第8話

よもや、俺の初キスは幼馴染の金髪ギャルに奪われた。


マヒロの奴、やたらと舌を絡ませてきて

これ、ディープキスってヤツだった。


「んん....」


やがて。

俺は頭の中があんま働かなくなった。

ただ思っていたことは、マヒロは

やたらと積極的で。やたらと肉食系だった。

ビッチなマヒロはキスなんてもう何度となくやってるだろーから、余裕だろーが、

俺は初めて。刺激が強過ぎる...!

む、息子が起き上がる、寸前...!


暫くして。マヒロが俺を解放してくれた。


何故かって?


救世主が現れたんだ。


トントン。


ドアが開き、


「マヒロお嬢様。紅茶とお菓子をお持ちしました」


マヒロ宅の使用人。


メイド服っぽい服を着た女の人が

差し入れを持って来てくれたのだ。


だが。


マヒロの机の上は、ファッション雑誌の山。

今にも雪崩が起きそうである。


しかも、先生役の俺も、生徒役のマヒロも不在。


歩みを進めた、使用人の女の人は。


俺ら二人がベッドでお取り込み中だったので、


驚いて、


「キャア...!」なる声を上げた。

無理もない。


マヒロは俺に馬乗りになっており、

今にも服を脱がんとしてた。


今にも、ニャンニャンなことをおっ始めよーとしてたんじゃないか?

と思ったんだろう。


そして、ガシャーンと

ティーカップが割れた。


チョコレートのケーキ?だと思うが、

それも床に落ちてしまった。


あーあ、勿体ないな...


そんな事を考えていたら、マヒロが

バッと、身体をのけぞり、キスをやめてくれた。


「も、申し訳ございません!

お取り込み中のところ、大変失礼しました!」


「んんんもー!」


マヒロはぶつくさ言ったが、俺は助かった、と思った。


俺の息子が暴走したら

いろんな意味でヤバかった。

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