第181話 浴衣美少女が多い4

「たっだいまー!」


 浴衣姿になった石見先輩がまず部屋へと戻って来た。

 なんか、無駄に元気になって気がするがいいか。諦めも肝心というやつだな。石見先輩がこの状況で大人しくなるわけはないし。


「おかえりなさい。って――石見先輩だけ?ですか」

「みんな来ると思うよ?歩くの遅いから」


 俺が石見先輩と話していると、入り口の方が賑やかになり。みんなも戻って来た。どうやらこの先輩1人だけとっとと走って帰って来たらしい。何でだろうか?などと思っていると。


「にひひー。後輩くんに浴衣披露は私の勝ちー」

「なんですかー。いろは先輩。そんな勝負してないですよ」

「……」


 なんかどうでもいい事をしていたらしい。ちなみに全員浴衣姿である。俺の隣では、七和先輩にカメラを返しつつ。その先輩を見惚れている奴もいた。

 いや。まあすごい光景ですからね。浴衣にサングラスの謎な方ですが。普通に七和先輩はスタイル良いですしね。

 って。七和先輩と蓮花寺さんは部屋にあった浴衣のサイズがぴったりだったらしく。2人ともすごく似合っている。

 ちなみに後の方々ももちろん似合っている。のだが――ちょっとサイズが大きかったのか。いや、結崎はほとんどぴったりだが――もともと身体が細いというか。あれ?結崎大きな浴衣着てない?もしかして蓮花寺さんたちと同じサイズがなかった?でも変じゃないから良いか。ってか、石見先輩と長宮さん。明らかに大きい。帯があるからまあ着れているが。だぽっという感じだ。これはこれで、変ではないんだけどね。かわいいに入るだろう。でもサイズの合っていない2人は緩いというか。あまり派手に動かないでいただきたいのだが。一番難しい2人がそれというね。


「あー、極楽だったー」

「……」


 ほら。いきなり畳の上に座り込んだ長宮さん。いろいろ緩いです。ホントもう少しくらい気にしてくれである。こちらが気にしていて見ないように、という難し事になるのでね。

 気にしつつも危ないことがあったら目を離す。それはそれでね。目を離した後どうやって気にしろだからな。でも今は蓮花寺さんが居るので――俺が思っていると即俺の予想通りの行動をしてくれた。


「奈都ー。そのままだらけると主に丸見えだからね?」

「なっ!。ちょ、澪覗くなー。何で覗くかな!」


 長宮さん慌てて座り直すというね。


「さてと、松尾たちに奈都パンツの色とかデザインでも報告しておこうかなー」

「ちょ、絶対言うなー。澪!お座り!」

「……」


 蓮花寺さんがこっそり教える。ってことはないか。

 ちなみに蓮花寺さんが何をしたかというと。長宮さんの前にいき。そのまま覗き込んだ。以上だ。蓮花寺さんもなかなかである。

 って、あそこはそっとしておこう。関わると厄介。って、ちょっと俺が隣を見ると、隣は隣でなんかしていた。


「六石君。ちょっと盗撮のために壁になって、これは――売れる」

「売れる?何ですかそれ!?ってそれまた俺の危機では?」

「……」


 困ったもんだ。七和先輩カメラを返してもらってすぐ、なんかしようとしていたが。こちらも関わるべきじゃないな。六石にこのまま犠牲になってもらおう。幸い

蓮花寺さん長宮さんは2人で言い合っているため。この2人の事は気が付いてないみたいだが。あとで確認というか。なんか起こってそうなら。こっそり教えるか。言いにくいが――でも、なんか売るとかね。どうも犯罪の香りがしたのでね。でも今は――関わるとだから。えっと俺は――どうするか。


「後輩くん後輩くん」

「はい?」


 すると、俺のところに石見先輩が飲み物を飲みながらやって来た。なんか嫌な予感がするな――と思いつつ石見先輩の方を見ると。


「お姉さんと良いことしようかー」


 ほら。


「……頭痛くなってきた」

「えー、そこは弾けようよ。みんな楽しんでるし。せっかくの夜じゃん。こういう時こそ夏の思い出だよ」


 こういう場好きそうだな。とは思っていたが。誰かこの人に首輪。って。石見先輩の後ろに影が。


「……ちなみ石見先輩」

「なになに?後輩くんからご希望?ちなみに私の希望はお姫様抱っこからのー」

「いや、石見先輩。後ろです」

「後ろ?」


 何言っている?という表情で石見先輩が振り返る。そうそう、今の現状を言っておくと。この部屋には今みんな居た。

 みんな居るということは、長宮さん、蓮華寺さん。七和先輩、六石。そして、石見先輩。あと俺と……結崎が居るということで。長宮さん蓮華寺さんところにも、七和先輩六石のところにも関わっていなかった。

 結崎はというと、石見先輩の後ろだ。俺から見ると正面だがね。


「……いろは先輩。お姉さんなら大人しくみんなのこと見ていてください」


 石見先輩の両肩に手を置いて結崎が声をかけていた。怖い怖い。


「ありゃー、ゆえちゃんの存在忘れてたー」

「もう。あと、松尾君もピシッと断る」

「あ、はい」

 

 流れ弾が俺にも当たったが。ちょっと結崎がお拗ねモードにちょっと入っているみたいなのでね。大人しく返事をしておきました。


「あらあら、ゆえが松尾君と喧嘩?」


 すると長宮さんがこちらへと寄ってきた。そして結崎に絡む。


「ち、違うから」

「ちなみに奈都的にはーゆえと松尾が喧嘩した方が良さげ?」


 すると長宮さんの後ろには蓮花寺さんがやって来た。


「ちょ。澪何いうかなー。変な事言わないでくれる?」

「さあ?」

「六石君。壁」

「ちょ。マジですか。バレてますよね」

「大丈夫」


 ちなみにカメラ構えている人。あと、その人の横にいる男子。怪しい行動バレてますから。俺からは見えてますから。他の4名様は後ろだから気が付いてないかもですが。俺正面ですから。怪しいと判断した場合あとでカメラの確認をこの4人にしてもらいますからね?


 って、俺の周りに結局みんな集まってきたというね。賑やかな部屋だよ。

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