第439話 松尾家の秘密 ~地下室~
「ここはなんだ――」
開いた口が塞がらない――と、いうのとはちょっと違うが。でもつぶやいたとの俺はしばらく目の前に見える光景を見つつ口を開いていたと思う。
何故なら――地下への階段があったから。
ちなみに俺はここに来てからずっとここは平屋の家という認識だった。
いや、普通に見た目も平屋だし。じいちゃんばあちゃんの家へとは毎日のように来ていて、そして過ごしていた。なのに――こんなところ知らない。
マジで知らない。
いや、本当に知らない。
というか。地下室の前にそもそも秘密の空間?この地下室への道があるところの部屋すら俺は知らなかったので――。
「どうなってるんだよ――」
つぶやき。前を見て。口を少し開いて固まる俺だった。
そうそう、地下への階段は真っ暗だ。地下まではそこまで段数はないが――暗いので地下まではちゃんと見えていない状況だ。
「よし後輩くん進むよ」
すると俺の横に居た石見先輩が進み――出すことはなく。何故か俺の腰を押している。
どうやら先に行けらしい。
「ほんと松尾君ところ忍者屋敷みたい」
すると石見先輩が居るのとは反対の俺の方に手を置きながらもたれるように長宮さんも覗き込んでくる。
「ちょ、いろは先輩に奈都――近寄りすぎ」
そして俺の後ろからはそんな結崎の声も聞こえてきているが――今はみんな地下への階段を見ている。もしかすると結崎だけが見えていないかもしれないが――。
ちなみに、地下への階段の幅はそこそこある。なんと言えばいいのだろうか?ミカン箱なら持って降りれる――ではわからないか。大きさで例えれるものは――なんだろうか?さすがに俺が手を広げながら下りるということはできないが。そうそう、今の3人。石見先輩。俺、長宮さんの3人ならギリギリになると思うが。3人で階段を下りるくらいの幅はある。
そして階段はしっかりしている――はず。まだ足を踏み入れていないので強度などはわからないが。見た目は綺麗。ずっと使っていなかったという感じはない。というか。今俺たちが居る部屋も食べ物があったからか。普通に綺麗な部屋だ。埃も見当たらないし。綺麗に整理整頓されている。その流れで階段も綺麗――という感じだ。暗いが。
「後輩くんここは先陣を切って」
「――もしかして石見先輩は暗いから怖いと」
「まさかー。そんなことあるわけないじゃん。なんか後輩くんが知らない地下室とか何かあるかもしれないから。後輩くんに譲っただけだよ」
俺の腰をバシバシ叩いてくる石見先輩だが――これはあれだな。実は怖がっている?説も濃厚だ。この今いる部屋は普通に明るい。というか言い忘れていたが。電気普通に付いているというか――これ台所と連動?しているような感じだな。この部屋に電気のスイッチ――ないもんな。ないよな?石見先輩が付けた?ちょっとそこはわからないが――。
そんなことを思いつつ俺は地下への階段を再度確認する。そうそうちょうど腰の高さには手すり付き――って、なんか右側に膨らみがあるって、スイッチか。
パチッ。
俺は少し手を伸ばしてスイッチを押してみると――。
「おお」
「本当に地下室あるじゃん」
「すごい――」
「マジかよ」
階段が明るくなり。俺たちの視線の先にはちゃんと地下室が見えるようになった。もちろん全体が――ではないが。地下室部分の床が見えるようになった。
そして、先ほどは気が付かなかったが。よく見ると階段の天井近く。先ほど俺が押したスイッチ近くからは何やらケーブルらしきものが伸びている――って、電気関係だろう。
ということで、明るくなった階段。俺が先頭で降りて行くと――って、両サイドに石見先輩と長宮さんが居るが普通に3人で降りてきた。やはりそこそこの広さがある階段。
あと、俺の背中では結崎が服を引っ張っているが――こちらは触れなくていいか。
多分仲間外れとは思って――居るかな?でも仕方ない。俺の両サイド埋まっているのと。地下室登場や。そもそも依光の空間登場でちょっと大変なのでね。
って、あまり引っ張るな。首が絞まるのと服が伸びる――って、そんなことを思っていると地下室へ到着。
上の階とは違い。地下は小さな部屋だった。それでもまあそこそこものがあるというか――長方形?の箱がまず目についた。そしてなんかうなっている――って、冷蔵庫?か。
俺は近寄って開けてみる。すると――冷凍庫だった。スーパーなどにある冷凍庫の少し小さめ。でも家庭で使うには大きいサイズがこんなところに――ちなみに中にはいろいろと肉?だろうか。いや、魚?とにかくいろいろ凍っている感じだった。
さらに冷凍庫の他には、かごなどがあり。って、落ちらは長宮さんがちょうど見ていた。かごの中には、ジャガイモや玉ねぎなどなどって――マジでこの家どうなってるんだ!?いろいろ出てくるな。って、この地下室も食料保存庫か。
「松尾君の家こんなところもあるとかすごいね」
俺が驚きながらあたりを見ていると。結崎が後ろから隣へとやってきた。
「いや――マジでいろいろ謎が解けたというか。この家。ばあちゃんがいつの間にか食料を出してきていた謎はわかった気がするが――こんなところあるとかマジで驚きだわ」
「あっねえねえ松尾君」
結崎と話していると、かごなどを見ていた長宮さんが俺たちを手招きしてきた。
どうしたのかと思い近寄ると――。
「金庫みたいなのあるよ」
「はい!?」
どうやら部屋の隅にまだ何か――。
ガッタン!
すると、急に地下への階段が閉まった。幸い部屋は明るいが――って、石見先輩がいない!
またろくでもないことを――。
って、それもだが金庫!?
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