プロローグ-2
スッと手元の本に目を戻し読書を再開する。
なんだ人違いかと。
バァンッ‼
ッ!?
びっくりした……
急に大きな音を立てられ、少しイラっとしながら目の前で痛そうに手を振る少女を見やる。
「イタタ~」
「……図書室では静かに。そう教わったことはないのか?あぁん?」
ちょっと不良っぽくなってしまったがイラっとしてしまったし仕方ないだろう。うん、そうしておこう。
「ヒッ!?怖いです。でも声もイケボ……」
「……は?って、はぁ……」
急に顔を赤く染めた少女に軽く引くもとあることに気づいてしまいため息を溢す。
「俺に話があるのは分かったから、とりあえず行くぞ」
「え?あ、ちょっと!」
そういって彼女を図書室から連れ出す。
行く先は保健室だ。ちらっと見えただけだが、机を叩いたであろう彼女の手は相当真っ赤になっていた。
ガラガラ
「失礼します」
「し、しつれいしまー……す」
あいにく保険医はいなかったので勝手に保冷剤を拝借することにした。
「な、何を……?」
「ほら早く座って手を出せ、ったくどんだけ強い力で机叩いたらそんな真っ赤になるんだよ」
「あ、ありがとうございま……ってちがーう!!」
しおらしく椅子に座っていた彼女は急にガバっと立ち上がり叫んだ。
「そもそもあなたがシカトしたのが原因じゃないですか!!」
ふむ……
「シカト?何のことだ?」
先ほどの告白のことだろうが、とりあえずすっとぼけることにする
「……(ぷるぷる)」
あ、まずい
「人の一世一代の告白を適当に扱うとは何事ですかあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
キーーーーーーーーーーーン
耳が遠くなった感じがする……
どうやらボクは洗濯を間違えたらしい
校舎には未だ彼女の絶叫がやまびこしていた
「何事ですかあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
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