第27話
「よっし、ヤギリン一寸おいで」
早速名前間違えて居ますが。
片手でひょいと掴まれ、眼鏡ニイサンへ渡される。
眼鏡ニイサンが受け取るも、お互いそのまま手を離さずに向かい合う。
見方に寄っては取りあって居る様にも押し付け合って居る様にも見える。
「兄さん。メイベルは悪霊人形で、動くし、喋る。自分であの人形部屋から出て来た位には動く」
「ええ? またそんな……」
「兄さん。メイベルは動くし、喋る。喋るし、動く」
「えー……本当に……?」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「メイベルは……」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「メイベルは……動く……喋る……」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「メイベルは動く……メイベルは喋る……」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「メイベルは動く、メイベルは喋る……」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
突然。
本当に突然、固められて居た身体が解き放たれた様な感覚に襲われた。
窮屈な小さな箱から出された様な、大きな空に放り出された様な、妙な感覚に。
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
腕が、指が、動かせる。
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
足も、頭も、動かせる。
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
これはどうやら、もしや。
「メイベルは動く。メイベルは喋る」
「遅ればせながら、はじめまして。と申し上げれば宜しいのでしょうか」
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