第115話 夏休みが――消える?2

 現在俺は夏休みの学校に登校し。石見先輩と合流のち図書室へと向かって移動中である。

 そして校舎内。窓が開いてないため――暑い。空気が既に暑かった。本当は窓を開けながら歩きたいが。いや開けたら閉めないと。ということはないと思うが。多分だが。夕方になれば見回りの人が戸締りとかしてると思うし。でも、今は石見先輩がどんどん図書室に向かって歩いて行くため。俺はそれに付いて行かないと。なので、廊下の窓開けはせずに歩いている。ってか。図書室近くだけ開ければいいよな。自分たちが居るところで空気を抜けばいいんだから。

 そうそう。そんなことを思って窓の外をちょっと見つつ歩いていたら石見先輩が突然話を変えて。


「そうそう聞いてよ後輩くん。昨日ゆえちゃんとお風呂入ったわけ。あれからもたくさん話したんだよ!」

「それ俺が聞いていいんですか?なんか問題が起こりそうな雰囲気しかないんですが……」


 ホント唐突に、多分、というか絶対俺が聞いてはいけない雰囲気の話が始まったのだった。もう明らかに危ない話になる言葉がちらほらなのでね。

 これ、絶対に聞かない方が後々俺――助かるんじゃね?絶対結崎が――爆発。という状況。未来予想図が俺の頭の中で出来ていたのだった。


「ギリギリ?かな。うんうん」


 ほら。石見先輩わかっていて話しているという感じだよ。にやけてるよ。


「……それは聞いちゃダメな話ですね。だからやめましょう。どうしても話したい場合は、結崎に確認のち。の方がいいかと思いますね」

「えー、でも後輩くん聞きたいですよ?あんなことやこんなことを」

「いや、特に」

「何でさー。って、とにかく。なんでゆえちゃんあんなにかわいくなったの!身体のバランスぱっと見だけで良いのわかるしさ。ホント細いしさ。なんか最近は後輩くんのおばあちゃん?がたくさん食べ物くれるから太ったとか昨日ほざってたけど。って、後輩くん家族ぐるみなの?もうイチャイチャしてたわけ?あとでこれは詳しく。でさ、あとは――そうそうゆえちゃんさ。髪も染めてるじゃん。黒髪ゆえちゃんどこいったー!?だよ。ホントなんかキャラ変わった!ってことでいろいろ聞いてたわけよ。それでさ、話していたら――何々?今は、後輩くんたちのクラスの室長!?ゆえちゃんが!?マジ!?だったよ。昔のゆえちゃんなら絶対しないことでしょ。何で弾けちゃったの?何があったの!誰が原因!後輩くん詳しく!でさ、その後いろいろ確認のために、強制チェックしたわけ。そしたらもう――手触り最高!ピチピチじゃん。すべすべだし。私に無いもの持ってるしさ。しっかり揉ませてもらってで、一応さらにいろいろ確認ー!って調子乗ったら――ビンタされちゃったよ。あははー。痛かった。ガチでパチン!だったからね。泣いちゃえばよかったよ。あー、思いだしたら痛くなってきたかもー」

「……」


 ――今何があったのだろうか。怒涛の石見先輩の語る。という時間があった気がするが。って、結崎よ。なんか俺の知らないところで、俺の事も話してないか?石見先輩に俺の家に来ていることとか言う話したのか?そりゃ話したらダメ。ということはないが。これ今も先輩がボソッと言っていたが。あとで詳しく。って、言っていたから、面倒なことにならないか?絶対なるぞ?知らんぞ?にしても――石見先輩。短時間。ちょっとした移動中という中で、かなりの情報を俺に勝手に話したのだった。

 先ほどからずっと言っているが。後半のところとか――明らかに俺は聞いちゃダメというか石見先輩。ほとんどそれ――犯罪?いや、捕まる?のかは知らんが。俺に話すことではないし。って、ビンタされたんですね。まあされますね。ちょっとはそれで懲りてください。大人しくなりましょうなどなどいろいろなことを俺は思いつつ。

 ちなみに何故か石見先輩は今自分の頬をさすっている。


「……聞いちゃダメなやつじゃん」

「あっ、あとね。強制的に口塞がれて死ぬかと思ったよ。下手したらそのまま湯船に沈められてたね。半分されかけたけど」

「……でしょうね。ってされたんですね。仲良しなことで」

「ホントゆえちゃん力強くなったよ。あと――いろいろ強くなったね。前ならもうとっくに爆発してたよ」

「……」


 そんなこんなで、石見先輩が勝手に語りに語っていると、俺たちは図書室へと到着したのだった。


「まあ、いろいろ聞いたような気がする。ということにしておいて、石見先輩とっとと作業しましょう。昼が近くなると暑くて死にそうですが」

「あー、確かに暑くなるかもねー朝からいい天気だもんね。水着でも持ってきた方がよかった?」

「図書室で何をするつもりだ?」

「後輩くんに目の保養にって頼まれました!でいいんじゃない?」

「——」

「ってか。私の水着姿とか自爆じゃん」


 バンバン。


「——ちょ、痛い。何で俺叩かれてるの。って――もう疲れてきた」


 朝からテンション高め。賑やかな状態のまま俺が図書室のドアに手をかけると。


 ――ガチャ――ガチャ。


「……あっ。そっか。そうだよな。鍵――」

「あー、鍵もらってくるの忘れたー」


 図書室は鍵が閉まっていたのだった。そりゃ鍵が閉めてあるのが普通だよな。

俺と石見先輩はそんなことを微塵も考えずに、話しながら歩いてきたため。図書室へと入ることが出来なかった。


「よし。後輩くん。じゃんけんで負けた方が、鍵を職員室へ。あと、飲み物買ってくるってことで」

「おかしい。何で飲み物――って一応図書室飲食禁止ですが――」

「なら廊下で飲んだらOK」


 私頭いいでしょ。という表情で石見先輩が言っているが。それには触れないでおこう。他の事に触れていたらマジで作業開始前に疲れる。


「——って、何で飲み物が追加されてるんですか」

「喉乾いた!」

「それは――単なる朝から話しすぎかと」

「ってことで、じゃんけん――」


 はい。その後すぐに俺と石見先輩は図書室の前でじゃんけんをしました。

 3回しました――何で3回もじゃんけんをしたかって?石見先輩が3連敗したからです。俺は3連勝。その結果――。


「後輩くんが朝からいじめてくる!」


 騒いでいた。


「いやいや、普通にじゃんけんしただけ。って、じゃんけんって言ったの先輩なんですが――あと、これ俺が負けるまでやるつもりだったでしょ」

「もち!」

「……」


 この先輩の相手はほんと疲れる。そうだ、結崎を呼び出せば――いや、それはかわいそうか。既にいろいろあったみたいだし。あとこの先輩の相手をしてくれそうな人……人……楚原先生。いや、一緒に盛り上がってそう。長宮さん蓮花寺さん――無理だな。ってか。俺の周り男子が居ない。あっ。六石――って、そういや長宮さんはマジでこの後来るのでは?などなど思いつつテンション高めの石見先輩をジーっと見ていると。

 どうやら俺が不機嫌になったとでも思ったのか。ちょっと慌てて。


「ちょ、後輩くん。嘘だよー嘘。冗談です。まさかの連敗だったからちょっと悔しくてー。うん。じゃあ鍵一緒に取りに――行こう!」

「一緒にって――それは俺も?」

「うん。私が職員室に行っている間に後輩くんは自販機で――紅茶お願い」

「じゃんけんの意味なしじゃん」

「ほらほら」

「——はいはい」


 それから俺は結局石見先輩と来た道を戻り。自販機の前で一度別れて、俺が飲み物を買っていると、石見先輩が図書室の鍵を持って戻って来て、鍵と飲み物が交換されました。


 謎ですね。まあ飲み物1本くらい良いですが。そんなこんなで仕切り直し。というか。やり直しというのか。


「じゃなんか既に学校きてからいろいろあった気がしますが。改めて、作業をとっととはじめて、早く終わらせましょう」

「おー!」


 昨日はそのまま放置して帰ったからな。本当にとっとといろいろなことを片付けようと俺は思いつつ。今度はちゃんと鍵を開けてから図書室のドアを開けたのだった。

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