第4話 陰陽の技 その2

「わかった?」


首をフリフリ


『むずかしいですね

でも、天、沢▪▪▪は知ってます

易占ですよね』


「そう、易占を知ってるのね」


『はい、こうみえても、私、

占い師なんです』


「占い師なんだ~

そしたら、五行をいってみて」


『はい

木に火をつけたら燃えて

あとに灰(土)が残り、

土が長い年月の間に固まって岩(金)に

なり、岩の間から水がしみでる


それで、水で木が育つではじめに

戻ります


木→火→土→金→水

で五行です


「そうそう

天、沢は金

火は火

雷風は木

水は水

山地は土


というわけです」


『しかし不思議ですね、

天▪沢▪▪で森羅万象を表現する

なんて

五行、火とか水で物ができているなんて』


「そうね~、不思議よね~


2500年年前に易占ができたんだけど

古い占いよね~


でも、易の原理は

コンピューターと同じ2進数なのよ


コンピューターは1と0の

組み合わせのみで、

複雑な計算をしたり、

画面に文字をうつしたり、

画像まで、映画までうつしたり

スマホで人と話せたりできるじゃない?


それと同じで、易占は

陰が0、陽が1にあたって


たとえば、雷は易占ではこう書くんだけど


ー ー 陰

ー ー 陰

ーーー 陽



これは、陰が二つに、陽がひとつ

で表現しているのよ


線を三本使って、天▪沢▪▪と

8パターンを表すから

8進数ね


天▪沢▪▪は、全部で八つあるから

八卦というのよ


あたるも八卦、あたらぬのも八卦

というでしょう(笑)


その八卦


『2500年前に、2進数▪8進数を使ってたんですね~

コンピューターは、2進数▪16進数ですよね


すごい話です、びっくりです



「まあ、大昔の占いって、

亀の甲羅を焼いてヒビのはいり方で

占ったり、


大地に文字を書いてもらって、

それで占ったり」


『そ~なんですね

おもしろそうですね(*^^*)』


「街を視察していた王様がね

その人に占ってもらったんだって


土の上に文字を書いてくださいって

いわれたのでね


王様は、ーーーーっと

横線を一本書いたのよ


そしたら、その占い師がね


ハハッてひざまついてね


あなた様はこの国の王様で

あられますっていったのよ


ほら、〈土〉という字の頭に横線

つけたら〈王〉という字になるでしょ」


『ああ、なるほど、』


「亀の甲羅を焼いて占っていうのも

すごいわよね、古代の人達って感じ」


『そーですよね、海亀の甲羅ですかね

亀さんが大変ですよね(^_^;)』


「荘子が宰相になってくれったて請われた時、

尻尾を引きずりながら水中にいるのと

甲羅をとられて占いに使われるのと

亀としてはどっちが幸せだと

思う?っていったあと


我は尻尾をひきずっていこう


と切り返したのは格好よすぎ



『へぇ~、そういう逸話もあるんですね』


「インドの古代のバラモンの占いなんて

人の頭骸骨を叩きながら、呪文を唱えて

生前の生き様や死因、病死のときにどういう治療をすれば治っていたとか

死後どういう暮らしをしているとか

わかっちゃうんだからね~


『頭骸骨を叩くんですか?

死ぬ前に占ってもらいたかったです(笑)』


「ドクロ呪というのを唱えるんだってね~



▪▪▪▪



まあ、そんな感じで


とりあえず、


首乾腹坤 ▪▪▪というのは、


首、頭部が天(乾)、

お腹が地(坤)

眼と耳は、日と月

口と腕は、沢と山

足、股は、雷と風


をあらわしていて

この身体が天地の縮図だと

教えているの


大宇宙の縮図、

小宇宙が人間ね



『口が沢なんですね~

唾液は毎日1リットル分泌されるので

泉ですかね


マラソンで走っている姿が

風と雷


お腹が大地ですか』


「そう、なので、身体を宇宙の縮図だと

思って、深く、深く心を沈ませていって

その機微に達したら、不思議が

不思議でなくなるの


夢見も可能になるのよ


大昔から難行苦行をやって、瞑想したり

座禅をしたり、寒中滝を受けながら

祈祷をしたり、深山幽谷で野に伏し

山に伏し荒行をしたあと禅定に入ったり


みな同じなのよ、陰陽の技もね

登り口は違っても、同じ山頂に

至るでしょ



『はい』


「とりあえず、今日のところは

原象呪、ああ、首乾腹坤▪▪のことね

を覚えて、あとは座禅の仕方を教えて

終わりにします


あとは、何日か続けてみてくださいね」

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