第8話


白馬に乗ったお姫様が

お婿さん探しの旅をしています。




誰かを探している風に

道行くレディ達を眺めている王子様に出会いました。


「ごきげんよう、王子様。

どなたかお探しですの?」


王子様は

満面の笑みで振り向きました。

「ごきげんよう!」



ふたりはニコニコと見つめ合います。



ぴかぴかの靴

真っ白なシャツ

上等なマント

整った髪

見事な婚活仕様の王子様です。


乗っている馬も

ブラシで磨かれて

元の色が分からないほどぴかぴかです。


ふたりはニコニコと見つめ合います。



「どんな気持ちがしますか?」

「え」




Q: どなたかお探しですか

   ⇓

A: どんな気持ちですか


・・・謎かけ?




王子様は丁寧に、且つしっかりと

「私に、運命的な何か、感じますか?」



運命☆


お姫様の頭の中を

7話で出会った勘当王子様が

レンタル馬で駆け巡りました。


(運命だからね、運命だからね・・・🎶

 また会うよ、また会うよ・・・・🎶)



「お姫様?」

「ハッ☆ 失礼いたしました。 ちょっと、ボーッとしてしまいました」

「大丈夫ですか?」

「ええ、勿論!ウルトラ大丈夫です!」

「変な言い方で驚かせてしまいましたね。私は花嫁になる人を探しているのですよ」

「まあ!私も、花婿になるかたを探していますの」



おお、wonderlandも8話で遂に最終回になるのでしょうか?




「私はあなたの、運命の王子でしょうか?」

「え」


「お姫様、私は思うのです。

生涯をともにするひとは、運命の相手だと」

「ええ」

「運命の相手は特別なひとです」

「ええ」

「ですから、出会えばきっと分かる筈なのです。このひとだと」

「そうなのですか?」

「あなたにお逢い出来て光栄です。しかし私は特別な何かを感じることが出来ませんでした。

これは私のセンサーが曇っているだけかもしれない。

あなたのほうはどうですか?

なにか、こう、ビビーッとくるとか、見付けた!とか、運命的なものを感じますか?」



王子様は真剣です。

真剣に、今まで運命の人を待っていたのでしょう。



「ごめんなさい。特には・・・」

「・・・そうですか」


王子様はガックリ肩を落としました。



「王子様はこれからも運命のお相手を探し続けるのですか?」

「はい」

「いなかったら、どうするのですか?」

「え・・・?」

「いないなら、探しても見つかりませんわ」



王子様は高い空を見上げ、暫く沈黙しました。


それからお姫様に視線を戻して

フッ、と微笑みました。

「いますよ、どこかに。

運命だから必ず逢えます」


「そうなのですね。逢えますように・・・

ごきげんよう、王子様」

「あなたも、運命の人に逢えますように。

ごきげんよう、お姫様」




(運命だからね・・・🎶)

ヤメテ~☆



お姫様の旅は続きます。



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