第85話 another story ~そして私は……~
私の前からいろはさんは居なくなった。
両親は何か知っていたみたいだけど。そのころからさらに両親と距離ができていた私はちゃんと聞くことが出来ず。
両親の方も簡単に『いろはさんのお父さんが急に転勤になっただけ』としか言わなかった。
――いろはさんがいなくなったあと。
私は静かな生活になった。いや、今までに戻った。と言った方がいいかもしれない。でも私の生活は昔から見ればかなり変わった。
さすがに中学生になっていたので1人で留守番もできるし。
いろはさんがいろいろと教えてくれたので、両親が居なくとも普通にすごしていた。
そしてその頃からだと思う。
中学では今から自分を変えるのは無理。ちょっと新学期も中学校生活も始まってしまっていたので、自分を変える勇気はなかった。
でも。高校になれば自分を変えれる――かもしれない。
いろはさんみたいに――楽しく日々を、たくさんの人に囲まれて、過ごしてみたい。と。私は密かに思い出していた。
それだけいろはさんと一緒に居る時間は楽しかったし。いろはさんには憧れた。
今は私の前からいろはさんは居なくなってしまったが……いろはさんはすごかった。私の中では別の世界を生きている人みたいだった。
いつもキラキラしていた。私も――。
そこから私はとにかく頑張った。
まずは勉強から頑張り――私生活も頑張った。
勉強は元から嫌いではなかったので、集中はすぐできた。
むしろ苦手だったのは、私生活というか。おしゃれだった。
今まで出かけることが少なく。いろはさんのところへは――普段着というのか。家と同じ。と、いうことが多く。そこまで気にしたことがなかったが。今のままでは――また同じ繰り返しとわかっていた私は独学でいろいろ学んだ。
部屋に居る時はネットなどでいろいろ調べていた。
ちょうどというのか。親が一応連絡用にスマホを買ってくれたこともあり。家にいるときは黙々とおしゃれを学んでいた。
親が私にスマホを渡したのは監視というか。様子見を楽する為だと思うけどタイミング的にはナイス。だった。
そして高校は実家から離れたところだが。自由な学校を選んだ。いろいろとしてみたかったから。
親は私の考えにはとくに何も言わなかった。なので反対もされなかった。
またちょうど私が高校に上がる時に、親も仕事の都合で海外へ行くことになったこともあり。私の一人暮らしでの高校生生活は思っていたよりすんなり始まることとなった。
そして私はいろいろ戸惑う事とか。困ることもあったけど、無事自分を変えること成功した。楽しい高校生活を始めたのだが――さすがに飛ばしすぎたか。
高校生活が始まってしばらく。とあることをやらかしてしまったが……それは新たなはじまりにもなり――出会いともなった。
そしてその後……また繋がる――。
もちろんまだまだ彼に助けてもらうことになるのだが……これは別の話である。
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