22話 新たなる仲間(種族は問わない)
目が覚めると、目の前にエリーゼがいた。
「また看病してくれていたのか?」
お礼を言おうとすると、エリーゼが喋りだした。
「まあ、はい。でも自分が好きにやった事なので、お礼は大丈夫です」
なんていい人なのだろうか。
「サトシ!起きたの?」
リョースケが話しかけてくる。
「ああ。リョースケは何やってたんだ?」
「僕は、地下室を見つけたからイルマを探してたんだ。でも、地下は大迷宮みたいな感じだったから、迷っちゃって」
大迷宮……。
何かあるのだろうか。
「何かあったか?」
「特に何もなかったよ。下の階への通路と、壁や床や天井以外は。」
下の階って、怪しすぎるだろ。
「サトシが倒れた後、大変だった」
え⁉何が?
「何が?」
「腹を貫かれた佐藤仁は、捨て身でサトシに斬撃を撃ったんだ」
「俺とセイイチで逸らしたから、<魔法袋>を貫いただけだったけど」
「その中からお化けみたいな性能の武器が世界に散らばったんですよ」
《⁉》
エルが驚いている!
その時、外で轟音が響いた。
『ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!』
「何だ⁉」
外に出ると、あいつが立っていた。
「俺はアークデミリッチのマオグンカ、改めアデリーだ!」
アデリー……ペンギン?
「何で生きている⁉」
「俺は死んでいる!浄化されなかったから、まだ存在している。それだけだ!」
浄化……。
「そうか。<聖光線>‼」
俺は使える精一杯の浄化魔法を使う。
「神聖剣術・十式<月光閃・天震>!」
エリーゼが浄化効果のある剣術、神聖剣術を使って、援護する。
「でもまだ存在してまーす」
マオグンカ……じゃなくてアデリーは煽ってくる。
「なんで死なない⁉」
「元々死んでるけどな」
そうでした。アデリーはアンデッドでした。
「お前……。そんなに俺とコメディ出来るなら、俺達と仲間になったほうが良いんじゃないか?」
「それは無理だ。俺は魔王軍幹部だし、お前とは殺し合った。お前は俺の敵だ」
「ちょっと!俺の国では、喧嘩友達とかいる人がいたけど⁉」
「お前の国と俺の国、魔王国は違う!」
「守れ!<魔法強壁>!」
「<雷撃連舞>!」
無数の雷撃が俺に向かって走る。
上級魔法の力で、<魔法強壁>にかなりの大きさのヒビが入る。
「ぐっ!防御せよ!<防御障壁>!」
<魔法強壁>の更に上位の魔法を使う。
「<威圧>!」
流石アークデミリッチ。その威圧は、俺を痺れさせた。
「あぅぐ!」
が、俺は立ち上がる。
「攻めろ!<超高収束高密度圧縮高速魔力弾>!」
「強化されている⁉」
「努力したからな!」
当たり前だ!エルがいつの間にか何らかの形で貯めていた能力点を使って、取ったんだ!
《それは努力とは言いません。最も、私は能力点を1ポイントも貯めていませんが。》
1ポイントも貯めていない⁉
《はい。殆ど元から持っていた能力点と、勝手に達成されていたミッションの報酬ポイントでまかなわれています。》
俺は意外と優秀だった。
「努力、か」
なんか疑われてる⁉
っていうか、<魔力弾>当たってるよ⁉
「だから、さ」
「何だ?」
「俺と仲間にならないか?」
「努力と何の関係もない!あと」
「何だ?」
「いや、<魔力弾>当たってるんだけど」
「当ててるんだよ!分かったら仲間になれ!」
「あれは確か、100年位前の事だった」
なんか始まった。過去の話?
「……」
「俺は、マジシャル領のツイヨ村で高位の魔法使いとして生活をしていた。ある時、<支配種>という種族最強の魔物にツイヨ村が襲われたんだ。S+、S、S-の冒険者総勢二十五名で戦ったが、手も足も出なかった」
Sランク台冒険者多すぎだろとか、<支配種>って何だよとか、<支配種>化け物すぎだろとか、色々突っ込み所があるが、大人しく聞くことにする。
「結局村は滅ぼされ、子供と高位冒険者だけで村を脱出した。そして俺は、魔王と同等と言われている<支配種>と戦う為、リッチに成り魔王軍幹部として力を高めることにしたんだ」
……そんな残酷な過去が……。
《先程の質問ですが、ツイヨ村は強い魔物が多い為、高位冒険者の狩場として定評がありました。その為、その時も高位の冒険者が多くいたと思われます。<支配種>は、各系統の種族達の頂点に立つ魔物です。それを理由に、<支配種>が化け物なのは当たり前です》
成る程。まあまあ分かった。
「だから俺は、お前なんかと仲間にはならない!」
「なら。俺と一緒に<支配種>を探さないか?」
「何?<支配種>を探す?」
「ああ。アデリーが<支配種>を見つけたとして、戦って確実に勝てる保証はない。そうじゃないか?」
俺はアデリーが仲間になったらかなり頼りになると踏んでいる。
「―――分かった。一緒に<支配種>を目指そう」
こうして、魔王軍幹部と俺は、仲間になった。
一週間後……。
俺達は、地球で言う中国の最南部の辺りに来ていた。
「もうレベル20以下は見かけないな」
「そうだな。何せかなり南だ」
「魔王は俺が倒さなければいけない」
刻一刻と魔王との決戦の時は近づいてくる。
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あとがき
すみません、手抜きです。快適に読みたいのなら、下記URLに。
https://ncode.syosetu.com/n2640gt/
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