第3話 メルヴィス邸初級魔法書奪取計画!


兄さんに、ライトの魔法詠唱を教えてもらった日の夜

俺は早速試していた!


「陰を照らす明かりなれ、ライト、」


詠唱を頭で唱え終わる。


すると、指先に集めていた魔力が微弱だが、確かに光始めた!


「魔法だ!できた!本当に光ってる!」


ほんの僅かな光だが、やっと魔法が使えたのだ!


嬉しすぎて残存魔力を全部指先に集めると同時に強い光のイメージをした!


直後、鋭い閃光が指先に発生する!


「っっ!!」


目がっ、潰れる。


あまりに強すぎる光に、声が出ないほど驚き、とっさに魔力を分散させ魔法を解除する。


「魔力操作がつたないうちは、無闇に威力を強めたらダメだな。」


と心に誓った。


そしてまた指先に魔力を移動させ、ライトを詠唱し、この日は魔力が切れるまで光をともし続けた




ーーーーーーーーーーーーーー


あのライトの事件から、数ヶ月が経過した


あれからひたすらにライトの魔法だけを修練したおかげで、自由な明るさ、光色にすることができる!


そして、さすがにライトの魔法は飽きたので書室へ行く!


名ずけて 『メルヴィス邸初級魔法書奪取作戦』


全容は、まず下準備として邸宅内を偵察する必要がある!


これは、昼過ぎにメイドの誰かが散歩として、俺を抱っこしながら屋敷内を回っているのだ!


これを利用して書室の位置を確定させるのがこの偵察任務である。


第二段階はハイハイの精度と速度を上げる訓練


実は、魔法以外にも体を自由に動かす練習を毎日している!


さすがに動きたいのに動けないのはストレスが溜まるものだ、誰もいない時に少しでも筋肉がつくよう体を動かしていた!


そのかいあってか、生後6ヶ月半でハイハイをできるようになったのだ


この2つの項目をクリアした先に本作戦である


『メルヴィス邸初級魔法書奪取作戦』


を決行する!




ーーーーーーーーーーーーーー


「ぜんぜん見つからない。。」


ここ数日、メイドに連れられ屋敷内を偵察していたのだが、なかなかに書室が断定できないでいた


そして今も、偵察中なのだが、書室候補地は2部屋まで絞り込めていた


この屋敷の2階には、家族の個人部屋が固まっていて、それ以外に4つの部屋がある、


1つ目はライル父さんの書斎


2つ目はメイドの休憩室


そして残り二部屋におそらく書室があると思われる


と言うのも、俺の移動方法はハイハイのみ、つまり階段は降りれないと言うことだ


この二部屋にかけるしかないのだ


そして今、メイドに揺られながら屋敷をぐるっと回って階段をのぼり突き当たりを曲がったところでニール兄さんが本を持って部屋から出てくるところだった


つまり、当たりを引いたのだ!


ここの屋敷は、の横長のほぼ直方体の二階建て

そしてほぼ中央に階段が着いている


書室は、俺の部屋から出て、階段を挟んだ向こうにあった


そして今、またとないチャンスを迎えているのだ


2階の個人部屋以外の部屋の清掃のため、窓とドアが全部空いているのだ


そして、今俺を抱っこしているメイド、ドネリーは

けっこう抜けている性格なのだが


部屋に戻ったあとは俺の部屋の整頓をする、そのさいに、赤ちゃんベットの布団替えと整頓のため、床にマットを引いてそこに寝かされる


つまり、この間に抜け出すのだが、ラフだが仕事はこなすメイド長のミア 真面目でしっかり者のアメリア

そして抜けてるドネリー


成功率は他2人と比べてかなり高い!


諸々の条件が全てで揃ってい今はかなりのチャンスなのである。


「決行は今しかない!」


いきなりだが、準備はしてきた。


そして俺は、 『メルヴィス邸書室初級魔法書奪取作戦』を開始する



部屋に戻るなり、ドネリーが床にマットを引き俺を寝かせた


そして目を離した隙に練習の成果であるハイハイを、できるだけ速度を上げて繰り出す!


ひととすれちがわないよう祈りながら廊下を進んでいると階段に着いた


ここで一旦停止し息を整えながらも、誰か昇ってこないか耳をすませば、足音がないことを確認し再度ハイハイを開始する!


書室は、ライル父さんの書斎の隣の部屋で、執務中のライル父さんにバレないよう、空いたドアの前足早に通りすぎ、書室内に侵入した!


喋るのはまだ曖昧だが、文字の勉強もできるだけやってきたこともありお目当ての


『初めての魔法』(魔法書)


と背表紙に書かれた本を探す!


何百冊もある本棚の中から何とか魔法書を見つけたのだが、


「何っ!?」


ここで考えていなかった問題が発生する


本の位置が高いのだ、

恐らく子供のニール兄さんが取れるよう全体からすると低い位置にあるのだろうが、ハイハイオンリーの俺からすればそれでも高い


必死に打開策を考えたのだが、現実的な答えはひとつのみ、ぶっつけだがやるしかない


俺は本棚に寄りかかると、木でできた棚を支えにし両足に力を入れて死ぬ気で踏ん張る!


すると視界が少し高くなり手を伸ばすと魔法書に届いた


左手で魔法書を掴んだ瞬間にバランスを崩して後ろに倒れるが、何とか左手の魔法書を離さずに取れた


「作戦成功」

そう拙く呟くと、廊下が少し騒がしくなっていた


どうやらドネリーが、俺が居なくなっているのに気づいたらしい!


「これはまずい、早く読まないと」


見つかれば即部屋に回収されるので、必至にページをめくり『初めての魔法』を読んでいく


この本は、詠唱だけが載っているのではなく、魔法を使うための魔力操作の仕方やコツ、などが分かりやすく書かれているため


魔法詠唱自体を見つけるのに手間取っていた


そんな間にも、騒ぎを聞き付けた母さんと父さんもメイドに混ざり俺を探している


「急げ、急げっ!」


焦りながらも、最後の無属性の『サイコキネシス』

の詠唱を発見したと同時にアメリアが書室を覗き込み


「書室におりましたー!!」


っと、大きな声で叫んだのだった。






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