【罪の告白】

 私は、ある人物を殺しました。


 それも、今日が初めてではありません。

 ある時は恋路に邪魔なモブのような女。ある時は敵対する組織の男。ある時は世界平和のため。ある時は進行上の都合で。時には主人公になるべく生まれた人物も殺しました。

 

 その前準備として、いろいろな書物をあさりました。

 惨たらしい拷問が書かれたインターネットサイトや、モンスターに挑むファンタジーもの。胸が熱くなる王道主人公もの。頭が混乱するようなミステリーものまで。

 何百とはいかないでしょうが……残念なことに、私はすでに、誰かを殺さないと満足できなくなってしまいました。

 それはおそらく、私のひねくれた性格に根ざしたものなのでしょう。


 私は手を止め、お気に入りの小説をぱらぱらとめくり、展開を頭の中で組んでいきます。


 もうお分かりですね? 私が殺したのがどういう人物なのか。

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