20話 「人でなしめ、倒してやる!」そのためには……?模擬戦!
……ここは?
「起きましたか。」
「おはよう。」
キャンプだ。キャンプをしていたんだ。
ワレルは消えたか。エリーゼが言ってたし。
「敵よ!」
敵……。
「<斧拘束アックスホールド>!」
「風嵐剣術・四式<風神暴風>!」
「火炎剣術・十式<煉炎連撃>!」
「このデスナイトの俺様に、その程度の魔法剣術が聞くとでも思っていたのか?水氷剣術・一式<流水斬>。」
デスナイト……。英雄がアンデッドになった奴だったっけ?悪の魔王軍はアンデッド多いな。
「凍らせろ!<凍結>!」
「水氷剣術・十一式<受流>。」
強いな。英雄がアンデッドになったデスナイトだからか?
「蒼き炎よ、炎の真意よ。我が意に応え、具現せよ。全てを焼き尽くし、周囲を灰燼に帰せ!<蒼炎>ッ!」
「御大層な詠唱だな。<氷結界>。」
俺の詠唱にケチ付ける気か⁉
ほら見ろ、エリーゼが睨んでるぞ!
「<魔法技術吸収>!」
これは俺の必殺技だ!食らえ!
「<抵抗>。」
《抵抗⁉そんなに高ランクの英雄何ですか⁉》
「何⁉<魔法技術吸収>が防がれた⁉」
「覚えておきな。俺様の名前は、佐藤仁だ。」
佐藤って、日本で一番多い名前なのだが。仁も、良く居そうなのだが。やはり地球世界の人か。等と、色々と言いたい事があるのだが。
佐藤仁はイルマを攫って逃げて行った。
「待て、佐藤仁!待ちやがれ!ゴミ!カス!」
待たない佐藤仁に、俺は罵声を飛ばす。
そして追いかけるために走り出す。
「待って下さいサトシさん!」
「追いかけないと!」
「そんな事、用意を整えないで行ったら、返り討ちにされますよ⁉そうなったら私は生きていけません。心配する気持ちも分かりますが急がば回れ、ですよ。」
そうだった。
イルマを取り戻す為にも、用意をしっかりしなければならない。
俺の魔力はまだ、全快していない。
「拠点が分からない。どうすればいいかな。」
「<隠密>と<気配隠蔽>を持ったジュンジュンに追跡させた。大丈夫。」
<魔法袋>の中身を確認するか。
武器:
剣:聖剣エクスカリバー、名剣アロンダイト、聖剣デュランダル、魔剣グラム、妖剣フルンティング、魔法剣ティルフィング、カーテナ、ジョワユーズ、オートクレール、ガラティン、ハルパー、ダーインスレイブ、勝利の剣、普通の剣×3
その他:聖槍ロンギヌス、金の矢、銀の矢、神矛トライデント、イージスの盾、最強武器雷霆、アイアスの盾、金杖ケリュケイオン、雷神の鎚ミョルニル、グングニル、ゲイ・ボルグ
アイテム:アレキウスの鎧、賢者の石、聖杯カリス、足枷グレイプニル、ミスリル1キログラム、オリハルコン1キログラム
どうなってるんだよ。
《すいません。》
お前が集めたのか。どうやって……。
なんでこんなの現存してるんだよ……。
すると、俺が読み上げた内容を聞いていたエリーゼが、声を上げる。
「こんなに凄い武器があるなら、魔法剣士にでも戦闘スタイルを変えてもいいんじゃないですか?」
「そうするか。ちょっと模擬戦してくれ。」
俺の実力を試したい。
「はい。サトシさんなら、強いと思いますよ。」
「エリーゼも強いよ。」
エリーゼは女騎士って、近接戦闘向き天職だしな。
「(目の前でいちゃつかれたよ……。)」
「(そうだな。ちょっと爆発してくれ。)」
「(そう思う。)」
「(爆発なんて言っちゃいけないよ。(キラキラ))」
「よーい。開始!」
赤のタグをつけた俺は竹刀で、白のタグをつけたエリーゼに縦斬りで斬り付ける。
これでも、剣人に誘われて中学三年間の間、剣道をしていた。
その為、剣の扱いには慣れている。
エリーゼは縦斬りをバックステップで回避し、剣を元の場所に復帰させる事と俺の構えを殺す目的で左下から右上へ斬り上げる。
俺は剣を横にして上がってきたエリーゼの打ちを打ち落とすと、反動で剣を跳ね上げて面を狙う。
「エェェンッ!」
剣道は「面」と叫ぶと、「エン」と言っているように聞こえる。
というか殆ど「エン」って言っている。
エリーゼは横にサイドステップで躱す。俺は続けて籠手を狙うと、エリーゼも同じ所を狙い、籠手を相打ちして抜ける。
「「ッテェェ!」」
一応これは、「籠手」と言っている。
俺はいち早く振り返ると、今振り返ったばかりのエリーゼに、面を打つ。
「ウェェェェェン‼」
審判であるジーナは、白の旗を揚げる。
残り二人の審判、リョースケとジュンジュンは、赤。
つまり、俺に一本だ。
「面あり!……始め!」
一対〇で俺が優勢になり、試合が再開される。
俺とエリーゼは向き合い、延長線が相手の首元になるように竹刀を構えると、お互いに面を打ちこむ。
「「エェェェェェェェェェェンッ‼‼」」
次は、審判が三人とも、感嘆の声を上げる。
「凄い……。」
「迫力……。」
「……やば。」
審判は赤、白、白。
エリーゼに一本。
試合再開。
数合打ち合うと、俺は面を打つ。
「ンネェェェェェェェェェン!」
すると今度は、審判全員が赤を上げる。
「勝負あり!」主審のジュンジュンが告げて、試合は終了した。
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