第468話 松尾家の秘密 ~暴れていた~
ここは松尾の家。
そして今俺の目の前では――。
「先輩!」
「ひゃははっ。スクープスクープ」
「そのカメラ渡せ!」
「無理ー」
「先輩!!」
七和先輩と結崎が――暴れている。
室内で追いかけっこをしている七菜先輩と結崎。
そして2人が走ると。少しずつ室内が散らかっていく。
主に七和先輩が結崎から逃げるためにいろいろなところを駆け回っているから――というのと、結崎もなかなかな身体能力で七和先輩を追いかけているから。
「いやー、盛り上がってるね」
「ところでなんの写真撮ったんですかー」
ちなみに追いかけっこをしている2人の様子を見ているのは俺だけではない。
もう1人の先輩と長宮も見ている。
「すっぽんぽん画像!」
って、不意に七和先輩がそんなことを――って、つまり結崎の?七菜先輩。それはさすがにやばくない?ってか、結崎が顔を赤くしたまま走っているのはそういうことか――。
「違うでしょうが!って、余計なこというな!」
「おお、ゆえが荒れてる」
「ゆえちゃん必死ー」
「2人も捕まえるの手伝って!」
「頑張れー」
「うんうん後輩くん呼びなよ」
「六石君。パスしていい?」
「――そこ!見たら死刑!」
すると、走りまわっている七和先輩から俺の方へとそんなことが――って、今死刑言われなかった?結崎がしちゃいけない顔を一瞬して俺を睨んだような――足がすくんだぞ。
「――ちょっと厳しいです」
「なんでー」
「いや、なんで――ではなくてですね」
「触れたら社会的に終わらせるから!」
すると、ちょうど近くを走って通過した七和先輩の後を追いかけていた結崎がジロリとこちらを睨みつつ。そして叫びつつ?通過していった。いやいや――結崎ってあんなに怖かった?というか、あんな表情するんだっけ?って、ここは大人しく――。
「……はい」
小さく返事をしておいた。
「あー、六石君も使えないなー」
すると七和先輩のため息交じりのそんな声が次には聞こえてきたが――さすがに今の状況に関わるのはまずい。
だって、すっぽんぽんとか言っていたからな。何をしたらそんなことに――。
「あー、六石君が鼻の下伸ばしてる!」
「ち、違いますよ!?」
すると、七和先輩が逃げながらそんなことを言ってきたものだから――すぐに訂正したが。周りからは冷たい視線が……。
「最低」
「うんうん。男の子」
「六石君はやるときはやるから」
「待て!先輩!」
長宮のいつも通りの冷たい視線から、何故か頷きながらつぶやくもう一人の先輩そして余計なことを言いながら走っているのは七和先輩――って、結崎が机の上飛んだ!運動神経よかったんだな……あまり見ないから知らなかったが。
「やばいねー。ってことで、六石君ヘルプ来なかったら六石君の今までやらかしたこと公表するからー。ちなみに今私が持っているスクープは後ろを追いかけてきている子のセクシー下着写真だから!」
「――えっ、ちょ!?」
「ちょ、先輩の馬鹿!!!!許さないですからね!」
――ポトリ。
「わぁお。さらにスピードアップ!ってことで、六石君わかったよね」
「うんん!?」
俺が結崎の運動神経――などと思っていると、捕まりそうになった七和先輩が何か言いながら玄関の方へ――そして、結崎もそれについていき松尾の家の室内は静かになった。って、その際に何が結崎が落としたような‥‥‥じゃなくて俺がやらかしたこと?いやいやえっ?
「――うわぁ、やっぱりいろいろしてたんだ。きもっ」
「ちょ、長宮今のは七和先輩が勝手に――」
「最低」
「話を聞け」
「話しかけないで」
「今長宮が話しかけたよな!?」
すると、離れたところに立っていた長宮からいつも通りと言えばいつも通りの――って、このいつも通りは嫌だろ。って視線と明らかに避けるような近づくなオーラ。
「ってか、ゆえちゃん何撮られたの?下着姿?着替えてた?」
「まあ――洗濯かごにゆえ脱いだ服入れてあったから――」
「あー、なるほど。それを撮られたか。いや――もしかすると、後輩くんが見つけたところにゆえちゃんがたまたま鉢合わせ――その姿を撮られたなるほどなるほど」
「そんなタイミング良いことありますかね?」
「後輩くんとゆえちゃんだからね。いろいろ持ってるよ」
「ってか、松尾君どこにいるんだろう――って、あれ?何か落としていった?」
長宮ともう1人の先輩の話により、結崎がなんで必死かは少しわかった気が――って、それどころじゃないか。とりあえず追いかけないと俺も危なくなる可能性がある。
ということで俺は松尾の家を出て行った2人を慌てて追いかけることにしたのだった。
ちなみに長宮は先ほど結崎?が落としたもの?のところへと向かい歩き出していた。
まあ俺はそのことより七和先輩の方へ――だったが。
そうそう、松尾は洗面所のところに居た気がする。松尾の家の出た際にちらっと姿が見えたな。
って、七和先輩たちどっちに行ったんだよ。
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