第12話 オリエンテーション2日目 下

 現在オリエンテーション2日目の夜。


 自由時間と言えばいいのか。完全にみんな好き放題している時間だ。1日目の夜の厳しいあの雰囲気は何だったのか。というくらいに今は自由である。ホントびっくりなくらい自由。フリーである。

 1人部屋の俺は窓から外の様子を再度見てみた。


 もうすぐ外のキャンプファイヤーは終わるみたいな雰囲気が、ちょっとだけ?感じられる。火がね少し弱くなった気がするからだ。でもまだその周りの生徒たちは楽しんでいるみたいだし。もうしばらく続くかもしれない。


 っか、遠いから定かではないが。一部先生も盛り上がっているように、こちらからは見えるのだが――明かりが火だけだからはっきりはわからないが。大丈夫かね。うちの学校。いや、俺はこのまま自分の部屋でのんびりすることを決めているので、関係ない事だが。


 ちなみに、先ほど冊子を見て知ったのだがこの建物内には自動販売機が入っているらしい。なんか1階のところに普通に自動販売機と書かれていた。使えるのかはわからないがね。

 でも食事の時間は飲み物飲み放題だが、今みたいな時間は自分で持って来ている飲み物がなくなったら終わりだからな。特に2日目とかすでに空である。なので買えるなら買いたいので。


「ちょっと見てくるか」


 と、俺がつぶやいた時だった。


 ――――トントン。


「えっ?」


 ――トントン。


 軽くだがこの部屋のドアがノックされている――?俺の部屋が?何故に?

 また先生だろうか。と思いながらも。なんか先生っぽくないな?と思いつつ。いや、先生ならすぐに声かけてきそうだからな。もしかしたら生徒の誰かだろうか?とか思いつつドアに近づく。


「はい?」


 そして返事をすると。


 俺がドア開けるより先にドアが開いた。そんなバカな。って、そんなことが今起こったのだった。

 普通部屋の中に居る人が先にドア開けないかな?もちろん突然ドアが開いたのでその先の未来と言えば。


 ――ガン!


「痛っー!」


 激突である。俺いきなり開いたドアと激突。


「あっ――!ご、ごめん。松尾君。だ、大丈夫?って、やばっ」


 ガチャ。


 急にドアが開くとか思ってないから。見事に俺はおでこにドアの攻撃を受けた。地味に痛いというか。良い音がした気がする。って、痛い。


 そして、勝手に俺が使っている部屋のドアを開けた生徒は――何故か慌ててドアを閉めており。これは不法侵入とかになるのかな?俺まだOK。とか言ってないんだが。って、急にドアを開けてきて、俺のおでこに攻撃をしてきた生徒はこの部屋に入りこんでいる。やっぱり不法侵入?

 ドアを閉め。少し外の様子を気にしている感じ?の時間が少しあってから不法侵入者はこちらを見た。


「……」

「—―あっ、大丈夫?血とか出てない?結構いい音したよね?」


 不法侵入者?は再度俺の心配をしてくれたのだが。何が起こっているのか。


「えっと――痛いんだが。とりあえず今の状況説明が欲しいかと」


 ここ俺の部屋。だよな?いつの間にか女子の階に俺が間違って入ったとかないよな?それだったら俺は早急に出て行かないとだからな。でもその可能性は0らしい。


 そうそう俺の目の前。俺の部屋に入って来たのは結崎である。


「—―何してるわけ?結崎は」

「ちょっと、松尾君に――助けてほしいなって。その前におでことか頭大丈夫?ホント結構いい音しちゃったけど……」


 心配そうに結崎が俺のおでこあたりを見てくる。


「多分大丈夫。って、ホント何しに来たわけ?」


 俺の目の前に居る結崎は風呂上りらしく。ちょっとあたたかな空気をまとっている気がする。そしてみんなも着ているが学校指定のジャージを着ている。って、俺も着ているか。

 って、それはいい。なんで俺の部屋に。一応男子の階に結崎が居るかだ。こんなの誰かに見られたらかなりヤバイのでは?


「あの……そのね」


 すると結崎がもじもじと話しだした。


「うん?」

「ちょっとだけ休ませて?」

「—―はい?」


 これは――、うちのクラスの室長様は頭でも打ったのだろうか。風呂場で滑って頭をぶつけた?休ませて?それもなんで俺の使っている部屋で?わからん。


「いやいや、休むなら自分の部屋で。ここは男子の階。って、結崎?まさかだが……うん。一応ちょくちょく耳にした情報があるから聞くけど。また体調不良とかじゃないよな?」


 俺が一応、一応聞いてみると――結崎が図星。という表情になり。


「……どこかから情報漏れてた?で、でも……前よりはまだマシ……かな?」

「……」


 あー、少し前にあった。自主規制の現場が頭の中に蘇って来た。あっこれは駄目だ。とっとと違うことを考えよう。いやマジで。思い出すとな。女の子に馬乗り?だっけ。そう馬乗りされた。そっちならまだいいか。って、無理。自主規制。自主規制。祭りがね。なかなか精神的なダメージと言うか。俺頑張ってるんだぞ?あれなかなかな現場だったからな?って……待て待て。今なんて言った?


「前よりはマシ。って、やばいのか?」


 ここで俺はちゃんと目の前に居る結崎を確認。結崎は、風呂上がりだからか。その何と言うかメイク?化粧で朝のように隠せてない。よく見るとめっちゃ疲れている感じに見えるのだが。えっ?寝不足?それとも、また自主規制間近?えっ、誰かヘルプ。こんなところで自主規制とか起こったら――もうなんというか。その後のことを考えたくない。超目立つというか。大騒ぎに――。


「……松尾君見たらちょっと落ち着いた」


 すると結崎がそんなことをつぶやいた。


「——えっと、俺って、精神安定剤?って安定剤はおかしいかでも何かパワー出てるわけ?」

「なんかね。松尾君と居る時は落ち着くんだよ。今この部屋に来るまではやばかったけど。落ち着いてきた」

「……わからないが。とりあえず……ぶちまけられてもだから……横になる?」

「ちょっとだけいいかな?」


 俺はベッドの方を指差す。すると結崎も横になりたいのかすぐに移動していた。


「普通に寝るか。って、でも……バレたら――」

「そこは上手に隠して」

「—―マジか」


 とか俺が言っていると結崎はベッドに入っていき。本当にそのまま横になった。


「……失礼しまーす。おやすみなさい」


 ちゃんと挨拶付きで。えー。これどうしたらいいんだろうか。本当に寝た?


 ちょっと結崎に声をかけようにも。チラッと横になった結崎を覗いてみたら。びっくりなことに結崎もう寝ていた。

 さらにえー。だよ。寝るまで何秒だよ。秒殺で寝れるくらい体調が悪いのか?または単なる遊び過ぎの寝不足なのかは知らないが。今では確認できない。


「……それにしてもなんで俺の部屋に来たんだよ」


 ちなみに先ほど結崎が慌ててドアを閉めた理由はわかっている。今ドアの向こう。廊下で数人の声が聞こえているからだろう。女子がね。それも室長様が男子の部屋に転がり込んでいるとかな。バレたらダメだわな。

 ちょっと現状外の様子で気になるのは普通に女子たちの笑い声が聞こえる気がするんだが。それはいいか。今は自由時間だし。っか、体調悪いなら先生に言って休ませてもらうのでよかったのでは?とか俺が思いつつ再度結崎を見ると。ホントに寝ている。


「——無防備というか。めっちゃいい顔して寝てるな。このベッドそんなに寝心地いいか?って女子の部屋のも同じじゃないのか?」


 1人でつぶやく俺。っか、落ち着かないじゃん。なんで同級生の女子がこんな時に俺の部屋来てそれも秒殺で寝るとか。わけわからん。そりゃ自主規制にならなかっただけマシだけど。


「……ってど、マジでうすればいいんだよ」


 そんなことを再度つぶやいたときだった。俺は先ほど思っていたことを思い出した。自販機の事だな。それともう1つ。昨日の晩御飯の時からか。食堂のおばちゃんがなんか言っていたよな。とかいうことを思い出していた。


「食欲がない生徒ね――」


 結崎はこの前、俺に自主規制ぶちまけているから。なんか遊び過ぎですぐに体調崩すタイプなのか?とか。いろいろ思い浮かんだのだが――。


 入学してからの結崎を見ていると――別に今まで通り。いや、入学前の結崎を知らないんだがさ。多分今までも派手なキャラで過ごしてきたんだろうとか。思うのだが……違うのか?もしかして、実は超地味キャラだったとかいうのは、無いか。想像ができないからな。クラスの中心でほぼ初日からハキハキしていた生徒なんだから。多分あの時の駅での出来事と今は同じで、単に遊び疲れて体調不良。そして周りに心配かけたくないから1回目の自主規制を知っている俺のところに転がり込んできた。俺なら目立たないキャラだから――そうそう蓮花寺さんが俺を知らなかったように、俺の認知度はクラスでもかなり低いからな。何とでもなりそうというか。そりゃ図書室利用してくれる人なら俺の事知ってそうだが。今のところクラスの人は居ないからな。あそこ超平和空間だから。


 って、俺は何を突っ立ってこんなことを考えているのだろうか。

 なんか居心地が急に悪くなったというか落ち着かないな。なんで結崎はそんな中普通にベッドで休んでいるのだろうか。


 ちなみに消灯時間まではまだまだ時間がある。今の雰囲気からして今日は相当長い夜になる部屋もあるだろうし。今もなのだが、周りがざわざわしているのは聞こえてきている。そして外を見ると――やはりまだキャンプファイヤーはしているらしく。なんか火の回りで相撲?なのかわからないけどバトル?している生徒がいて。それを周りの人が見ている謎な光景が見えた。何してるんだか。火はもうすぐ消えそうですよ?


 って、外の事より今。ある意味部屋をちゃんと2人で使っているが。相手が女子である。それもクラスの室長様。どうしたらいいんだよ。全くくつろげないのだが。


「——よし。ここは部屋を出よう」


 俺はそう思い。貴重品だけ持って部屋をそっと出た。


 いや、やっぱり部屋に俺が居る状況で、もし、もしも先生とかがまた様子を見に来たら――説明が無理。なら俺が部屋に居なければ、もし先生が来ても電気を消しておけば留守。どこかの部屋に行っているやら思ってくれるかもしれない。最悪—―バレても結崎は上手い事話すのではないだろうかと。思っている。

 ちょっと寝ぼけてて違う部屋入っちゃいました。とか――それはちょっと厳しいかな?でも、俺が居ない方がまだいい気がしたので俺は現在廊下を歩いている。


「……」


 先ほどから何人かの生徒にすれ違ったが。俺は心配のし過ぎなのかもしれない。やっぱり普通に女子が男子の階歩いていた。そしてドアが開いている部屋は部屋の中の様子がわかったのだが。男女で普通に盛り上がっていた。先生らの姿は――今のところなし。


 ちなみに、本当は一直線に先ほど見つけた自動販売機のところにでも行こうと思っていたのだが。行って帰って来るのでは、あっという間なので遠回りをして。なんというか館内探検かな?ということで俺はゆっくりと館内を歩いていた。


 そしたらだ。なんか先生ら見ないな。と思っていたら。食堂のところで先生たちは先生たちで盛り上がっていた。

 ……うちの学校。やっぱりフリーだわ。とっても自由であった。多分先生の見回りは当分ないとみた。


 俺は先生に見つからないようにその場はささっと通過して、自動販売機にやって来た。


「——おお、マジか結構種類ある」


 自動販売機は飲み物だけかと思っていたら。普通に軽食?でいいのかな。ちょっとした栄養補給とかできそうなお菓子?も売っていた。あと今は売り切れになっていたがカップ麺まで売っていた。ここになぜこんなものが売っているかわからないが。あっ、あれか。この施設の人は近くにコンビニとかなさそうだから、多分。緊急用みたいなので一応自販機があるのか?と勝手に俺は解釈しておいた。


 ちなみに飲み物とかは普通に買えるみたいだったので、俺はせっかく来たからということでスポーツドリンクを購入。あとは目についたということで栄養補助食品?とか書かれていた。お菓子?棒状のクッキー?なんか初めて見たからわからないが試しに買ってみた。夜に小腹が空いたら食べれそうだし。ちょっと値段は高い気がしたが……場所が場所だし仕方ない。


 ——えっ?部屋で爆睡している子のために買ったんだろって?そんなことないない。ないからな?ただちょっともしもの時のために買ったんだよ。そう、自分のために。自分用だ。

 もしかしたら別の用途も生まれるかもしれないが。今これを買った時は俺自身用に購入した。以上だ。


「よし。そろそろ戻るか」


 俺は再度ゆっくり部屋へと戻った。ちなみに俺と同じことを考えた生徒もいたらしく。玄関付近やらで人にすれ違ったり。1階にあるロビー?ちょっと広いスペースのところで数人話している人もいた。部屋に居ると居心地が悪いとかあるよな。わかる。そしてちょうどキャンプファイヤー組。外に居た人たちが戻って来たのかざわざわした声が聞こえてきていたので、俺は集団にぶつかる前に自分の部屋へと戻った。


 そして自分の部屋の前。ないと思うが。先生が居て結崎が取り調べを受けているとかいう場面はみたくないな……とか思いながらドアをゆっくりと開ける。


 ――ガチャ。


 真っ暗。室内はちゃんと俺が出た時のままだった。できれば電気をつけてベッドを確認し。結崎が居なかったら『なんだ俺の気のせいか』みたいなことになるかと思ったのだが。


 カチッ。

 

 電気のスイッチを押し。部屋が明るくなると。


「……まあ居るわな」


 まだ結崎はベッドで大変気持ちよさそうに寝ていた。ホント爆睡だな。


 時間を確認するとまだ消灯時間。消灯予定時間まではかなり時間がある。ちなみに隣ではどんちゃん騒ぎでもしているのか。ドンドン音が響いてくる。って、上か?でも、そんな中でも結崎は夢の中。どんだけ眠かったんだよ。

 って、自主規制の方のヤバさは……無いんだよな?起きたらいきなり自主規制とか無いよな?俺はそっちの方が心配だわ。ゴミ箱でも置いておくかとか結構真剣に考えるぞ?ちなみにゴミ箱は部屋の隅にあったのでちょっとこちらへと持って来ておいた。俺準備が良い。


 とまあいろいろと俺のは心配事があったが。今の状況をどうにかできる気がしない為。窓際に腰かけてしばらくスマホでもいじることにした。


 それから1時間、2時間経過—―まだ周りは騒がしいが。『これどうしようなー』だった。さすがに消灯予定時間が近づいてきたからだ。


 けれど俺はいつどのタイミングで結崎を起こしたらいいのかが全くわからず。ちょっと今焦ったりしていた。いやこのままだと普通に消灯時間に――っか勝手な勘では、消灯時間になっても今のざわざわはしばらく続くんじゃないだろうか。とか思ったりもしているのだが。どうだか。


 俺は再度ベッドで寝ている結崎を見つつ考える。

 すると、俺が結崎を再度見た時に結崎の身体がピクリと動いた。いやいや俺身体とか触ってないからな?変な事してないからな?


「—―う……うーん……」

「—―えっ?」


 まさかの起きた?っていうか俺が結崎の前に立ちちょっと影?を作ってしまったからそれで起きてしまったのだろうか?


「……あれ?今何時?」


 結崎はそう言いながらむくりと起き上がり。目を擦っている。短時間だが寝たからだろうか。俺の部屋に入って来た時の結崎よりちょっと顔色が良くなった気が――する。多分な。

 あと、一瞬だが。寝ぼけた感じの結崎の雰囲気がかわいいと思いました。はい。


「……22時30分すぎ」

「えっ?私もしかして……ここにきてすぐ爆睡?」

「イエス」


 俺は適度な距離を保って返事をする。


「—―何もしてないよね?」


 するとなんかベッド上で、結崎がちょっとだけ俺から離れた気がするのだが。結崎よそっちは壁。それ以上下がれないぞ。


「人のところに転がり込んできて爆睡し――」


  とりあえず俺が話し出すと――。


「ごめんごめん。松尾君のことは知ってるから。ちょっと言っちゃっただけだから」


 どうやら今のは冗談だったらしくすぐに結崎が誤って来た。冗談を言えるほどには回復したらしい。


「……ところで体調は?」

「あっ……あれ?軽くなった?」


 そう言いながら結崎は身体を軽く動かしていた。


「……回復早いな」

「いやいや、ホント。あれ?だるさがなくなったよ」


 そりゃ本人が言うから本当なのだろう。自主規制よりはるかに良いことだ。


「まあ、いろいろ聞きたいけど。俺のお願いは1つ。とりあえず消灯時間になるまでにお帰りになっていただけますと――だな」

「……だよね。やばいよね?」


 そう言いながら結崎はスマホで時間を確認しつつつぶやいた。


「今気がついた?」

「いや、ホント辛くて。どっかで休みたかったら――」

「はいはい、説明は後日聞くから。いや――聞かないかもだが。今はバレずに戻ることを考えてください。マジで」

「う、うん。了解です」


 俺が言うと結崎はベッドから起きてきた。確かに元気になったというか。ちょっと変わった気はする。気のせいかもしれないが。でも足取りがしっかりした気がする。


「あ、あと、これ」

「えっ?」


 そして結崎が起き上がった時に俺は先ほど買った飲み物とかを結崎に渡した。えっ?やっぱりそうじゃにかって?気にするな。


「えっと……これは?」


 不思議そうな顔をしている結崎。そりゃそうだよな。いきなり何渡してくるの?こいつ。って場面か。


「ま、まあちょっとは理由になるんじゃないか?これこの建物内で買ったやつだっから。ちょっと用事があって見に行ってしばらく1階のロビーいたとか言い訳にはなるだろ?まあ……無意味かもだけど」

「……いいの?」


 俺が適当に理由を言うと――結崎はそれで納得したのかまたは使えると思ったのか。手を伸ばしつつつぶやいた。


「まあ、なんか。食欲なかったみたいだから。いらないかと思ったけど……腹減るとつらいだろ?」

「……ありがと」


 そう言いながら結崎は俺から荷物を受け取った。


「ということで、帰れ」

「なんかキツイ言い方するー」


 俺がシッシッ。と手ですると。結崎がちょっとだけ拗ねたような表情をした。


「いやいや、マジでバレたらどうしようだったんだからな?」

「それはごめんごめん」

「とりあえず外覗いてみるから」

「うん」


 ということで、俺はそっと廊下チェック――おお奇跡だ。各部屋から声は聞こえているが今は廊下には誰もいない。


「結崎今。誰もいない」


 俺は小声ですぐに結崎に声をかける。


「ホント?ありがとう。とっても助かった。またお礼するから」


 結崎はそう言うと、ささっと俺の部屋から出て行った。そして階段のところで一度こちらを振り向き手を振って消えていった。


 ——何だったんだろうな。でもバレなかったから良しか。


 ◆


 嵐が過ぎた。というのは変かもしれないが。とりあえず何かは起こったが。大きなトラブルになることはなく。それは終わっていった。


 俺は1人になり。周りがうるさい中も。ベッドに横になる。なんか人のぬくもりのあるベッドだった。って――めっちゃいい香りに変わってりるんだが。


 ――ダメじゃん。気にしたら寝れないじゃん。


 変に意識してしまったからか。俺は再度起き上がり。窓際に腰かけてぼーっとしていたのだった。


 ホント、なにが起こっていたのだろうか。と考えつつ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る