第68話 2度あることは……

 普通なら終業式だけで、その後は夏休み。よし!ダラダラだ!のんびりしよう!とかの予定だったのだが。

 予定通りに物事は全く進んでいなかった。ほんと短時間でいろいろあった気がする。


 とりあえず今の俺は、結崎の家から無事にじいちゃんばんちゃんの家。今の俺の家へと帰ってきたところだ。


 あの後幸いにも電車がタイミングよく公民館前駅に俺が付いたらすぐやって来たので、暑い中駅で待機。待つこともほぼなく帰って来れた。


 家へと帰ってきてからは、ばあちゃんに一声かけて……シャワーを浴びて。その後にじいちゃんばあちゃんの方の家へと行くと。

 さすがばあちゃん完璧にお昼ご飯の準備をしておいてくれたので、いただきます。となった。

 俺は遅めの昼御飯を食べて、そのあとはダラダラだったな。

 でも、なんかいろいろあったがとりあえずやっと帰って来た。夏休み開始!ってことでね。のんびりしたよ。もう帰ってきてからはとりあえず休憩だー。って感じで部屋でダラダラだった俺。


 そしてお昼が遅かったが夜ご飯はまあいつも通りの時間に。いやじいちゃんばあちゃん基準なんでね。

 俺がお昼ご飯が遅かろうと。晩ご飯の時間はいつも通りだった。じいちゃんばあちゃんが絡むことは合わせないとなんでね。


 なので、夕食後はさすがに満腹だったな。昼ご飯からから夜ご飯までの時間が短かったのに、夕方は俺基本ダラダラしていたからな。消化されたないよであった。そんなことを思いながら、食後は俺はまた部屋でダラダラしてたんだがな。

 休憩だよ休憩。いろいろあった時はとにかく休憩である。1人の時間大切ってやつだな。とか俺が思っていたら。静かだった俺の部屋に。


♪♪~


 俺のスマホの着信音が響いたのだった。


「誰だ?こんな遅い時間に……?」


 ベッドに寝転んでいた俺は起き上がりスマホを確認してみる。


 遅い時間とか俺は言いながらスマホを手に取ったのだが。

 時間としてはまだ20時を過ぎたところなのだがね。でも今この家の周りはもう深夜みたいな感じの静けさで……って、訂正。そもそもいつも暗くなったらこんな感じだった。

 シーン。としているのはいつものことなので、まあ遅いと言ったが普通の時間である。単に今日は俺が疲れているだけだな。


 でもこんな時間に電話してくるとか。誰だろうと思いつつ画面を見ると。


また、長宮さんだった。今日は多いな……と俺は思いつつ。


「……」


 なんか出るのをためらうというか。

 そういえばあれから結崎には長宮さんに事情を話しておくと言ったが……俺してないわ。忘れていたということで。この電話に出ると、なんかいろいろ言われそうというか。

 でも今からでもいいから事情を話すか。いやほんと帰ってきたらもうだらけたくなってね。マジで連絡忘れていたである。

 とか俺は1人でなんかいろいろと思いつつ電話をとりあえず取ると。


「……もしもし」

「あっ松尾君。よかったー。電話出てくれて」


 なんだろう?ホッとした?感じの長宮さんの声が聞こえてきた。


「長宮さんどうかしたの?」

「いや、ちょっとお願いいい?」

「お……お願いですか?」


 あー、いやな予感と俺が思っていると。


「今から出てこれない?」


 長宮さんはそんなことを言ったのだった。

 俺の心の中では――「えー、今から?なんかめっちゃ嫌な予感するんですが……」と思っていると電話の向こうでは、結構切羽詰まっていたのか。


「お願い。今ゆえと大学前近くのカラオケボックスにいるんだけ。なんかゆえの様子おかしくて。少し前からぐったりしてきたというか。でも私1人じゃゆえ運べないし。少し前に澪に連絡したけど繋がらなくて」

「……結崎が?」

「そう。夕方にゆえから電話が来てさ。話したいことがあるって。それでカラオケで話していたんだけど……なんか気が付いたらゆえぐったりというか」

「……何やっているんだか」


 なんで体調悪くて落ち着いた後に出かけたんだよ。と俺は思いつつ。


「わかった。今から行くけど。そんなに早くはいけないと思う」

「大丈夫。とりあえずカラオケの部屋で今横になっているから。お願い松尾君」

「じゃ、大学前に着いたらまた連絡するよ」

「ありがと!」


 俺はそう言い長宮さんとの通話を終了した。


 その後俺は貴重品などを持って外へと出た。

 もちろん外は真っ暗である。昼間の日差しギラギラは無くなったので少しはマシ……って暑いわ。全然涼しくなってなかった。

 でも行かないとなので、俺は田園駅へと向かった。


 ちなみにじいちゃんばあちゃんのところは、すでに雨戸などが閉まっていたので、俺は特に声をかけることなく。静かに家を出発した。

 田園駅へと向かいながらスマホで時間を確認するとあと5分くらいで大学前方面へと向かう電車がある。

 俺は坂道を駆け足で進む。暗いがいつも歩いていところなんでね。なんとなく月明りで道はわかるのでズッコケるとかいうことはなく。俺は駅へと急いだ。

 駆け足ということもあり今日はあっという間に、田園駅の明かりが見えてきて。


 ちょうど改札を抜けてホームへ。という時に楚原さんらしき人の後ろ姿があった。車両の先頭。運転室へと入るところだったらしいが。

 楚原さんは足音で俺に気が付いたのか。こちらを見て軽く手を挙げていた。この駅も静かなところだからね。足音とかもよく響くんだよな。


 俺も楚原に返事というか会釈をしつつ。多分発車時間間際だと思うので俺はとりあえず車内へと入った。もちろんだが。車内は空っぽだった。

 運転席を除けば車内はガラガラ。ってか俺以外誰もいない。いつものことである。


 俺がドア付近の席に座るとすぐにドアが閉まり。電車は田園駅を発車した。それから数十分。ガッタンガッタンど電車に俺は揺られた。


 さすがに時間が時間だからか。この時間から大学前へと行く人は少なく。高校前で数人乗って来ただけだった。


 それから大学前に到着すると俺はすぐに長宮さんに連絡をしたのだった。

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