第50話
「子が出来たのかい」
女の声が聞こえる。
「ハラメとやると目が潰れるって言うからねぇ」
別の声が言う。
「仕方が無いね。ヘンルーダがまだ有ったろう」
他の声が言う。
「孕んだのかい」
若い声が聞こえる。
「不安だったね。もう大丈夫だ」
別の声が言う。
「酸漿の根を持っておいで」
他の声が言う。
「身篭ったんじゃないのかい?」
男の声が聞こえる。
「そういう趣味の御仁が居てね、丁度良かった」
別の声が言う。
「おい、一番長い編み棒を持って来い」
他の声が言う。
「腹が目立ってきたねぇ」
老婆の声が聞こえる。
「仕方無いだろう。みんなしている事だ」
別の声が言う。
「鉛粒の用意を頼むよ」
他の声が言う。
「なんだって黙っていたんだい」
中年の声が聞こえる。
「一人で抱え込んでいたって仕方ないだろ」
別の声が言う。
「玉葱を煮立たせた鍋を持ってきておくれ」
他の声が言う。
「産むまで客を取って貰うよ」
老爺の声が聞こえる。
「産まれる所を是非見たいという御大尽がいてね」
別の声が聞こえる。
「何、用が済んだら、いつも通り裏の用水路に」
他の声が言う。
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