第91話 another story ~クラスの男子生徒~

「……」

「……」

「……」


 今日も俺は静かに自分の教室で過ごしている。

 周りを少し見て見ると、何人かで集まっている生徒があちらこちらに。

いろいろな会話が聞こえているのだが。いろいろな声が混ざっているため。どこの会話かが。聞いているだけではわからなかった。


 俺の名前は六石ろっこくろくだ。


 クラスの中で、俺の名前を知っているのは――数人かもしれない。

 いや、0ではないはずだ。たまに話す生徒も居るのでね。

 それに、俺ははじめの時オリエンテーションでかなり目立ったし。それもあって覚えている人は居るかもしれない。とか思っているが詳細は不明である。


 にしてもまさか、オリエンテーションの時はあんなに目立つとは思っていなかったが。いや俺は昔から器用というか。何かね。黙々とする作業が好きで、オリエンテーションの時に、何かなんでもいいから拾ってきた物で何か作れ。

って言う無茶苦茶な時間があってが。その時に、何か木とかをくっつけて何かするってより。そこそこの大きさの木で何か彫ったらいいかって感じで、黙々と木を俺彫っていたんだよ。完成図とかは特に考えず。何か置物。大仏ではないが、まあそんなものを作って見ていた。

 いや、何かたまたまだったかな?前日くらいに家に居る時に見たテレビで、木から?何かを彫りだすみたいな事をしていた気がしてね。なんかイメージがあったから。って言うのと、他に何も浮かばなくてね。

 それで黙々とやっていたら、表彰された。マジで?だったな。

 確かにそこそこいい感じにできたとは思っていたが、あの時は焦ったな。急に自分が呼ばれたから。


 多分誰でもできるようなことだと思ったんだが――違うのかな?たまたま俺が作ったのが目についてしまったのだろう。


 とりあえず過去の事はおいておいて、今の俺は教室で静かに1人で居る。

 1人なら廊下とか渡り廊下とかぶらぶらしてきてもいいじゃん。と思う人が居るかもしれないが。

 俺のところはね。ちょっと席を外すと、乗っ取られる可能性があるんだよ。いや、俺の前の席にクラスの室長の結崎ゆえ。というまあ派手な女子生徒がいるんだが。結崎さんの周りにね。生徒が集まりやすくて。ちょっと席をあけると、席を乗っ取られるんだよ。

 

 そういえば、ホントさらっと話しただけだが。その結崎さんの前に居る、松尾も同じようなことを言っていたか。

 そんなこんなでここは大変というか。席に居ないと何だよ。

 ってそういえば、最近松尾ははじめのころから見ると。なんか結崎さんと絡んでいるというか。同じクラスの。別のグループというか。いや同じグループか。長宮さんや蓮花寺さんとよく話しているところを見るが。人ってわからないものだよな。

 はじめの頃も松尾とは少し話したことがあったんだが。その時は完全にこちら側というか。派手グループ側ではなかったと思うのだが。変わるもんなんだね。でも、松尾とはたまに授業中とかで話すことがあるが。普通なんだよね。派手。チャラいグループとは話すのが怖いというか。何か話が合わない感じがしているんだが。松尾は話しやすいんだよな。

 そういえばオリエンテーションの時も食事だっけ?何かの時に俺隣同士で、少し話あったからな。

 何で俺は松尾に関して語っているんだか?


 とにかくだ。今の俺は教室でいつものようにのんびりと過ごしている。これだけだ。

 何もなく1日終わってくれたら、なのだが、俺の楽しみは放課後は部活。俺は美術部で――ってこの情報はいらないよな。忘れてくれ。


 ちなみに余談たが。この数週間後。俺は松尾に助けられることになり俺も所属側が変わるのだった。


それはまた別の話である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る