第14話 潜入!!エルナー・ゲリテーン
潜宙艦により降り立ったのは惑星エルナー・ゲリテーン。そう、特別任務の地である。同惑星はサーヴァリア企業連合により支配されており、また軌道上で管理主義三銃士の一人であるルニアス・ジヴェジルスが撃墜され死亡したとされていた。
その後同志ルニアスの生存が明らかになり、エルナー・ゲリテーンのアインスネルク地方が管理主義レジスタンスにより占領される。
★★★
詳しい話であるが、天嶺連邦は状況の不拡大を条件にアインスネルクを解放するようサーヴァリア企業連邦に提案していたという。
しかし、レジスタンスは"
天嶺連邦も新体制の下内政に注力しており、戦争からの疲弊から立ち直れてはいない。ゲルデン宙域の共産主義と膠着状態にあるとはいえ、万が一企業連邦と戦争になれば我が国の人民と経済はひとたまりもない。
アマト陛下と同志ウーナは惑星エルナー・ゲリテーンが「制御不能状態」にあるとして"
とはいえ、同志ルニアスが生きているとなれば、ジエール帝国連邦再興のめどが立つ。私の任務は同惑星から同志ルニアスを連れ戻すことである。
★★★
私が降り立ったのは、原住民の都であるアインスネルクの郊外。アインスネルク人と言えば洞窟に住む民族であり、青白い肌に真っ白な顔が特徴的だ。紫外線に弱く、この惑星で豊富なの洞穴生物や植物を食して生活している。帝国連邦への加盟後は紫外線シールドを獲得し、外の食料の獲得が可能になったため人口が増加している。
表面はシンテーア人により都市が築かれており、原住民とシンテーア人による共生が行われている。と、地理の教科書に書いてあった。
私が植物の木陰から観察していると、激しい銃声が聞こえてきた。恐る恐る銃声のなる方へと移動するとそこではレジスタンス軍と企業連合軍の銃撃戦が行われていたのだ。
「おい、あれを見るんだ!」
小声を発し指を指すプロアイス。
潜入任務といえど、同胞を見捨てるわけにはいかないのでは。私は本部に通信した。
「司令本部こちらジェニム・ロット。レジスタンスと企業連合軍の戦闘を確認。加勢の許可を求む。」
「こちら皇居司令部ガナン司令官。交戦は許可できない。君たちの任務は潜入であり、また"
くッ。ただ見ていろと言うのか。
「
サーヴァリア軍が退いていく。レジスタンスは球を数発撃たれても倒れることなく、追い打ちをかけていく。レジスタンスに強靭な装備が!?
「おかしいんだが。本国からの補給なしにあの装備、あの指揮統制。あれはもう立派な軍隊なんだが?」
戦闘が終わり、"技術統制軍"が企業連合軍の死体を運んでいる。よく見ると、"技術統制軍"の兵士が謎の「グラス」をしているのが見える。ゲーミング眼鏡じゃないが、何やらそれぞれ個性的な色に光っている。
「同志プロアイス、あれは?」
「少なくとも我が国の装備ではないんだが。多機能グラスなんだろうが、色は……階級?」
一体どうなっている。
「おい、貴様らそこで何をしている!!」
ギクゥッ……!!
一人の兵士がこちらを向き、ゆっくりと歩み寄ってくる。馬鹿な、木陰に隠れて、我々の行動は完全に隠密だったはずだ。まさかあのゴーグル、いや、やはり暗視ゴーグル機能があるのか。
だが幸いこちらに歩んでくるのは一人。やるか??
「ずらかるぞ、嫌な予感がするんだが。」
嫌な予感?あ、考えている間にあいつ勝手に撤退してる!?
「そこか??」
あ、やべーっ!!こうなったら、もっとも古典的な技を使うしかないようだ。
「ニャ、ニャー……」
「なんだ、猫か。」
いまだ!!私は猫になりきり、兵士が後ろを向いたすきに、足で地面を蹴り森の中へと消えた。
「あ!!この惑星、よく考えたら猫が生息していない!!」
◆◆◆
何ということだ。逃げきれてしまったーーー。そのまま同志プロアイスを追いかけていくと……
「おい、待つんだが!」
彼は小声で、腕を伸ばし私を制止する。
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