第10話 コタン散策

翌朝


「カエデ様、山を下って、

トカチ川の中ほどにあるコタンに

行ってまいります

戻るまでに2、3日はかかるとおもいます


最近、どうも不穏な空気がながれていて、

トカチ川沿いのコタン(村)の村おさが

一同に集まることになっているのです」


『▪▪▪

そうなんですか』


「どうかトカチコタンの村人達に

わざわいが来ないように

日のカムイに祈って下さい


あと、このコタンも日のカムイの恩恵を

たくさん受けている村ですので

いろいろみてまわられたら良いと思います」


『わかりました』


「それでは」


『お気をつけて』





(不穏な空気ってなんだろう

そういえば、このような時期に来てくれたってよろこんでいたような▪▪▪)


「カエデ様、おはようございます

何か召し上がりますか?」

と奥様のアシリレラさん


『おはようございます、

いえ、食事は大丈夫ですので、


この周囲を散策しても宜しいですか?』


「どうぞどうぞ


あちらに見える、一番背の高い

トド松がわかりますか?


そちらの方に行かれたら、

息子夫婦の家があり、孫たちも

とてもなついていましたので

顔をみせてあげて下さい」


『はい、わかりました』





散策散策


空気のよさがはんぱない


少し肌寒いけれど

新鮮な空気をすって、


野の道、山の道を

歩いたり、登ったり、下ったり

木々も多くて、草木も生い茂って


原生林の真ん中に道がある感じ


「たしか松の葉は食べれるんだよね

江戸時代では非常食とするために

あちこちに松を植えていたとか


ちょっと採ってかじってみよ」


(苦が!

でも健康そうな味がする!

)


散策 、散策


『あっ、あれかな、息子さん夫婦のお家は

ごめんくたさい』


すぐに幼い兄妹が反応します

「あっ、だれかきた!」

「だれかきた!」


「あっ、カエデだ!」

「カエデだ!」


「これこれ、なんと礼儀のないことを

カエデ様といいなさい


ごめんなさい、カエデ様

ようこそいらっしゃいました


どうぞ中に入って下さい」


『いえ、村おさから、いろいろみてまわればと勧められ、散策している所でして


「そうなんですか、そしてら散策が

終わったらお寄りください」


『はい、そうします』


幼い兄妹が


「わたしも一緒に行く!」

「ぼくも一緒に行く!」


「これこれ」


『ああ、お母さん大丈夫ですよ

そしたら二人に案内してもらおっかな~』


「「うん!」」



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