第182話 浴衣美少女が多い5

「ってかさ、せっかくだからみんなでなんか遊ぼうよ」


 俺の周りに何故かみんなが集まって来てから少し後の事。長宮さんがそんなことを言い出した。そして、今この場には長宮さんの話に即乗りそうなお方が居るので。


「じゃ、王様ゲームしよう!」

「賛成」

「面白そうじゃん」

「「……」」


 こうなるよな。みんなが盛り上がる中。このメンバーでそのゲームか。と、不安を感じる俺と結崎は自然と顔を見合わせてガックリとしていたのだった。


「じゃじゃ、くじ作らないとね」

「奈都がつくると細工するかもね」

「ちょ、しないから。普通に――ってか、何でくじ作る?」

「うーん」

「ねえねえ、細工とかで揉めないように。こういう時は――六石君に作ってもらおう」


 石見先輩が言うと六石が俺?という感じでで六石が反応する。でも、よっしゃー。みたいな表情で七和先輩のところから石見先輩の方へとやって来たのだった。

 ちなみに七和先輩も「面白いこと始まりそう」と付いてきたのだった。


 これは、全員参加らしい。そりゃそうなるよな。ちなみに結局細工がー、やらやらで、くじをどうするかというのは。


「紙に書いて袋から引けばいいじゃん」


 という蓮華寺さんの意見が採用。7人居るため、王様と数字。1から6までを書いたのだった。


「って、変な命令なしだからね」


 袋にくじを入れた時に結崎がみんなに言う。それ大事だな。と俺は思いつつ聞いていたが。


「ゆえー。変な命令って?」

「そうそうゆえちゃん。変な命令って例えば?」

「なっ、そ、それはまあ……」


 ダメだ。長宮さん石見先輩がにやにやしながら結崎に詰め寄る。って、マジでこの2人どうにかならんのかよ。混ぜるな危険だよ。この2人居ると2倍疲れるわ。


「ほらほら」

「奈都!」

「怒られたー」

「はぁー、とりあえず、常識の範囲内で、ですよ」


 結崎と長宮さんが揉めそうになっているところで。仕方なく俺が言うと。


「つまり密着までOKね」

「やばー、松尾君意外と大胆」

「松尾。ナイス」

「松尾君。スクープ期待してるから」

「……えー」


 この部屋の人ら常識がおかしかった。っか、六石は?と、思って見てみると。


「やばっ、いや、まさか――な。松尾。ナイス」

「……」


 すでに向こう側だった。

 結局俺と結崎がいろいろ言うのは諦めて、王様ゲームは始まったのだった。袋に順番に手を入れて――という感じで、全員が引いたら見る。


「王様誰?」


 全員が引き終わるとすぐに長宮さんが聞いて来た。ということは王様ではないらしい。ちなみに俺は2番だ。


「あっ、私だー」

「じゃ、七和先輩どうぞ」


 進行は言い出しっぺの長宮さんがしてくれるらしい。そしてはじめの王様は七和先輩って、変なこと言うなよ?である。


「じゃ、3番と6番が握手とかどう?」


 七和先輩。普通の命令に感謝である。意外とちゃんとしてくれる――かもしれない。いやまだ1回戦目だからね。って、ちなみに3番と6番は――誰でしょうか?


「あっ、私か」


蓮華寺さんが3番だった。そして――。


「俺、6でーす」


 6番は六石だった。六石はちょっと嬉しそうな感じだったが。俺は気が付いていた。蓮花寺さんの不敵な笑みを――そして数秒後。


「痛たたたた。蓮華寺タイム。おかしい!握手じゃねー砕ける!!タイム!?!?!?」


 ぎゅううううううう。という音が聞こえてくる。いや、ガチで聞こえていた室内だった。騒がないように――だが。いやいや、マジか。


「あー、すっきり」


 蓮花寺さん超ご機嫌。


「お、俺の――手が――」

「……」


 一応、握手は行われたが――なんか六石の手が砕けたらしい。ってか、手でいうと、そういえば、なんか俺右手痛いのが続いてるんだよな。動かさなければなんともなんだけど。って、そんなことをしているか間に2回戦3回戦とゲームは進み。


 2回戦は結崎が王様となっていて。


「えっと……1番が何にしよう?あっ、机のゴミを片付けるとか?」

「……」


 なかなかのセンスってか、そういうのもありだな。ってことで、1番六石が片付けに向かう。六石確率高いな。


「なんか俺ばっかりなんだけど、狙われてる?」

「偶然かと」


 ぶつぶつ言いながら片付けをする六石に俺はそんなことを言っておいた。

 六石の机の上片付けの後3回戦は蓮華寺さんが王様となった。すると――。


「松尾、何番?」

「蓮華寺さん。聞くのはなしですから。ってか。普通に聞いてこない」

「なんだー、選んであげるのに」

「結構です」


 ちなみに俺4番である。王様来ないなーである。王様来たら。ゲーム終了とか言ってやろうと思ってるんだが。

 いや、もちろんクレームは来るだろうが。安全のためにね。でもどうやらゲームの神様は俺を王様にはまだしてくれないらしい。俺がそんなことを思っていると蓮花寺さんが。


「じゃあー、次私が王様になるまで1番は4番の足の上に座る」

「……」

 

 的確に俺を当ててきたのだった。って、1番だれ?六石は勘弁と思っていると――俺の前にはすぐに影がやって来た。


「やあやあ、後輩君。私1番なんだー」

「……みたいですね」

「じゃ、失礼ー」


 とくにためらいなく。1番の紙を見せながら石見先輩が俺の足の上に座った。

 軽いですね。って、さっきは腕1本の上にこのお方乗って来たからね。それから比べれば今はマシである。もたれてきているだけだからな。さすがに腕一本は軽くてもきついからね。


「うんうん。なかなかいいねー。王様みたい」

「早く次行きましょう」

「えー、後輩くん楽しまないの?」

「はい。早く次行きましょう」

「つめたいなー」


 それからしばらく蓮華寺さんが王様にならなかったため、石見先輩はしばらく俺の上にいたのだった。あと、なかなか俺にゲームの神様来ないし。


 ちなみにその間に。


「5番が腕立て30回」

「俺だー」


 七和先輩の命令で六石が運動をして。


「はいはーい。4番が2番とハグ!」

「あっ、私」

「2番私だよー」


 長宮さんの命令で石見先輩と七和先輩がハグ。のち、石見先輩は俺の足に戻ってきた。そこはちゃんとするのね。


「あっ、私王様だ。じゃ――1番が飲み物買ってくる」

「げっ。俺だ、って――先輩。これ何買ってくるんですか?」

「なんでもいいよー」


 その後石見先輩が王様になり。六石がハズレを引いて――何故かコーヒー牛乳を買ってきた。

 ちなみに六石曰く『露天風呂のところで見たから」と、でも石見先輩は――。


「コーヒー牛乳の気分じゃない」


 などと言ったため。コーヒー牛乳は六石が飲む。という事にはならず。いや、六石は六石でフルーツ牛乳買ったとか言って持っていたのでね。コーヒー牛乳は一時室内の冷蔵庫へと向かったのだった。

 ってか、いい感じにみんながいろいろしているためゲームは盛り上がっていた。

 なお、俺に王様来る気配がないんですが。って、石見先輩がずっと座ってるんですが。これはいいのか?

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