第92話 another story ~新聞部~

 私の通っている高校には新聞部がある。私が去年作った部活だ。

 現在活動期間は1年と数か月。活動内容は毎週記事を書いて掲示板に掲示している。部活動の取材に行ったり。学校行事など。いろいろと取り上げている。


 何気に一部の先生の中では評判がいいらしく。よく私の部活中に様子を見に来てくれる先生も居るくらいだ。

 生徒の間での知名度は、なのだが。でも活動はしっかりしている部活動である。


 そうそう。部員数は1人である。ここ1年と数か月部室のドアの前には部員募集中の張り紙がずっとしてあるのだが。なかなか集まらないんだよね。


 ちなみに普通の高校なら、部員数1人の部活を部活とは認めてくれないと思う。

でも、私の通っているこの高校は、めっちゃ自由。自由が取り柄と言うのか。ホント勉強も普通の授業聞いてなくても試験さえOKなら成績何とかなるからね。めっちゃいい学校。

 それに服装とかもあまり何も言われないからねー。私なんて薄いサングラス普段からかけてるんだけどね。何も言われたことないからね。


 ――えっ?なんでサングラスなんかしてるかって?

 何となく!目立った方がいいじゃん。あっ。あいつ新聞部だ。って。取材の時楽じゃん。ちょっと説明が省けるから。


 とまあそれはおいておいて。ホント誰か入部して?と思いつつ。毎日活動をしている新聞部。


 私が1年生の時は、基本運動部の記事が多かったかな?


 毎週って言ってもそんなにたくさんを作ることはできないから。大きな紙1枚というか。毎回1人だとその規模で限界でね。


 だから、正式に始まったのが5月くらいかなー。何でもできる学校でも部活として認めてもらわないと。だからそういう書類はちゃんとあってね。書くのが大変だったんだよ。あと、一応顧問探したりさ。部屋欲しいし。パソコン使いたい。プリンターも欲しいし。カメラも欲しいし。って、カメラはスマホでいいか。ってなって今もスマホでしてるけどね。


 とまあ準備に時間がかかって、そこから1つ1つ運動部から回り始めたんだよ。

そしたらね、1年終わった。

 いや、1回取材が終わった運動部でもさ。大会とかあるじゃん。いい成績残したら再度記事書いてあげないとじゃん。だから何度か既に記事に登場した部活もあるんだよね。ってまあそれはおいておいて。


 1年の時は運動部しか回れなかったわけ。だから2年になった今は運動部もそりゃ大会があるからそれを追いかけつつ。文化部も取材に、なんだけど、マジで人が足りないの。1人じゃきついの。

 楽しいから私はずっと続けてるんだけど、さすがにそろそろ誰かと作りたいわけ。


 とか思いつつももう2年生始まって数か月。1年生の新入部員捕まえれなかったからなー。今年も怪しいかなー。と思いながら今日も作業中。


 ちなみに文化部は少なかったからもう半分以上が取材1回は終わってるんだけどね。だから、次どこに行こうかなー。思いつつ作業ってのが正しいかな?


 ってよくよく考えたら、夏休みだ。どうしよう。運動部の記事は、まあ決まっているとして、何かほかに面白そうな事は。


 その時私は1つ思いついたことがあったのだった。


「そういえば最近.図書の先生が鬼!みたいな噂あるなー。うん。これ面白いかも。うん。特集しちゃおうか。そうだ。夏休み中も図書室なら開いていると思うからー。運動部の記事が終わったら突撃してみよう。うん」


私は部室で1人ぶつぶつと言いながらパソコンを叩く。


 そして、それから少しして、今週の記事が出来たので私は昇降口へと掲示に向かったのだった。


 ◆


 ――バン。


 1人の女子生徒が部屋から出てきて――閉められたドアのところには、「新聞部!新入部員募集中!2年。七和ななわなぎさ。まで!」と書かれていた。


 この新聞部に入部に、掛け持ちする者が現れるのは――もう少し先の事である。

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