第28話 松尾守の休日4
放課後のじいちゃんからのおつかい?を完了し。なんか知らんが。結崎とともに帰って来ることになった俺。
現在はじいちゃんばあちゃんの家。まあ現在の自分の家の玄関までやって来たところ。
「ただいま」
「……お邪魔します」
俺の後ろからは結崎も入ってくる。って今更だが。なんか恐る恐るという感じで結崎は入って来たが。ギャップというか。雰囲気的には――というか結崎の見た目から。明るく初めてのところでも普通に何も気にせず。とかいう感じで入っていきそうなのだが。
結崎を知らない人なら今の様子を見て変な感じに思うだろうな。ってか、あれ?これクラスの人が見ても変な感じに思うんじゃないか?とか俺が思っていると。
「おかえり守や。なんか今誰かの声がしなかったかい?」
部屋の方からばあちゃんの声が聞こえた。とか思っていたら。すぐに出てきた。
「あれあれまあまあ、結崎さんじゃないかい?」
「あ、急にすみません。あのこれおかずとかいろいろもらっているので……お礼をと……」
「あれま。ご丁寧に……あらこの袋。これ駅前のお店?」
「あっ、はい」
「あらー、こんなもの頂いて。どうしましょう。守や。連れてくるなら連絡しなさいよ。なにも準備してないよ。どうしましょうどうしましょう」
「ばあちゃんのテンションがおかしい――」
マジでおかしかった。
「いえいえ、そんな大丈夫です。いつも美味しいおかずとか野菜をもらっているので……」
「まあまあ。とりあえず入って入って」
「えっと――」
結崎はどうするべきなのか――という感じで俺を見た。
「まあ、結崎が大丈夫なら。ちょっとばあちゃんの話相手的な」
「じゃ、じゃ――お邪魔します」
「片付けとかしてないけどね。入って入って」
結崎はばあちゃんに連れて行かれたので。
「着替えるか」
俺は玄関でUターン。外にある自分の部屋へと移動した。
そして部屋着へと着替えて、先ほど部屋に入る前に庭にじいちゃんが居るのをチラリと見たので、買ってきた替え刃を持ってじいちゃんところへ向かった。
「じいちゃん。替え刃買ってきた」
「おお、助かる助かる。さっき最後の1枚がダメになってな」
「あー、じいちゃんやっぱしてたのか」
「今日は風があったからな。ちょうどいい日だ。あー、後で金渡すからな。高かったじゃろ?」
「いい値段してた」
「まあ守。明日掃除頼むぞ。明後日くらいから雨降るらしいからな」
「マジか。じゃあ明日は朝からだな」
「そういうことだ」
俺の明日の予定は掃除と確定した。
明日の予定が確定し。頼まれたものを渡すのも終了したし。ということで、まだお金は返ってきてないが。じいちゃんもなんか庭で作業をしていたしで。とりあえずまた自分の部屋へと戻って来た俺。
学校の荷物を隅っこに押しやり。連休でしばらく学校休みだからな。封印だ封印。そんなことをしつつ。ふと思ったことは……さて、結崎はいつ帰るのだろうか。ということを思っていると。
「……かな?」
「うん?」
なんか外で声が聞こえた気がした。
「えっと――ま。松尾君?」
「あ、結崎?」
外からは先ほど一緒にこの家へとやって来たお方の声がした。俺がドアを開けると。
「うわあ。すごい。中は綺麗だね。って普通の部屋だ」
「えっ……あー、そういえばちゃんと結崎にこっちを見せたのはじめてだっけ?」
「うん。確かね。前は通過してたけど――中は初めて見たかな?」
「そういえばこの家に泊まった時は確か結崎はじいちゃんばあちゃんのところに居たからな」
「うん。でもなんかいいね。独立?っていうのかな?これなら松尾君は松尾君の時間で過ごせるよね」
「まあ確かに、夜とかちょっと起きていてもじいちゃんばあちゃんに迷惑は掛からないからな。うちトイレとか風呂も外だし」
「あー、そうだったね。はじめて借りたときはびっくりした」
「で、なんかあった?そろそろ帰るとか?」
「あー……そのことなんだけど――」
「うん?」
何故か言いにくそうにする結崎。
「おばあちゃんが……」
「もしかして……暴走してる?」
「—―かも」
なんかめっちゃ嫌な予感というか。結崎を連れて来た時点でそんなことは少し思っていたのだが……やはりか。俺は結崎とともに家の方へ行ってみると――。
――トントントン。
――グツグツ。
台所はいろいろな音がして、賑やかだった
「……頑張ってるな……ばあちゃん」
「う。うん。大丈夫って言ったんだけど。晩御飯食べていってほしい。って」
「……まあ、うん。とりあえずご飯食べたら送るよ」
「帰るのは1人で大丈夫だよ?」
「いやいや。多分暗くなると思うし。送るよ。帰りになんかあってもだし。ここマジで森って思った方がいいから」
「ありがとう。でもいいのかな。またご飯ごちそうになって……」
「まあ――うん。ばあちゃんが好きでやってるから……にしても……何作ってるんだか」
台所にて忙しそうに動いているばあちゃんを見ている俺と結崎。多分話しかけてもなので……また俺の部屋へと戻って来た。
「入っていいの?」
「俺は問題ない。あー、結崎が男子の部屋は無理とかなら。じいちゃんがあちゃんの方の居間もあるけど?」
「男の子の部屋がダメとかはないんだけど。松尾君が嫌じゃないのかなーって。急に誰か来ると」
「問題ない。特に何もなし」
「へー、なら……ちょっとお邪魔します」
「ああ。あー、座布団とかないから。ベットとかに座っていいよ」
結崎が俺の部屋の入り。なんかチェックしている。そしてベッドへと腰かけた。
「なんか松尾君らしい部屋」
「どういうこと?」
「なんだろう。私この部屋落ち着くかな」
「それは――どうも?」
「そうそう。ちょっと気になっていたんだけどんさ」
「うん?」
「松尾君。最近……やっぱり澪とよく居るよね。学校で」
「—―えっ?」
急にクラスメイトの話が始まった。
「月曜日もさ。なんか体育の後一緒に居なかった?」
「うん?居たっけ……あー、体育のあと片付けを手伝ってたか」
「そうなんだ」
「うん?」
「あっ、うんん。特に意味はないんだけどね。なんかお出かけで澪と会ってから……2人よく話してる気がしてね」
「いやいや、あいさつ程度と――便利屋かと」
「便利屋?」
「まあ……片付けも手伝って。とかからだから」
「ふーん」
ちょっと口が尖がる結崎。
「あの……結崎さん?なんか怒ってます?」
「別に?ちょっと松尾君の交友関係調査?」
「なにその調査」
「にひひー」
「いやいや怖いから」
「嘘嘘。ちょっとね。気になったから。今まで、澪と松尾君が話しているのあまり見なかったから。もしかしてこの前のお出かけのことでなんか言われてるのかなー。って」
「いや、それはとくに……」
「ならいいかな」
そんな感じで結崎と話していると――。
♪♪~
「ばあちゃんかなー」
俺のスマホが机の上で鳴っている。
「呼び出し?」
「まあ、ご飯できたとかそんな感じかな」
「あっ、じゃあ見に行こうか」
ばあちゃんから着信があったため俺と結崎はじいちゃんばあちゃんの家へと移動した。
「……」
「おお。すごい」
「……ばあちゃん。何も準備してなかったんじゃなかったっけ?」
俺と結崎が居間の方に行くと。どこから出てきたんだろうか。すき焼きが準備されていた。すき焼きである。
「ほらほら結崎さん座って座って。じいさんはどこ行ったのかね」
「——外に居た」
一応返事をする俺だが――驚き中である。
「守や。ちょっと呼んできておくれ」
「……はいよ」
この家食料はどこかに隠してあるな。すき焼きの材料が急遽でもあるんだから。とか俺は思いつつ。じいちゃんを呼びに行った。
「……うわぁ――これ美味しい」
「そうかい?たくさんお食べ」
「あ、はい」
「……」
「どうしたの松尾君?」
「いや、結崎が居るとご飯が豪華になるなーと」
これ結崎が来るたびにレベルアップというか。豪華になっていく気がする。そんなことを思っていると。
「守もほらお食べお食べ」
肉が追加された。そしてしばらく食事は続き。
「お腹一杯。もう駄目だ……」
「フルーツもどこかにあったかね」
「凄いね。松尾君ところ。何でも出てくるね」
「いや、俺も何が隠されているかは把握できてないかと」
「そうなんだ」
「台所とか見ないからなー。冷蔵庫は開けるけど」
俺と結崎は、動けん。満腹とか言うやつだ。ばあちゃんどんだけ作ったんだよ。ってレベルである。
さすがに食べてすぐは、結崎も動けない感じだったため。俺の部屋へとまたやって来た。移動してきた理由。それは先ほど居間に居る時に。
「満腹になると。寝ころびたくなるよね」
「わかる。って別に寝ころんでいてもいいぞ?」
「さすがに……それは出来ないかなー。おばあちゃんたち居るから。松尾君の部屋ならしちゃうかもだけど」
「別に少しくらいはいいけど?」
「いいの?」
「まあ、苦しいだろ?」
「……ちょっと。うん。結構食べたから」
と、言う会話があり。俺の部屋へと移動してきたのだった。
「ベットに……寝ころんじゃっていいの?」
「むしろ結崎が気にしないならどうぞ」
「あー、なるほど。そうやってベッドに私のニオイを――」
結崎がなんかニヤニヤとこちらを見ていたので。
「そんなことはございません。消臭スプレーとかちゃんとありますから」
俺は部屋に置いてある消臭スプレーを手に取る。
「それはそれでなんか傷つくな―」
「まあ、気にしないのは本当だから」
「じゃ、ちょっとだけ……あー、食べたー」
そう言いながら結崎は多分遠慮をしたのだろう。ベッドの隅っこに寝転がった。って。クラスメイト。室長様が自分の部屋でくつろいでいるこの状況。何というか。誰かに知られるといろいろ大変そうである。
「松尾君の使ってるベッド気持ちいいね」
「これじいちゃんがなんか準備してくれたんだよな。メーカーとか知らないが。とにかく。寝やすい」
「だよね?私のところと全然違うんだけど」
そう言いながら結崎は気持ちよさを体感する為か。ベッド中央へと転がっていく。どうやら遠慮は終わったらしい。もう全面使ってやる。という感じで寝ころんでいる。
「あの……結崎」
「うん?」
「……制服ということをお忘れなく」
「大丈夫大丈夫。松尾君が思っているようなサービスシーンはないからね。対策バッチリだから」
既に短パンが見えてたから知っているが。でも、結構太ももまでとか見えちゃってたから一応言ったのだが……って俺が見なきゃいいのか。
俺は床に座りスマホをいじることにした。
「あー、寝ちゃいそう」
「起きないとかやめてくれよ?」
「うん。大丈夫大丈夫」
そんなやりとりをしつつしばしの休憩。結崎はスマホをポチポチとホントくつろいでらっしゃった。しばらくして――。
「……そろそろ帰るか?」
「だね。ホントこのままだと動けなくなるから」
「そんなに良かった?」
「うん。このマット最高だと思うよ?欲しいくらいだよ」
そんなことを言いながら結崎は立ちあがった。そして荷物を持ってじいちゃんばんちゃんの家の方へと向かって。
「お邪魔しました」
「あらあら、帰るのかい?」
「はい。あまり居ても松尾君の迷惑になるので」
「またいつでも来てね。あっ、お菓子ありがとうね」
「いえいえ」
じいちゃんばあちゃんに挨拶のち。俺と結崎は駅へと向かった。
「暗くなったね」
「まあ晩御飯食べてゆっくりしていたらこれくらいの時間になるか」
「ごめんね。遅くまで」
「いや、っかホント駅までで言いわけ?」
「うん。大丈夫大丈夫。遊びに行った時とかちょっと遅くなるとまあこれくらいだし」
「そして週末ぶっ倒れる」
「……」
「なにも言えないと」
「……」
「無視になったか」
「—―で、でも、最近はちょっといい感じだよ?今日もめっちゃリラックスしたからね」
「っか明日から休みじゃん」
「あっ。そうだ。連休じゃん。ならもっとゆっくりしてもよかったー」
「遅くなる前に帰りましょう。ここ物騒言ったら物騒なんだから。明かりとかないし。野生動物さんいらっしゃい状態だから」
「だね。確かに。って、あっもう電車来てる」
「じゃ、気を付けて」
「うん。またねー」
ちょうど電車が入って来たところなのか。すでに駅に電車が止まっていたため結崎はちょっと小走りで駅の中へと。俺は田園駅の改札のところで結崎を見送り。結崎が車内に入ると俺はまた暗い夜道を歩き家へと戻った。
それから少しして無事に家に着いたとちゃんと結崎は連絡をくれたのだった。
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