第26話
「ララベル、アスベル、カウベル……」
意外としつこいですね。
「アベル、イベル、ウベル、エベル、オベル……」
ベルは確定なんですか。
「ねぇ、人形が居ないんだけど知らないかい?」
眼鏡ニイサンが扉を開けて入って来た。
ええ、少し前から解ってましたよ。こう、動けなくなる前兆みたいなのが解るように成りましたとも。
「知らないよ。今、こいつの名前考えてるんだから邪魔しないでよ」
「知らなく無いじゃないか。もう、勝手に持ち出して。名前付けるの?」
「無いと不便でしょう? カベル、キベル、クベル、ケベル……」
「ベル固定なの? 一緒に考えるよ」
良く言った! 眼鏡ニイサン、良く言った!!
別の名前にする流れを作るなら此処でしょう!
眼鏡ニイサン! お願いします!!
「見た目から、そうだなぁ……。八木さんとかどう?」
帰れ!!!!!!
「八木カウベルか。悪くないな」
悪いわ!!!
なんだこのセンスの無さは、なんなのだ。
ヤギの目だからヤギさんとか。それに何故ベルに拘る。そこにどんな拘りが有ると云うのか。
口を挟めないのが口惜しい。
「八木沢さんとか八木沼さんとかちょっと捻っても良いよね」
捻ってるのか!? 捻ってるのかそれは!?
「じゃあ、カウベル……牛鈴……すず?」
「八木沢すず、八木沼すず、うーん、ちょっと違うかなぁ……」
「……やぎりん……やぎすず……やぎべる……ヤギベル?」
ヤギと鈴は確定なのですか……。
「ヤギでメイちゃんとか」
「メイベル」
「メイベル良いじゃない」
「うん。よし。メイベルだ」
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