3話 異世界らしき世界
……。うん……?
ここはどこ?うーん。私は、……中村サトシだな。
そこは見慣れた東京ではなかった。すべての建物がレンガでできている。中世?異世界転生?
《ここは異世界で、サトシ様は転生しました》
あ、ホントに転生……。異世界のどこ?
《日ノ本王国王都、東都レンガタウンです》
「そうか……」
「そうじゃない?」
分かってないだろ。というか誰?
《<能力見眼>を使って下さい》
名前:著作権=フォン=アラール
性別:女
Lv.60 精神Lv.77
天職:支配者
目標職:理想の皇帝
年齢:33歳
攻撃:650
防御:770
速度:650
魔力:60
能力スキル:冒険者<小剣術Lv.100、小槍術Lv.100、小拳術Lv.100、小弓術Lv.100>
称号:神聖世界皇帝著作権12世
《<補助者>が進化しました。進化=補助人格》
この人、世界の皇帝さん。お偉いさん。
「貴方様は、どなたで御座いますか……?」
これでいい(のか?)。
「ああ。世界の支配者☆」
「何⁉」
「ああ、かしこまらなくていいよ☆」
「なにー⁉」
「殆ど名誉職だから☆」
皇帝が、名誉職……!
マジですか。
「私はサトシといいます。東都って?」
「日ノ本王国王都じゃ」
「貴方は、どなたですか?」
「日ノ本王国国王ジパング21世じゃ」
国王様で御座んした。何か語彙がおかしくなってないのかではないかでしょうか。なってますらっしゃいますよねっす。
《狂っています》
名前考えたいよな。補助人格さんの。名前がないと不便だし。
《なぜ今?》
忘れていたから。
じゃあ、ウル○マン!
《却下》
うーん。餅食べたいからモチ!
《却下》
エレン!
《理由を聞いても?》
進○の巨人!
《却下》
アルフレッド!
《……うーん……却下……》
なんで⁉
《肉体を得たときアルフレッドだったら男性限定になるからです》
うーん。エル……?
《いいですね。理由は?》
肉体を「得・る・」為に縁起がいいかなって……。
《まあいいのではないでしょうか》
許容範囲が分からない。
「どうしたの☆」
神聖世界皇帝様?猊下?この人、僧?と日ノ本王国国王……陛下?の前で考えることではなかった。
《「陛下」は君主に対する尊称です。サトシ様は日ノ本王国国王の臣下ではないので陛下と呼ばなくていいでしょう》
おお。物凄く便利だな、エルは。
《くっくっく……》
笑いが黒い。
《そうですねサトシ「陛下」》
クッソ恥ずかしい。陛下って。
「ホント大丈夫?」
「お主、魔法使いだな?」
もしかして、魔力で判断できるとかか⁉つまり手練れ⁉
「貴方も魔法使いですね?」
「引っ掛かったー☆誘導尋問だよ☆」
「因みに儂は魔法使いでは無いのじゃ」
《サトシ陛下、<能力見眼>を使えば良かったのではないでしょうか》
あの、エル。「陛下」って、止めないか?
《無理です》
言い切った⁉そんな!ハズい!
《そもそも誰も聞かないのですよ?》
そうだけど!
「あれ?からかい過ぎて落ち込んでいる⁉ごめん!ホントごめん!謝るから!元に戻ってー!」
「大丈夫です。少しウザいとは思ったけど」
「……ごめん」
「ウザいって、どういう意味だったか……日ノ本語がおかしくなった……」
あ。そういえば普通に日本語通じているな。厨二病だから神様補正とか想像してしまう。
《いいえ、私が翻訳しています。まあ、<補助人間>自体、邪神王様の神様補正なのであながち外れてもいませんが》
やはりエルは便利だった。そして邪神王様⁉
《先ず、神々について説明します》
神々⁉そんなレベル⁉
《神には<階級>があります》
また来たな階級!
《……4つしかありませんけど》
そうだとしても階級は面倒くさい!
《固定観念……》
「やっぱり大丈夫じゃないでしょ⁉」
「病院に運ぶか」
「だ、だ、だ、大丈夫ですう!」
まず、お金もない。
《あります》
「あるの……?」
「君、独り言好きなの?」
ここが異世界か……。
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