第89話 another story ~DIY2~
守がここに来る。生活する事をわし知ってからは――忙しかったの。
まずはあれだ。
小屋のな。中にあったものを全部外に出すじゃろ。
そしてそこらへんに置いておいたらばあさんに捨てられるじゃろ。少し減ったわい。
……まあいいがの。ちょっと残してあった。って物ばかりじゃからな。
とまあとりあえず小屋を空っぽにしたんじゃ。なかなかの重労働じゃった。駅までの道や駅の掃除をする方が楽じゃの。
でだ。小屋を作ったのはかなり前じゃからの。
床がボロボロでのちょっと剥がしてみたら。じゃ。こりゃ、このままじゃの。ってことで。工具屋さんじゃったかの?わしはそこに出向いたんじゃ。
——そうじゃそうじゃホームセンターじゃの。
そこで、そうじゃ。今はフローリング言うのが家にはよくあると聞いたことを思い出しての。買ったんじゃよ。うん。ちょっと真面目にの。綺麗にしたくなったんじゃよ。身体がうずいてきたというのかの。久しぶりにやりたくなったんじゃよ。
それからは毎日ホームセンターに通ったの。
初日は何もサイズとかを測らずに、だったからの。ホームセンターの下見みたいになっただけなんじゃが。って、わしここの店は結構使っていたからの。下見の必要はなかったんじゃが。まあいいじゃろう。たまには運動じゃ。
それから毎日通ったの。そして毎日少しずつ材料を買って家まで運んでの。それでじゃ、ある程度材料が揃ったら大工事じゃ。
床を綺麗にするじゃろ?もうこれが大変での。砂埃のすごいことすごいこと。ばあさんにも手伝ってもらったの。
それでじゃ。そこそこ綺麗になったところで、あれじゃ。フローリング登場じゃの。ちゃんとのそこそこ調べたりして、まあ何とかなるじゃろう。ってことで開始したんじゃ。畳なら得意なんじゃがな。でもなんとかなるじゃろうで始めたんじゃ。
しばらくは毎日が楽しかったのー。ばあさんに何度食事だと呼ばれたことかじゃ。たまに外が真っ暗ってこともあったかの。
そういえばの、ホームセンターに何度もわしは通う時にあの小さな電車をいつも以上に使っていたんじゃが。毎日使ったからかの。ばあさんが買い物に行った時にいつもの運転手さんからの。わしがどこかに毎日行って、何かいっぱい物を持って帰ってきていた。あれは何かしているのか?みたいな話をしたそうじゃ。ちょっとわし有名人じゃったらしい。ってことは、まあおいておいてじゃ。
数週間じゃったかの?無事に出来たんじゃよ。そこそこ綺麗になっての。自分でもびっくりしたわい。こんなに綺麗にできたぞ。と自画自賛したの。
そうそう写真も撮っておいたわい。
守がいつまでここに居るかは、わわからんが大きくなったら自慢してやろうての。
ここわしが作ったんじゃよ。との。
いや、ここは言わないのがかっこいいかの。うん。言わんとおこう。この小屋はあったことにしておこうかの。
◆
ってことでの。わしが小屋を綺麗にしてから――少ししたらかの。
守が母親とともにここへとやって来たんじゃよ。守はすぐに気に入ってくれての。それからいろいろ準備してやったの。ベッド言うのかあれの設置は大変だったの。ここ道がちゃんとなかったからの。でもまあそれはいい思いでじゃ。なかなか経験できることではないからの。
とにかくの。わし。頑張ったかいがあったの。まあ頑張ったというよりもの。楽しんだ。じゃの。なかなか毎日が楽しかったわい。
そこからは守の居る生活での。それはもう楽しい楽しい。今までは、ばあさんしかおらんだからな。そして守が居るからの。わしらがしていた駅までの掃除とかの。いろいろ手伝ってん貰えるようになったからの。ホント助かっておる。
それに、最近はかわいい子が良く来てくれるからの。いい事じゃ。いい事じゃ。わしんとこは息子。男しかおらんからの。ばあさんはもうばあさんじゃし。
若い子はいい。毎日やる気しかでんわい。
やる気が出て来たから、そろそろ何か……えっと――DIYか。またしようかの。うむ。
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