お前が貴族で、そして俺でも勝てそうだからだ!」
「なんだそれ……」
おいおい、呆れて軽口も叩けんぞ
「俺のだす条件は1つ!」
お?なんか勝手に話し始めたぞ
「俺が勝ったら、貴族令嬢を紹介しろ!」
「「………………」」
「はァッ? なんなんだそれ! さては変人だなっ!?」
おいおい、自分のことを棚に上げて、少年のことを変人扱いするなよ、前も立派な変人だぞ!
と、フレッドは心の中で思う
「うるさいっ! 早く勝負しろっ!」
俺は貴族令嬢なんて、カルラ嬢くらいしか知らんぞ…
「お前の目的は、貴族の女子とお知り合いになりたいってことか?」
「あぁ、そうだ! 」
「そうか、なら残念だ、俺はメルヴィス領から出た事が無い! つまり、知り合いの令嬢などいない!」
「う、嘘だろ!」
「本当だ、俺は4歳、まだ旅はできない。」
「マジかよ… 俺の金持ちと結婚して楽する夢は……」
なんだそれ、まじでクソじゃんこいつ
そもそも金持ちが、こんな田舎の1平民と結婚するなんて事は、無いと言っていい
「本当だ、こんな田舎町に、他領の貴族が来ると思うか?」
「……」
「そういう事だ。 だが、会いやすい方法が存在するのは確かだ! お前のためだ、教えてやってもいい」
「ほ、本当か! お前結構良い奴だな!」
お、お前大丈夫かよ、そんな単純で……
こいつの将来が心配だ。
そんな俺を見て、フレッドに耳打ちされる
「おいレイ、そんな方法ねえだろ!」
「まぁ無いけどさ、人は信じたいものを信じるんだよ!」
フレッドと小声で話してると、そいつが勝手に自己紹介してきた
「俺はリーオ! 5歳だ!」
やっぱり俺たちとあんま変わらんのか
「それで、貴族の令嬢に会えるってのはどうするんだ?」
「ああそれな」
これは考えようによっては簡単だろう
「それは冒険者になって、活躍する事だ! 」
これって、あながち嘘でもないよね、父さんはそうやって貴族になったわけだし
「冒険者。なるほどな、その手があったか」
「まぁ、並の力じゃ、魔物にやられるのがオチだけどね!」
「そんな事は分かってるわ! だが俺は冒険者になって、金持ちと結婚するんだァーーー!!」
今度はいきなり叫び出したぞ
それに冒険者なんか、そう簡単には行かないと思うがな
「リーオは冒険者になるのか?俺と一緒だな!」
ん?フレッドの奴何言ってんだ?
お前貴族の次男坊だろ!
「俺の将来の夢も冒険者なんだぜ! と言っても俺は海を冒険したいだけだがな!」
「え、そうなの?」
てか海だとっ?
そうえばそんな事言ってたな
エドワードさんとシンディー夫人は知ってるのか?
「おうよ! いつか自分の船で旅をするのさ!」
トーリーが、海はかなり危険だって言ってたけど、海に接する領地のフレッドが知らないわけないか。
だが!自分から死地に突っ込むなんて考えられん
そんな俺をよそに、2人はいつの間にか仲良くなってるし
「マジかよ! なら友達だな!」
「おうよ!」
そう言って、フレッドとリーオは肩を組み歌い出した
なんなんだこいつら、フレッドもこんなキャラじゃなかったよな?なんなんだこの体育会系のノリは
それにしても、さっきから酒臭いな。
それは先程から感じていた酒臭さなのだが、ここらに酒なんて置いてない
リーオが来たくらいから臭かったが…ん?
「おいリーオ!まさかお前、酔ってるのか?5歳だろ!」
「何言ってんだよ!俺が酔うけねーだろって!」
いかん、呂律が回らなくなり始めたぞ。
どうやらこいつ、5歳で飲酒して酔った挙句、貴族に楯突いたらしい
こいつ本当に大丈夫か? 5歳で酩酊とかやめろよ。
のちの悪友リーオとの初対面は最悪なものだった。
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