メビウス邸で
十八時間後
マルヴォロがメビウス邸にたどり着いた。
彼の庭にヴィオーグが一頭、ブリガリオンが一機着陸していた。
「呼ばれたのは俺だけじゃなかったんだな…」
ノックを鳴らすと
中から白髪交じりの老人が現れた。
「レベリオン・マルヴォロ様ですね。こちらへ」
案内された奥の部屋には
メビウス、アリア、ウィンストン・ムラサメ、ラークがいた。
「ようこそ、マルヴォロ。あとキャメルも呼んだんだが…」
煙合に入らなかった一族を収集したようだがラークがいる…。
ラークがメビウスに計画と煙合のことを話したのだろうか。
「話ってなんだメビウス?」
「まぁそう焦るな。まだキャメルが来ていない。長旅疲れただろう。
二階に部屋を用意している。少し休むといい」
メビウス家はほかの一族と関わらないと聞いていたが随分親切だ。
「アリアとムラサメとプリヴェルは休まないのか?」
「ええ、私はいいわ。ブリガリオンだもの」
「僕もそう遠くないですから」
プリヴェルは黙っている。
「じゃあ、俺は休む。キャメルが来たら起こしてくれ」
「どうぞこちらへ」
さっきの白髪じいさんが案内してくれた。
広い部屋にベッドと机と椅子が一つ、燈台にマントをかけ、
隠すように剣と拳銃をしまった。
ベッドに横になっているうちにいつの間にか眠ってしまったようだ。
気が付いた時は白髪の使用人が起こしに来ていた。
「マルヴォロ様、キャメル様がおつきになりましたが、そのまま休みたいとおっしゃらています。まだおやすみになられますか?」
まだ寝ていたかった。
「ああ、悪い」
「では、ご夕食はいかがなさいましょう」
随分腹も減っていたが、
「後にしてくれ」
承知しました、と言って使用人が下がる。
また数時間後、使用人がお食事の用意ができました、と起こしに来た。
その頃には目もさえていたので、
拳銃だけ懐にしまって階下へ降りると、もうみんな食卓についていた。
「キャメルもいまに目を覚ますだろう。よく眠れたかい、マルヴォロ」
「そらぐっすり」
食事が運ばれる少し前、白髪とキャメルがともに降りてきた。
メビウスは軽く微笑むと食事を始めようといった。
話はそのあとだ、と目が訴えている気がした。
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