第2話
淀んだ空気、蠢く不快害虫、地底の奥底から湧き出るような沁み込んでくるような悲哀、悪意、怒気。
それが、何を切欠にしたものか、突如変化した。ように思えた。
たかが一介の人形の想いなぞ知る由も無い何様かが、どこかに、近くに、その存在感で空気を埋め尽くすかの様に降臨なされたかと。
そんな感じがしたのだ。
ただ、ワタクシ、ただの人形であります故、自力にてその様子も確認できず、暗い工場の片隅で昏い闇に沈みそうになっております故、何方か此方か是が非でも連れ出して頂けないでしょうか。
一瞬、全ての存在理由を奪って行ったかのようなその気配は、瞬く間に夜気に掻き消え、怨念としか言いようの無い人形達の昏い昏い感情が練成された何かが、自分を蝕んでいく、そんな事が許されて良いのでしょうかと、返答も解答も無い脳内だけの‐否、人形なので脳も無かった‐そんな寝言をただただ垂れ流した。
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