バタフライエフェクト問答

「君がさ。そのブラックコーヒーを飲むとするじゃん?」

「…は?」

 彼女は唐突に真面目な顔で、僕の持ったコーヒーを指差しながら、言葉を紡ぐ。

「だからさ。君はブラックコーヒーを選んで今飲もうとしてるわけ。でさ、もし君がカフェオレを選んでいたら、今頃どこかで油田が見つかってたかもしれないよね?」

「お前、頭大丈夫か?」

 僕は意味のわからない発言を、どこかしてやったりと得意げに話す彼女を見る。

「バタフライエフェクトだよ!ばたふらい!」

「…………なんか違くないかそれ。いや、合ってるのか…?」

「つまり君はカフェオレを買って飲めば甘党の私に分けることもできて油田も見つかったかもしれないってことだよ!」

「ああ、わかった。お前が素直じゃない奴ってことだけはな」


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