第2話 キャラメイキング

 タイトルPVが流れる。

 何度も配信サイトで見たが、少しずつ新しくなっているな。

 ドラゴンも種類が増えてるし、魚人や羽の生えた人も追加されてる。


 早くプレイしたいが、グッと堪えてPVが終わるのを待つ。


 迫力ある映像が終わると、浮遊感と共に辺りが暗くなった。




 真っ暗な空間に浮かんでいると、目の前に光の玉が現れる。

 光が点滅すると、音声ナビが始まった。


【ようこそ『Neo Earth Terraforming』へ。このゲーム説明を確認しますか?】


 YES or NO

 もちろん。YESだ!


【『Neo Earth Terraforming』は、通常のゲームと異なり、特殊な機体を遠隔操作します。その為、ご利用出来るキャラクターは、1人につき1体までです。さらに、ゲームの死亡時は、最寄りのセーフティポイントへ移動するために時間を要します。種族ごとに出発ポイントが異なりますので、キャラクターをデリート変更する際も、移動に相応の時間を要します。】


 本物の機体を動かすための時間が必要だという説明だな。


【キャラクター種族は吟味して選択するようオススメします。こちらの端末で操作してください。】


 目の前に電光ボードが表示されて、奥に様々なキャラクターが現れる。


「おぉ!思ったより色々いるな!」


 定番のエルフ、人族、ドワーフ、それにPVの魚人がいるな。

 羽の人はいないけど、リザードマンや獣人もいる。

 試しに獣人を選択すると、猫や犬だけでなく動物園並に種類が多い。

 もしかしたら、それぞれの種族に細かい選択があるのかもしれないな。

 色々見てみたいけど、今回選択するものは決めてある。


「魚人も捨てがたいが、前から決めてたんだ。ドワーフだ!」


 ポチっと!



 ALART caution 

 ALART caution 

 ALART caution 


「うわ!なんだ!?」


【エルフ。ドワーフ選択のみなさまに注意。この種族を選択する場合は、実際の年齢を考慮してご使用ください。】


 そのナビの後に看板が出てきた。


 ”天人族おすすめ年齢  100歳以上”

 ”エルフおすすめ年齢   80歳以上”

 ”ドワーフおすすめ年齢  60歳以上”


「ぶっ!これは無理だろ!」


 天人族って羽のやつか?

 俺の選択には出てこなかったけど、シークレットキャラかな?

 それよりも、年齢制限か…。

 今は29歳だけど、2ヶ月後に30歳。


 何か無いかと探ってみると、ドワーフの説明書きの最後に、ハーフの表記がある。

 ハーフを選択すると年齢制限が半減された。


「それならハーフドワーフだ!よし。選択できた。」


 性別の選択は無いな。

 スキャンの時に判別してるんだろう。

 見た目は、勝手に若干弄ってくれている。


「顔は思ったより若めだな?髭も、無精までしか出来ないのか。それなら、少し長めで整えて。左肩に釣り針、右肩に釣竿のタトゥーっと。髪は後ろで結ぶか。」

 少し侍っぽくなったけど、見た目はこれで良いか。



 次がスキル選択だな。


 ここで再びナビか。


【このゲームはスキル制を主体としています。初期枠は6枠ですが、ゲームの進行と共に増加可能です。初期枠が残っている場合は、ゲーム開始後に選択可能です。また、クエスト限定のスキルやユニークスキルは、初期選択スキルに含まれません。】


 事前情報通りスキル制だったけど、主体って何らかの要素があるのかな?

 それと、覚えたスキルが枠に入らない時は控えになる。戦闘時以外に付け替えが出来るシステムになっている。


「よし。スキル選びだ。んー?」


 5枠しかない!?


「え?枠足りないよ!?」


 すかさずナビを見ると、吹き出しが出た。


【ハーフドワーフ種。30歳未満の為、現在は5枠まで使用可能です。30歳を超えた段階で、6枠目が開放されます。】


 あと2ヶ月は1枠少ないのか…。

 まぁ、それ位なら良いか。

 よし、続きだ。


 スキル欄を見ると、最後に『注意:ハッキング、チート行為発見時は接続権の損失。』とあるな。

 世界規模のゲームだからか、不正行為には厳しいな。

 だけど、そんな高等技術持ってないから関係無いな!


 ところどころプラスとマイナス表記が入ってるな。

 ナビさんヘルプ!


【種族ごとに、得意不得意の分野があります。それぞれのスキル効力に強化と弱体効果が付与されます。】


 なるほど、だとするとハーフドワーフは、植物関係とテイム系にマイナスか。

 ん?でも(半減)がついてるな。

 ハーフだとマイナスが半減し、プラスも半減するようだ。

 プラスを主軸に組み合わせるとしよう。





 俺が選択したのはこれだ。

『採掘+』『釣り』『糸術』『鍛冶+』『精霊言語』

 最後の精霊語は、本が読めるかと思って入れてみた。共通語とかあるかと思ったけど、選べたのは精霊言語だけだったよ。

 完了っと。


【種族言語が選択されています。追加で『機械言語』が付与されました。『機械言語』が控え欄に送られます。】


 もしかして、元々精霊語はもらえる予定だったのか?

 だけど機械言語なんてあったかな?

 まぁ、貰っておいて損は無いだろう。


【プレイヤーネームを入力してください。】



「ペットの名前から貰って使ってたけど、使い慣れて他のだと違和感があるからな。ネテラでも『ハッチ』だ!」



【チュートリアルを開始しますか?】


 YES or NO


「YES!」

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