月と空[ルナとソラ]

中野 拓斗《たくと》

第1話 プロローグ

ここは人魔和平条約により五十年前に建国された領域国『アヴァロン』

その首都、共生と学業の都市『レナリア』からこのお話は始まる。


「ちょっとぉーソラぁ待ってよー…あっ」

ドスンと階段から落ちる音

「ルナ、こう少し気をつけて行動しなよ」

ソラと呼ばれた少年は今週何回目か分からない溜息をついて、少女を立たせる。

「早く行かないと。卒業式まで遅刻は笑えないから」

「そうだけど」

ムッとした表情のルナを見て、ソラは微笑み続ける。

「うちの学校本来飛び級制度はないらしいんだけどね。」

「私たちまだ1年しか行ってないのに」

ルナとソラは今春 アヴァロンの國立魔道大学院を『5年間』の飛び級で6年の所を1年で卒業する。

國立魔道大学院は大陸有数の大学院でここを出れば人生勝ち組とされている。

しかし、授業内容が難しすぎで毎年600人しか入学出来ないのに、うち550人は退学か留年の運命が待ち構えている。そこまで難しいため元から飛び級制度など存在せず、ルナとソラは練習例外中の例外。

「まぁ行ってみないと」

「わかった。じゃ行こう!」


後の『アヴァロン』にてこの2人が最強の英雄月と空と呼ばれ世界を激震させるのはもう少し先のお話である。


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月と空[ルナとソラ] 中野 拓斗《たくと》 @nakano-takuto

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