第119話 夏休みが――消える?6
現在は俺は岩見先輩と水分を求めて学内の自動販売機のところへとやって来たところである。この暑さ。水分がマジで必要なんだよ。どんどん汗がで出ていくのでね。って、まだ飲み物は買ってないのだが、買おうとした時に。いや、自動販売機に到着した時だったか。後ろから声が聞こえてきたのだった。
「あっ、松尾君じゃん。やっほー」
この声は、長0宮さんの登場である。昨日も振り回されたよな。今日もなのだろうか?心配すぎる。
俺がいろいろと思いつつ声の方に振り返ると、今日は制服姿の長宮さんがこちらへと歩いてきていた。さすがに今日も私服ではなかった。学校バージョン長宮さんである。
そりゃ学校なのでね。さすがにいろいろとゆるゆるの学校だが。私服登校は――あれ?意外とそんな決まりない?いやいやあるよね?校則とかちゃんと見たことないから知らないけど――まさかね。とりあえず。今日の長宮さんはちゃんと制服でやってきていた。って、昨日何も言われていない人が居た時点で問題ない気がするが――。
なお、学校バージョンの長宮さんはこちらにやってくるなり何故かニヤニヤしていた。
「あらあら、松尾君。先輩と2人っきりだったの?まあ!面白そう!ゆえに報告しないと」
「……」
本日の長宮さんも元気そうです。来るなりそんなことを長宮さんは言い出したのだった。ホントみんな暑いからテンションおかしいのだろうか?おかしいよな。暑いから脳内がおかしんだよな。多分。とにかく長宮さんは元気すぎるよ。
「——どしたの?松尾君がどこか遠くを見てる?」
「……いや、今日も長宮さんは元気だなぁ……と。ちなみに少し前までは短時間だけど楚原先生居たから。ホント一瞬だけど――」
「そうなんだ。でも今は2人――ってか。あれ?ゆえは?居ないの?居るんだと思ってたけど?」
長宮さんがあたりをキョロキョロ見まわしながらそんなことを聞いてくる。どうやら長宮さんは結崎が既に学校に来ているいると思っていたらしい。
「今のところ来てませんね。俺は姿を見てません」
「えー。何で?」
「何でって――まあ石見先輩曰く。結崎は自分の家に帰ったみたいだけど――」
「はぁ。これだから、ゆえは取られるんだよ」
何故か呆れ顔をの長宮さん。などとと思っていると。俺達の隣に居るもう一人のお方が話しだした。
「ゆえちゃんポンコツだからね。うんうん。それがかわいいんだけど。しっかりしてそうでガードゆるゆる。だから昨日も私にやられたい放題なんだよね。うんうん」
「ですよねー。まあそれがゆえかー」
「そうそう。それがゆえちゃん」
「って、私の予想では、まだうじうじしてると思ったんだけど――?」
「後輩くんが居なければ普通だね」
「あー、なるほど。本人の前ではか。って、ゆえが全面的にポンコツなのに」
「まあまあかわいいんだから」
「いじれますからね」
「そうそう。今日も来ないかなー」
石見先輩と長宮さんがそんなことを楽しそうに話していた。ちなみにその横で俺は。
「……結崎勝手にいろいろ言われてるぞ」
そんなつぶやきをしていたのだが。俺のつぶやきが結崎に聞こえることはなかった――だろう。俺もあたりを見回しておいたが今のところ結崎の姿はないのでね。そもそも生徒が居る雰囲気が構内は無いのだが、外からは声がちょっと聞こえるんだがね。っか、いつの間にか。石見先輩と長宮さん仲良くなってる?なってるよね?普通に雑談してるし。まあ、この2人いろいろ合いそうな感じか。すぐに意気投合しそうな感じだからね。混ぜるな危険だったか。
だって、石見先輩と長宮さんが仲良くなるってことは……めっちゃ嫌な予感しかしないんだけど。これ何か起るんじゃない?俺巻き込まれるんじゃない?めっちゃ嫌な予感がするんだが。そんなことを俺が思っていると長宮さんが思い出したように石見先輩に再度話しかけていた。
「あっ、そうそう。えっと、石見先輩?でしたよね」
「うん?うん。何々?えっと――奈都ちゃんだよね?」
「はい。そうです。って、あのー、松尾君ちょっと借りていいですかね?今から美術部に昨日の弁償代を受け取りに――服代を。で、その時にボディーガード的にちょっとだけ松尾君を貸してほしいなーと、思いまして」
石見先輩と長宮さんの話を聞いていて、そういえば長宮さんはそれがあって今日は学校来たんだよな。別に図書室に居る俺たちのところに乗りこんでくるためじゃなかったな。
「……あー、長宮さんは六石のところか」
「そうそう。なんか1人だと――だから。松尾君来てよ」
「いや、1人で行っても問題なくない?普通に美術室行って――だよね?迷子になることもないし」
「いいからいいから」
「じゃあ、みんなで行こう!」
「——まさかの石見先輩が決めるのか」
「問題ない問題ない」
「いやいや――ってまあ、行くか」
何故俺は長宮さんに招集されたのだろうか?と思っていると。石見先輩により。勝手にみんなで美術室へと行くことになったらしい。行くみたいです。って、長宮さんが既に歩き出していた。
「……おかしいな」
「松尾君行くよ、ほら。止まってると暑いし」
「長宮さんはみんなで行くでいいのか」
俺がつぶやいていると長宮さんが振り向きつつ急かしてきたので、俺も歩き出した。どうやら――多数決で決定らしい。3人で美術室へとね。
それから俺たちは3人は自動販売機のところから美術室へと歩きだしたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます