ルイの過去
次の日、2人は街でシルビアについて聞き込みをしました。
ですが、なにも手がかりがつかめないまま途方に暮れていました。
そんな2人の所に1人の男性が近寄ってきてルイに話しかけました。
「ルイ?ルイだよな?久しぶりじゃねぇか!」
ルイが声のした方を向くとそこには、お父さんの友達のカリムがいました。
「カリムおじちゃん?久しぶり。」
ルイが挨拶をすると、カリムが心配そうな顔をして
「お前ちゃんと生活できてるのか?寂しくなったらいつでも家に来て良いんだからな?」
とカリムはルイに話をしました。
ルイは「大丈夫だよ、ありがとう」と言った後、カリムにシルビアについて聞いてみました。
「そうだ、この子記憶喪失で自分の名前もわからない女の子なんだけど、身元とかわからないと本人も不安だろうから、情報を集めてるんだ。カリムおじちゃん、なんか知らない?」
するとカリムはシルビアのことを見て、目を丸くした後少し考えて答えました。
「・・・いや・・・知らないな。ルイのお願いだからこっちでも情報集めてみるよ」
カリムはそう言うと、「これから用事があるからまたな」と言って立ち去っていきました。
ルイは、カリムにお礼を言って、今日はもう遅いからと、シルビアの必要な日用品などを買って家に帰りました。
家に着いた2人は疲れてしまい、少し休憩をして、食事と入浴を済ませた後、ルイが入れたお茶を飲みながら、夜のひとときを過ごしました。
シルビアはルイのことについて知りたいと思っている反面、遠慮していることもあり聞けないでいました。
ルイはそんなシルビアの考えている事がわかったのか、自分から話し始めました。
ルイはいつも笑顔あふれる家庭で育った普通の男の子でした。
家は決して裕福では無かったものの、両親の親や友人達に支えてもらいながら生活していました。
そんなある日、家が火事になりルイだけ逃げ出すことに成功。両親は崩れてきた家の下敷きになり帰らぬ人になってしまいました。
ルイは悲しみのあまり立ち直れなくなってしまって、1人森の中へ足を運び、今住んでいるこの家で引きこもるように生活していました。
そんなある日、久々に散歩しようと外に出たら、シルビアと出会ったことを、ゆっくり話していました。
シルビアはそんなルイの話を静かに聞いていました。
そしてルイは話が終わり、シルビアをちらっと見た後、「話が長くなったね。もう寝ようか」と部屋に戻りました。
シルビアも部屋に戻った後、ルイの話してくれた事を思いだしていた。
もしかしたら、ルイを支えるためにこの場所に来たのかな?とか、この出会いは本当に偶然かな?とか思いながら考えているうちにいつの間にか眠りにつくのでした。
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