第180話 浴衣美少女が多い3

 いろいろあった後。女性陣風呂へと向かい男子だけになると。


「松尾すごいな。何でわかったんだ?」


 六石は六石で興味津々という形で、なんか手が潰されて痛かった。と思っている俺に話しかけてきていた。


「だからさっきも言ったが。たまたまだ。石見先輩たちと居たら何となく予想は出来なくもなかったし」

「すげーわ。俺全く気が付かなかったし」

「まあ靴もちゃんと隠して押し入れに入った2人のいたずらに関してのすごさ。その時の行動の速さだな」


 そうそう。あの2人。短時間しかないのにそういう悪戯に関しては行動が完璧なんだよな。多分だが。俺がドアの前で鍵を――としている間に。物音立てず。さっと鍵。さらにその瞬間石見先輩が気が付いて靴を隠し。そのまま押し入れに飛び込んで――長宮さんがドアを閉めるという連携プレイを話し合いなく行ったらしいからな。鍵――目の前で閉められていたらし。音とか気が付かなかったぞ。っか。あの2人はあの2人でどんどん仲良くなっていくというね。悪戯コンビとかいらないんだが。


「にしても長宮も怖いが――なんていうか。面白いやつなんだな」

「えっ?」

「いや、なんか。まあキツイのは知っていたが――それにクラスでも仲良くない奴とはあまり――じゃん」


 六石の話に――はて?と思う俺だった。


「そうだっけ?」

「まあ松尾気に入られてる感じだもんな。っか。抱きつかれてたし」

「あれは事故だな」


 先ほども長宮さんになんか抱きつかれていたが。あれは明らかに事故ということで片付いている。長宮さんも特に気にすることなくという感じで『ナイスクッション』とか意味の分からないことを言われたのでね。

 結崎には、あとでもう一度ちゃんと説明しておこうかな?ちょっと再度ふてくされて、というか。微妙な雰囲気がなくもなかったんでね。

 でも、話してくれていたから大丈夫だとは思うが。今日は川の時もで、部屋でもだとな。ちゃんと話しておこうである。などと俺が思っていると。


「で、長宮ってこういうなんかふざけたって言うのか。まあこういう事するイメージがな。なくて」

「えっ?そうか?」


 俺的には学校の長宮さんもこんな感じがするのだが。あまり見ていない。接していなかった六石からすると。俺とは感じ方が違うらしい。

 ってか。もしかしたら、ヤバいな。という感じも。いや、最近ここのメンバーとよくいるからか。俺周りの感覚とちょっと感じ方が変わってしまったのかもしれないとね。そんなことを俺が思っている間も六石の話は続いており。


「まあ長宮はたまにキレるとすごいからな」

「そんなにキレてたことあったっけ?」


 俺が頭の中で学校内での事を思い出していると――。


「ほら、クラスマッチ?球技大会?あの時。あーそうか。松尾が怪我した時か。あの時すごかったじゃん。大木と在良か。めっちゃ攻められてさ。あの2人があんなに小さくなってるのはじめて見たし。その後。あれだろ?結構なんかぶつぶつあったらしいが」

「——よく覚えてるな」


 当の本人。そりゃ忘れはしてないが。でもちょっと薄れていたことだったが。周りの方がしっかり覚えてらっしゃった。っか、あの2人の名前久しぶりに聞いたな?あれ?この前長宮さんと――で、話したか。でもあまり結崎や。蓮花寺さんが絡んでいるのは最近見てないのでね。そりゃ、絡んでるのが無くはないと思うが――以前ほどは多分絡んでないもんな。


「あれ、すごい噂だったからな」

「噂?」

「長宮がハイパー激怒。絶対今は関わるなってな。俺にも伝言が回ってきた」

「そんなレベルだったのか――」


 俺にはそんなこと回ってこなかったな。あれ?あっ、俺はそっち側だったからか。などと思っていると。六石が飲み物を再度飲みつつ。


「っか。松尾」

「うん?七和先輩に持たされたこのカメラどうしたらいいわけ?」

「——俺に聞くな」


 そうそう今の六石の状況を説明しておこう。飲み物を飲みつつだが。六石の首にはカメラがある。それは先ほど風呂場に再度持っていこうとしていた七和先輩から回収したもので『無くなると困る』と七和先輩が言ったため。どうしようとなり。七和先輩自身が『助手に預ける』と言いながら六石の首にかけていったのだった。


「何が撮ってあるのか気になるが。さっきの事もあるし。そもそも見方わからなし」

「六石。触らないのが安全かと思う。まあ俺はあとで中身の確認をさせてもらって怪しい写真は削除していただきたいが――」

「——だよな。松尾めっちゃ連写されてたな」

「連写―—ね」

「めっちゃシャッター音聞こえたから」

「俺聞いてないな」

「松尾潰れたりしてたからな」

「だよな」


 とりあえず俺と六石は七和先輩のカメラを見ているだけだった。触ることもなしだな。ちなみに六石は壊したら――と言うことで、女性陣が帰って来るまでほとんど動かなかったのだった。

 あれはあれで――大変そうだったな。超慎重に動く際も動いていた。


 ちなみに、女性陣がお風呂から帰ってきたのはこの後、1時間弱だったかな?楽しんでいたらしく。ゆっくりと帰ってきたのだった。そういえばその間にだな。旅館の人が布団の準備で来て。室内には布団がセットという状況に変わっていたのであった。結崎達女性陣。荷物そのままにしてなくてよかったな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る