花酔い

 桜はらはら風に轟く。

 風に舞い、刹那重なる二片ふたひらの花弁。


 雨の放つ綺麗な音。

 頬と唇に桜を乗せる。

 

 花に酔う、春の宵。

 うっとりと、夕闇と月にまみれる。

 風が結ぶ、春の恋はやはり本能。


 今宵ひたりと重なれば、やがてひとつの花弁となる。


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