六、新井尚也
そろそろ、焚き火に薪をつぐ頃合いだ。
新しい薪を手に取り、炎の中に入れようとしたその時、焚き火の反対側に座る、あかりさんも僕と同じように薪を足そうとしていることに気づいた。
思わず、彼女と目が合う。
僕は、彼女に微笑み、軽く会釈したが、彼女も僕と同じように、微笑み会釈した。その姿がシンクロして、微笑みが笑いに変わってしまった。
彼女も、同じように笑っていた。
何だか恥ずかしくなって、居心地が悪くなった。
「尚也くんは、どんな生きづらさを抱えてここに来たの?」
あかりさんが、薪をくべながら、僕に尋ねてきた。
僕は、それを言うことを、少々躊躇った。ここに集まる人たちが、ショックを受けてしまうかもしれないからだ。いま言うのはまだ早い。そう思った。
「僕は、後にします。ところで、れおさんは、生きづらい、と思った瞬間はありました?」と、僕はれおさんにバトンを渡した。
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