第17話 絶対絶命!?思いがけぬ援軍、お前はあの時の!?
「ウーナ思想、構造的暴力破壊銃!!」
私はカードをデバイスにスキャンさせる。「
★★★
《皇居司令部》
ウーナ「ピーッピーピピー!!」
アマト「フレー、フレー、ジェニム・ロット!」
ガナン「(どん引き)」
★★★
ピュンピュンピュン!!
青い光が避けられることなく着弾する。敵の装甲に吸い込まれるように光が消えていく。
「なぜだ!?」
無機質な笑い声がトンネルを木霊する。
「ククク。構造的暴力だと?笑わせるな。我々こそが解放者だ。我々は意識を一つに、世界を統合する。人民は技術統制という体を成し、"一人"になる。そして世界から争いが消える。」
「こいつら、集合意識!?人間の尊厳を失っているんだが!?」
なるほど、こいつらはヘンテコ眼鏡を通して意識を統合しているというわけか。
「我々は個であり他である。貴様らに勝ち目はない。」
そう言うと戦闘の一体が消える。
……
私は後ろに吹き飛ばされ、地面にたたきつけられていた。気が付くと、腹に強烈な痛みが走る。
「グッ……」
戦闘スーツの効果で痛みはすぐ抑制されるが、痛かったという衝撃が脳に刻まれる。
「すぐ終わる。我らに加わることを許可しよう……」
まずい、このままでは、負ける。
すると後ろから声が反響してくる。
「
次のウェーブだ。このままでは企業連合軍と挟み撃ちにされてしまう!!
私は絶望と尋常ではない緊張感に圧倒され、気を失いかけた。
「ジェニム・ロット!!」
聞き覚えのあるような、ないような声が聞こえるような、聞こえないような気がする。走馬灯ってやつか?
「お前は俺が殺す。だが今じゃない!!」
今度の声ははっきりと聞こえたので、私は急ぎ振り返る。
拝金主義モンスター!?そこにいたのは茶色の触手をまとい、筋肉のように動かすかつての敵がいた。
「連合銀行ハベヂラ支店長!?」
「今は支店長ではない。そう、お前のせいでな。話はあとだ!!兵士たち、俺に続け!!Yelem!!」
まて、そいつらはそんなに弱くはない。企業連合軍はゲームのザコキャラのごとく吹き飛ばされる。ハベヂラはそれを躱すと精神を統一した。
「うおおおおおお、換金ソウル!!」
ハベヂラの触手がドクンドクンと唸る。
「高利子ブレイド……!!」
彼が伸ばした腕に触手が巻き付き、はみ出ていく。はみ出た部分が薄く硬直し、剣を構成する。
「拝金主義者か。管理主義者より愚かだ。」
技術統制のシュッリルムスライトが再び姿を消す。いかん……
「管理主義ナイフ!!」
「チッ!!」
見えないはずだが、プロアイスの放ったナイフを敵がよけようとする。その瞬間、敵の動きが見えた。
「フン!!」
高利子ブレイドが振り下ろされる。
「馬鹿な!?」
敵のスーツが省け、肌色が見えたかと思うと、すぐにそれが赤く染まる。スーツが傷を修復しようとするが、深く入りすぎたのか彼女は跪き、痛みにこらえる。
私も負けてはいられない。
「フン、拝金主義者の癖になかなかやるんだが。」
「戦犯プロアイス。腕は確かなようだ。」
険悪な雰囲気ではあるが、目は少し笑っている。
「立て、ジェニム・ロット!!俺は"あの時"よりも強くなっているぞ!!」
★★★
《皇居司令部》
ウーナ「ピーッピーピピー!!」
アマト「タテー、タテー、ジェニム・ロット!」
ガナン「(どん引き)」
★★★
私は足に力を入れ立ち上がる。
「おのれ、小癪な……」
シュッリルムスライト二人が倒れた一人を起こす。
周りの企業連合軍が状況を察したのか、後ろに引きさがる。ハベヂラとプロアイスが敵と対峙し、自然に三対三の構図が出来上がっている。
技術統制シュッリルムスライトが宙を手でなぞる。すると直線状に光が現れ、
「遊びはこれまでだ……」
先ほどのダメージが嘘だったかのような無機質な声。
奴は早い。私も対抗できる武器を……これだ!
「建造ラッシュブレイド!!」
自動化工場により自動化工場の機器を生産する。これにより管理主義を加速する!!
「死ね……」
シュンピョン!!敵は消え、足元に砂煙が立つ。
見える!!
ディン!
「馬鹿な!?技術統制なしに進化しているだと!?」
「人間の魂にはもとより進化が刻まれている。お前たちのように機械に魂を売り払った人間は私に勝てない!!」
再び敵が消える。右左からの猛攻に私は自然に対処できる。
「流れ変わったんだが」
隣も優勢のようだ。そろそろ片づけるか。
カードスキャン!!これはアマト陛下から頂いたカード!!
★★★
《皇居司令部》
アマト「よいぞよいぞ~~」
★★★
「全調和ブレイド!!」
急速な管理主義の発展は建設、教育、環境の調和が肝心!!一つでも損なえば急速な進化はバランスを失い、崩壊するだろう。それが今のお前たちだ!!
緑色の剣先が斬撃を発し、シュッリルムスライトのヘルメットを勝ち割る!!
「グわ!!!!」
敵は力が抜けたように、ヘナヘナペタンと足をルの字にして座り込んだ。
……
中からはふつーの顔が出てくる。額に刻まれたバーコードに、頬に刻まれた部隊番号。私と同じだ。
「私は……。」
「よし!こっちも片付いたんだが!!」
「フン」
二人も敵を片付けたようだ。
「とどめを……。」
ハベヂラが剣を振り上げたその瞬間だった。
「待ってくれ!」
私が倒した一体がそれを制止する。
「私たちは技術統制グラスによって操られている!!頼む、みんなを解放してくれ。私はどうなってもいいから!!」
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