第2話恋愛の向こう側
「みさき、今年のバレンタインはどう過ごすんだ?」
「別に予定はないけど」
「とか言ってひさしちゃんと一緒に過ごすんだろ〜?」
「過ごすも何もあいつが付いてくるんだわ」
「お前そう言って嬉しいんだろ?」
「うるせぇ〜よ」
「じゃ、逆に俺に予定聞いてみろよ」
「めんどくさいなぁ〜今年のバレンタインの予定は?」
「あんな、貰えないんだよ。こんなルックスでは、、、
みさきみたいに顔がかっこよくて、頭が良くて、金持ちだったら
何もしなくてもチョコなんて軽々ともらえる。でもこんな無能な俺に
1つのチョコをもらうにも努力をしないといけない。努力がどれだけ
大変かお前にはわかるか?わからないよな〜そうだよな〜。
だから俺は決めたんだ。いくら努力しても天才には勝てないんだから!
俺は。【マイク・タイソンの顔面タトゥーを入れる】
「マイクタイソンの顔面タトゥー入れた何が変わるんだよ!
そして、そんなしょうもない事言うのに前振り長すぎだろうが!!」
毎年バレンタインはひさしの手作りチョコを貰う。
毎年同じ味。だから味はしっかり覚えてる。
でもその味を食べる度になぜか気持ちが落ち着く。
それを食べれば2月14日が来たんだって改めて感じる。
どうせ同じ味だからいらねぇ。なんて思ってるけど結局は求めてる自分がいる。
キーンコーンカーンコーン
「みさき!今年はチョコ何個もらった?」
ひさしは毎年の同じ質問をしてくる
「今年は30個ぐらいかな」
「うわ〜今年もいっぱいもらったね!誰からもらったの?」
「覚えねぇよ」
「えー!じゃ私が教えてあげる!」
「は?」
「あかり、ゆき、なな、ゆうき、めい、ゆうな、みほ、いつき、ゆずき、あいか
なぎ、なお、のぞみ、ななこ、えり、、、
「待て待て!何でお前が全部把握してるの?しかも加藤ミリアの
ディアロンリーガールに乗せて歌わないで!何か寒気がしてくる!」
「まだ歌えるよ?」
「も、もういい!なんかごめんなさい。」
「わかったよ〜」
ひさしは物足りなさそうな顔をしていた。
時刻はもう夕方。いつもならこの下校時にいつもチョコを渡してくる
でも今日渡してこない。ギリギリで渡すのかな?でも毎年すぐに渡すけどな。
もしかして忘れてる?それか俺がちゃんと付き合わないからもう好きな気持ちがなくなったとか?
俺は急に動揺しだした。まだ家まで距離がある。必ず貰える!
「ひさしはチョコ作ったのかよ」
「作ったよ!」
「全部渡しきったのか?」
「渡したよ〜」
「ええぇぇ、、、全部?」
「全部」
「本当に全部なのか!?」
「全部だよ!しつこいなぁ〜」
終わった。俺は心の中その唱えてしまった。そうだよな。
幼なじみで小さい頃から結婚の約束までして歳を重ねていけば曖昧な答えばかり
俺が気づくのが遅かったんだ。ひさしの気持ちに。こいつだって大人になって
いくんだ。好きな男だって変わる。思春期な女の子ならありえる話だ。
ちくしょー!!何で俺はもっとちゃんと気持ちを伝えなかったんだ!!
「みさきどうしたの?」
「いや、何もないよ!」
「泣きそうな顔してるよ?」
「いや、何でもないんだ」
「ふ〜ん」
ひさしの一句一句の言葉が冷たく刺さる気がしていた。
「まさか私があげたチョコが美味しくなかったとか?」
「いや、そう言うのじゃなくて、、、え」
「何?」
「今何て言った?」
「だ〜か〜ら〜私があげたチョコが美味しくなかったのかって聞いてんの!」
その時俺は天使に迎えられている気がした。そっか今年は違う形で渡してるのか!サプライズってことか!バック?下駄箱?いや確認したけどなかった。
うちぽけ?いやない!どこだ!!
「何を嬉しそうな顔でゴソゴソしてるの?」
「ひさしのチョコだよ!どこに隠した!?早く教えてくれ!」
「え、みさきもう食べてるよ」
「は、食べてる?」
「うん!」
ひさしは満面の笑みで答えた
「いやいやいや、もらってないし、食べてもないぞ!チョコなんて!」
「はー!何言ってんの?チョコは渡したし、食べてるよ!今日の14日の0時00分に」
「はい?それはどんな渡し方でどんな食べ方?」
「あのね!今年はすこ〜し違う渡しかたをしようと思って」
「はい」
「まず昨日の夜中みさきの部屋に忍び込んで」
「うん」
「ズボン下ろして〜」
「は」
「お尻ちゃんから食べさせたの!」
「あ〜!だから俺は食べたのに気づかなかったんだね〜、、、、、
ってしばくぞこらぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!
まず、それは食べたに入らないし!そもそも食べさせるに入らないし!
食べさせ方間違ってるしな!!そんなんだったら味もわかる訳ねぇだろうが!!」
「ちょこっと食べさせにくかったよ。チョコだけに❤︎」
「殺」
言葉だけで笑わせたら凄くないですか?(恋愛編) 片腕鳥男 @hata-tsu
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