第22話 私たちの未来は私たちが!
「立てジェニム・ロット。我が見ておる。」
アマト陛下。おかしいな、私はヘルムをしていないし、通信設備は破壊されて……
「ジェニム・ロット。私がついてる。」
ウーナ主席?視界に色が戻っていく……
「ジェニム・ロット!!運命はお前と共にある!!」
ケナイント元主席……この声はいったいどこから……
「今は死ぬな。お前は俺が殺す……やがてな。」
ハベヂラ支店長……。4つに分裂した焦点が統合を始める。
「任せたぞ、ジェニム・ロット。」
イレーナ将軍……。
「あジェニム・ロットォ~~~~」
誰だっけ?
「あブロエノン・ヴォドルフォス~~~」
返事すんな。
「ジェニム・ロット!!」
ゼヌオント隊長。現実?
「同志よ立て!!」
「立ちなさい!!」
陛下、ヴェルム様!!
キュイーーーーン。ジジジジ。
「なんだと!?--
……Geeeggeegelelenttts: Zezzzz nnatttttlonnnn……
シシシステム 再再再起……動……。
「くっ、ボクより強い……だと!?」
ドサ。
「何とか片付いたんだが!!」
プロアイスが最後の力を振り絞り、私のもとへかけ寄せる。
「立つんだが」
私はプロアイスの手を取る。
私は、戦う。
すべての意思と共に。
「私の筋肉より、輝いているだと!?旧式のアーマーが……?」
私と共にあれ、すべての意思。
自由よ。
「さあ、終わらせるのじゃ!!」
私の手がプロアイスの手から離れ、宙をなでる。
輝く一枚のカードが私の指に挟まっている。
「これは……
カード認識。--NAXTSIULONSH--
私の体が宙に浮いていく。
意思・歴史・運命が私に取り込まれる。
BGM:『神国連合国家』
(https://soundcloud.com/user-20273945/jhtrvw3kimx3)
「私に統合せよ。」
輝いたアーマーが最終形態へと変貌を遂げる。
「ロヅロンノイ・ウィベンド!!!!」
光が私の腕から放たれ、敵を貫く。
「ウワヴァストワーーーーーーー!!!!」
……
★★★
「わ、私は……」
ヘンテコ眼鏡が二つに割れ、地面に落ちている。
アルバスラ博士……
「私は、……『ドローティア・アルバスラ』……」
彼は名前を取り戻した。そして自らの運命……
「支配されていたのか、自らの研究に?」
「博士……」
希望だ。
「目が覚めたんだが!!」
「アイテテ。痛みを取り除く自己暗示を……」
すべてが修復していく。
「みんな、すまなかった。私が……」
博士の眼は、人間の眼は潤んでいる。
雷神のオーラはすっかりと消え、底にはただの人間が。美しい人間が膝をついている。
「エロいだが!!」
プロアイスがどこからか取ってきた布切れを渡す。
「陛下、大丈夫か?」
「お前じゃい!!」
私は前に一歩出て、彼の手を取る。
「希望が、希望が戻ったのじゃ!!」
シュッリルムスライトたちが、抱き合ってたたえ合う。
これが……統合だ。
これが、管理主義だ。
★★★
結局惑星エルナーゲリテーンはサーヴァリア軍によって占領されたものの、ハベヂラ将軍の計らいにより、私たちは全員無事に惑星ヴェオン・レギトへと引き渡された。
私は要人たちを祖国に引き戻した功績が讃えられ、表彰された。陛下が国に帰ったことで、ウーナ主席はアマト陛下と会談し、シンテーア帝国の復活を宣言。天嶺連邦は解体され、天嶺皇国とシンテーア帝国が『神国連邦』として再び統合された。
ブロエノン・ヴォドルフォスはヴァルエルク大統領に就任。神国連邦成立後、主席に就任したヅィーラ・ジェイスと手を取り『自由要塞連合』を設立した。
今やヴァルエルクと神国連邦は一つとなり、『自由』という一つの柱の元、『東』サーヴァリア拝金主義陣営、『西』グロスクロイツ共産主義陣営に抵抗する同盟として弱小ながらも銀河の第三勢力となりつつある。
私たちはこの狂った世界の運命を、正しいものへと戻さなければいけない。ここはあるべき世界ではない。私たちは戦い続ける。私たちの心を縛ることはできない。
ーーー技術統制編完結
強化兵士ジェニム・ロット イサリア @Isalia
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