第10話
さて。
暗闇の中、ぼんやりと思う。
此処は何処だろう?
巫山戯た話では有るが、死んだ振りをしていたら寝ていたか気絶していたか似た様な状態で居たらしく、詰まる所、意識をログアウトし先程ログインしたと言えば正しいのか。
詰まる所と言いつつも詰らない話である事此の上至極も無い。
何が哀しくて、生を享け-享けているのか如何かは意見の分かれる所存-辛く悲しい事ばかりなのか。
居るとは何なのか。
消滅とは死で或るのか。
救いは何処に在ると云うのか。
講じても詮無い事と断じてしまうのは如何な物か。
或いは自我とは、精神世界とは、脳内宇宙とは。
ごそり。と腕を動かしてみれば、何やら堅いモノに触れた。
ああ、この感じ。この感じ。ああそうだ。
釘 バ ッ ト だ 。
視線を巡らせれば、微かな光がギザギザの隙間から入り込んで来ていた。
どうも、チャックらしい。ジッパーと云うのか? ファスナーか?
まぁ恐らくそんな類の……
…あ…、バッグに入れられてるのか。
釘バットと一緒に、無造作に。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます