真実

ある日の昼下がり

シルビアは庭に咲いていたマリーゴールドやヒヤシンスの花を眺めていました。


「シルビア、その花が気になるのかい?」

ルイがシルビアに話しかけてきました。

するとシルビアがコクンと頷くとルイはシルビアの隣に座って静かに話始めた。

「この花はここに住むようになったとき、植えた花なんだ。この花は春に咲く花で毎年きれいな花を咲かせてるんだよ。今年もきれいに咲いたなぁ」

ルイは話をしながらどこか悲しそうな顔をして花を眺めていました。

そんなルイをシルビアは無言で見てまた花に視線を移して鑑賞を再開しました。


「よし!昼ごはんだよ!中に戻って食べよう!」

ルイは笑顔でシルビアに伝えると中に戻っていきます。

シルビアは首をかしげながら、後を追うように中に戻りました。


ご飯を食べ終えた後、ルイは用事があるからと出かけてしまった為、シルビアは1人で椅子に座りながら、考え事をしていると、いつの間にか寝てしまいました。



ルイは昼食を食べた後、ある所へ向かっていました。

「よう。よく来たな。ここへ座りな。」

カリムがルイにそう言うと、カリムの側の椅子に座りました。

「それで、シルビアの情報はわかったかい?」

ルイが聞くとカリムは難しい顔になり

「わかったけど・・・聞く勇気あるか?」

と、ルイに真剣に聞きました。

ルイも真剣な顔になり、うなづくとカリムは話し始めました。

「シルビアお嬢ちゃんな、隣町の奴隷だったんだよ。しかも奴隷先で散々な目にあってたらしくて、その影響で記憶が無くなってしまったらしい。」

ルイはそんなことだろうと予想はしていたので、驚くことなく「それで?」とカリムに続きを求めました。

「それから、奴隷としての価値も無くなってしまったシルビアを、主が捨てたもんで、行き場が無くなったシルビアはこの街まで歩いてきたってわけさ。」

カリムからの話を聞いたルイは質問しました。

「じゃあ、今は奴隷じゃないんだな?」

その言葉を聞いたカリムはニヤッと笑って

「あぁ、彼女は自由の身だ」

と言いました。

ルイはその言葉を聞いて、安心したように机に頭を乗せると一言。

「よかったぁ・・・」

とつぶやいて、カリムの方を向きました。

「ありがとう。これで心置き無くシルビアと一緒にいられるよ。」

笑顔でそう言うと、カリムは笑いながら茶化しました。

「結婚式には呼んでくれよな。挨拶考えとくからよ」

その言葉を聞いたルイは顔を赤くしながら言いました。

「カリムおじちゃんは気が早いんだよ!黙って見守ってろ!」

そんな感じで長い時間楽しく話をしたあと、解散してルイは家に帰りました。



家に帰るとシルビアが机に頭を乗せて寝ていました。

「こんな所で寝てたら風邪を引いちゃうよ」

ルイが呆れながらシルビアに声をかけました。

するとシルビアは起きて返事をしました。

「う・・・ん。おかえりなさい。」

そんなシルビアを見てルイは優しく微笑んで

「ただいま。さて、ご飯の支度するから待っててね」

と言うと、急いでご飯の支度を始めるのでした。

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