第13話
「君も酷い目にあったねぇ」
警察に二匹を引き渡した後、爽やかに言いながら塵芥挟み使用で摘まみ上げられる。
ストーカー規制法と住居侵入と器物破損と窃盗未遂で云々話をしている時の放置されたままの自分を、警察すら回収しなかったのは「それ、触ると呪われますんで」と爽やかに言い放った青年の言葉のせいで或る事は間違い無いだろう。
まぁ、此の外見に此の鼻血塗装では警察へ仕事しろと言い辛いのは確かでは有るが、汚い物を見る様な視線に少しだけ傷付いたではないか。
こちとら可愛いお人形さんなのだぞ。
「おや、だんまりかな? さっきは可愛らしい声を上げていたじゃあないか」
片足を塵芥挟みで摘まんだままゆさゆさ揺らして来る。
死んだ振りも此処までなのか。
「……あんな怖い目に会ったのは初めてですが故、致仕方が無いかと存じ上げますが」
酷い目と云えば、青年にされた事の方が余程酷いと思う所存。
「あの人達ねぇ、怖いよねぇ。まだ、取って無いんだって」
何をですか!? 何をですか!? その怖いの基準は何なのですか!?
話しながら建物入ってすぐの扉を開け、放り込まれた。
白い陶器で出来た空間に嵌り込む。
真上に位置した蛇口が捻られ、勢い良く水が噴き出して来た。
火責めの後は水責めですかそうですか鼻と口が機能していなくて本当に良かったです。
生き物なら死んでますがこの扱い。
「これでいっか」
青年がデッキブラシを構える。
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